長男のときは、予定日を1週間すぎてもまったく子宮口も開かず、前駆陣痛が起こる気配もなく。
初産だったので予定日より遅くなることは覚悟はしていましたが、「赤ちゃんの体重が推定3200g以上あります。このまま大きくなりすぎると大変なので、陣痛促進剤を使いましょうか」ということになりました。
入院日が決まったことで、「いつ陣痛が来るかわからない」という不安でせわしない気持ちと、「まだ生まれないの?」という周囲のプレッシャーからも解放されて、とりあえずはひと安心。
予定日より8日後に準備万端で入院しました。
入院後、内診などもろもろを終え、陣痛促進剤投与開始。
ところが、いっこうに陣痛は始まらず、その日はいったん終了。
不安で眠れない夜を経て、翌日朝から再チャレンジすることになりました。
2日目は順調に促進剤が効き、「はい、次15分間隔ね」と先生の指示通りに点滴の量が調整され、その宣言通りの間隔で陣痛が起こるという、なんともコントロール感たっぷりに陣痛が進んでいったわけですが・・・。
様子を見に来た先生。「子宮の開き具合を診ますから、ご家族の方は部屋の外に出てください」と。
そしていつもの内診台ではなく、陣痛室のベッドの上で内診が行われたのですが、突然、パチン!!という音がして、腰が引けるほどの激痛。
思わず「いったーー!!」と叫んだ私の声はあまりに大きく、部屋の外にいた家族を不安にさせるほどだったとか。
その後、なまぬるい水が太ももを伝い、「あれ?今、無理やり破水させられたの??」とようやく事態を把握した次第で。
それにしても突然の人工破水には非常に驚きました。
そして、陣痛とは種類が違うあの鋭い痛みといったら・・・。
さすがに「なんか言ってからにしてよ先生!」と後から不信感がこみ上げてきたのですが、そのときはもう、それどころではなくて。
医療用語的は「人工破膜」というようで、「人為的に卵膜を穿孔し破水させることで、陣痛を誘発・促進する」効果があるそう。
陣痛が微弱な場合など、他の陣痛誘発・促進法を組み合わせて用いられることが多いようです。
「普通の内診のときと同じで、入ってきたのは先生の指だったはずなのに、どうやって切ったの?なにか特殊な手技でもあるの?」とこれまた不思議だったのですが、指の間にはさみ状の「コッヘル」または「ペアン鉗子」という器具をはさんでいて、それで卵膜を穿孔、要は突き破ったんだと、後に自分で調べてその謎が解けたのでした。
その後、分娩室に移ったものの、赤ちゃんの頭が出かかった状態で、こう着状態に。
最終的には吸引分娩という、処置されまくりのてんやわんや初産でした。
産婦人科の先生方、毎日毎日昼夜なくたくさんの赤ちゃんを取り上げて、本当に大変で尊いお仕事だと思います。
でも、先生にとっては毎日の当たり前のことでも、私たち産婦にとっては人生における一大イベントで超非日常な経験なんです。
できれば、なにか処置をするときは説明をお願いしたい(たとえ相手が陣痛で普通の精神状態ではないように見えても)と、出産から数年を経てもなお、あの時のショックがちょっとしたトラウマになっている者からのお願いでした。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:青柳うさぎ
年齢:41歳
子どもの年齢:息子6歳・娘11ヶ月
34歳で長男を、40歳で長女をそれぞれ高齢出産。4月から1年生になる長男の習い事の選別に悩みまくっているブレブレ教育ママ。ヨチヨチ歩きの娘vs家でも走りまくる息子の5歳11ヶ月差兄妹のやりとりを見るのがたまらなく楽しい日々。ゆえに、子どもを保育園に預けずにSOHOでどこまで仕事ができるかチャレンジ中。
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