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ふたりの愛情曲線は大丈夫?

ふたりの愛情曲線は大丈夫?

【専門家監修】妊娠中・出産後の夫の態度に要注意!良好な夫婦関係を保つには?<前編>

「夫というひと」の冒頭に出てくる愛情曲線のグラフやマンガのストーリーに衝撃を受けた読者も多いのでは?

出産を機に、夫への愛情や幸せなはずのふたりの関係が、今までとはどこか変わってしまう夫婦は少なくありません。夫が変わってしまうの?私が変わってしまうの?どう対処すればいい?……気になるところを専門家に聞きました!

「妊娠・出産」を機に夫婦関係は変わる!?

夫婦だけでいろいろなことを決めて、進められた結婚生活とは違い、赤ちゃんという新しい家族の登場で、ふたりだけでは決められないこと、予測できないことが増え、いままでと同じようには進まないのが産後生活!

特に女性にとって、妊娠~出産期は「変化を無視できない」期間。体の変調に気を取られながら、職場に妊娠を報告したり休みを相談したり……身体的にも環境的にも強制的にしかし時間をかけて段階的に、変化に適応していくことが求められるもの。一方で、男性にはそれらの変化は起こらず、産まれてから急に家族が増えたこと、の適応を求められてしまう。つまり「出産を機に夫婦関係が変わる」というより、「状況が変わったことに夫の認識がついていけないから、夫婦関係がいびつになる」と考える方が◎。

産後にありがち“適応できない夫”の5タイプ

新しい家族を迎えることで出産後に急変する生活。その変化に“適応できない夫”としてありがちなパターンをご紹介。あなたの彼は大丈夫? 

赤ちゃん返り夫
「赤ちゃんばかりじゃなく自分にもかまってほしい」オーラを放つ夫。どうせ自分なんて……といじけたり、俺と赤ちゃんどっちが大事?と自分の子どもをライバル視。無視をしだすときも。
「自分は無関係」夫
家事や育児に非協力的で、どんなに妻が忙しくても自分からは動かない。赤ちゃんが泣いても「泣いているよ」と報告するだけで、オムツを替えようとしない。
家庭にいない夫
残業に飲み会…と平日夜遅くまで帰らなかったり、休日も予定を作って外出したり…。金銭感覚も前と変わらずに趣味や交際費に罪悪感なくお金を使う。
引きこもり夫
帰宅しても自室にこもりゲームやネット、スマホを堪能。休日に家事や育児の協力をお願いしても、「頭が痛い」「気分が悪い」と言ってひたすら自分だけゴロゴロ……。
話を聞かない夫
何を話しても「疲れてるから」と聞く耳をもたず、うるさがることも。慣れない育児や家事にイライラしている妻と一緒になってイライラしてしまい、話にならない。

一方で、こういった彼の態度が出てきたときに、不満をただぶつけたり、「〇〇して」「〇〇しないで」と一方的に妻側の要求を伝えるのはNG。「いつも遅くまでお疲れさま」「今日はゴミ出しをしてくれて本当に助かった!」と労をねぎらいつつ、「私はこんな時、こうしてくれるとうれしい」「私はあなたがこうすると悲しい」と具体的な状況と自分の気持ちを伝えるとわかりやすい! きっと彼にも響くはず。

また、普段から彼以外に愚痴や悩みが言える人間関係を作っておくのも大切。女性は「気持ちをシェアしたい」「孤立したくない」という心理が強いので、ママ友や先輩に聞いてもらったり、相談するのも手。

【良好な夫婦関係を保つコツ1】出産までにふたりで「家庭を築く」という想像をする

「今は授かり婚が増えたこともあり、出産に対してふたりで準備する期間が無かったり、少子化や核家族化で赤ちゃんに触れる体験が身近に無かったりで、産後の大変な生活を想像するのが難しくなってきた」と本田先生。

赤ちゃん=幸せを運んでくるというイメージが膨らみ、産めば幸せな日々が待っていると受動的に思ってしまいがちだけれど、実際に赤ちゃんが生まれると大変さを実感する日々に戸惑っちゃう!
だからこそ出産前から、家族が増えたらどんな家庭を築きたいのか、例えば、住まいのこと、余暇の過ごし方、お金の使い方など、お互いのイメージや希望を出し合ってコンセンサス(合意)を得ることが大事だそう。

【良好な夫婦関係を保つコツ2】産後は夫婦間のコミュニケーションをより大切に

赤ちゃんが生まれると、ママはお世話、パパは仕事へという構図になりがち。だけど、「産後のスタート時期こそ、パパに家事育児にしっかり参加してもらいましょう」と本田先生。先輩ママの中には「彼も仕事が大変だから夜は起こさないようにベッドを別々にする」「育児を手伝って欲しいけど、彼は仕事で疲れているからできるだけ自分でやる」という人がいるけれど、新米ママが1人で頑張りすぎるのは危険と先生は指摘します。

「育児はこれからずっと続くもの。産後は体の変化が大きく、無理をすると産後うつなどにつながることもあります。家族みんなが体も心も健康的でいられるように、長期的に見て持続可能な家事と育児の分担を考えてほしいです。」(本田先生)

そして育児や家事の分担に限らず、例えば、「ふたりの赤ちゃんの話を聞いてもらえれば嬉しい」とか、「私はこうしてほしい」「僕はこうしたい」という素直な気持ちをお互いに伝えながら、受け取りながら、、日々二人にとってより良い生活の仕方を見つけ、それを重ねていくことこそ、幸せな家庭を築く方法なのだそう。

専門家紹介

【監修】本田りえ先生
臨床心理士。博士。武蔵野大学非常勤講師。武蔵野大学心理臨床センター相談員。DV、ハラスメント、性犯罪などの被害者のこころのケアに携わる。著書に『みんな「夫婦」で病んでいる』(主婦の友社)、『モラル・ハラスメントのすべて』(講談社)。

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