私が2人目を妊娠した時の話です。
当時私は35歳、2年前に1人目を出産したあとでした。
結婚が遅かったので、年齢的なものを考えるとすぐにでも下の子が欲しいと思い、
食事を工夫したり、タイミング法を試したり、できることは何でも試していました。
今年は無理かな、と思っていた矢先に妊娠が判明した時は、本当にうれしかったです。
1人目が男の子だったので、今度は女の子が欲しいな、と心の中で密かに思っていましたが、口に出しては言わず、どちらでもいいから元気に産まれてほしいね、と夫婦で話していました。
妊娠3ヶ月がたったころ、上の子では全くなかったつわりが出始めました。
炊きたてのご飯の臭いをかぐだけで気分が悪くなり、食事は全く喉を通らなくなりました。
料理するのもつらい状態でしたが、夫が気を使って惣菜を買ってきてくれたり、お姑さんが差し入れしてくれたりし、なんとか日々を過ごしていました。
そんなある日、私は横になりながら名づけの本を読んでいました。
その時はまだ、お腹の子が男の子なのか、女の子なのかわかっていません。
私はふと、息子に「名前何がいいと思う?」と聞いてみました。
すると息子は「○○ちゃん」と女の子の名前をはっきり言うのです!
私はまだ性別がわかっていないのに、なぜ女の子の名前なのかな?と不思議に思いました。
それに息子が通っている保育園にも親戚にも、息子がたまに見る幼児番組にも、
その名には全く心当たりがないので、なぜ思いついたのか不思議でした。
特殊な名前ではないですが、古風な名前でした。
息子に「妹が欲しいの?どうして女の子の名前なの?」と尋ねると、
「だってそうなんだよ」としか言いません。
お腹の赤ちゃんが見えるの?と尋ねると、見えないけどわかるとのこと。
私はこの神秘的な発言にびっくりしてしつつ、ドキドキしながら
「なぜこの名前がいいの?お友達でいるのかな?」と聞くと、いないとのこと。
そのあと突然、叫ぶように「○○ちゃん、○○ちゃん、○○ちゃん、○○ちゃん」
と連呼しだしたので超びっくり!
何度聞いても○○ちゃん!の一点張り。
まるで初めから決まっているかのような言い方でした。
その数ヵ月後、お腹の中の赤ちゃんが本当に女の子だとわかりました。
女の子が生まれた場合、命名権は私にあったので(息子の時は夫に決定権がありました)、それからは名づけの本を何冊も読み、ノートに100個近い名前を書きあげ、
格数や意味、苗字とのバランスも考え、出産届を出すぎりぎりまで悩んでいました。
結局、息子の考えた名前に強い縁を感じ、○○ちゃんになりました。
出産届を出した日、「ようやくこの悩みから解放されるー!」と思ったほど、悩みに悩みました。
息子は自分が名づけ親になったことが嬉しいようで、この話をするとすごく照れくさそうに喜びます。
私は妹思いの優しいお兄ちゃんに成長してくれて、本当にうれしく思います。
著者:さくら草
年齢:41歳
子どもの年齢:5歳と7歳
2児の母をしています。名づけって、本当に悩みますよね。子供にあげられる一番初めの大切なプレゼントだと思うと、 何度考えても迷ってしまい当時は毎日そのことで頭がいっぱいでした。愛するわが子だからこそ迷うのですが、今思うとこれも大切な思い出です。
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