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きみが笑ってくれた日 by はなこ

「こんなはずじゃなかった」

 

この言葉が、妊娠中のわたしの心に少なくとも100回以上は浮かんだのではないだろうか。

 

じゃあどんなはずだったのか。

わたしがまだ子どもを授かる前、街で見かける妊婦さんたちは、その全員が例外なく幸せそうに見えた。

そりゃあ個々にさまざまな苦労はあるのだろうが、外から見たわたしの目にはそう映っていたのだ。

 

当のわたしもずっと子どもが欲しいと思っていて、「女の子だったらこの名前にしよう」と、なんと高校生のころから考えていたのだ。

そしてお腹に子どもが宿ったときも、やっぱり嬉しかった。

 

だけれどその後のわたしの生活は、思い描いていたような「ハッピー」なものとは程遠いものだった。

とにかくずっと体調が悪いし(初期はつわり、後期は腰痛に悩まされた)、大好きなお酒は飲めないし、夫は仕事やめちゃうし

 

特に夫との関係がうまくいっていなかったことが精神的な打撃として大きく(一時期は別居もしていたので)、「結婚すべきじゃなかったのかも」「子どもを授かるべきじゃなかったのかも」「この先もきっとうまくいかない」と悲観的になり、物事を甘く考えていた自分の浅はかさだとか、自分の意志と関係なくめまぐるしく変化していく状況だとか、そんなことがほとほと嫌になっていたのだ。

 

「わたしにはこのお腹のいのちは重たすぎる」

そんな弱音を吐いてばかりだった。

 

妊娠7か月頃のある日、もうだいぶ大きくなったお腹をかかえて、わたしは病院へ定期検診に訪れていた。

エコーでわが子の成長を見られるのが楽しみな反面、「この先どうなるんだろ…はあ…」みたいな憂鬱もあった。

 

ひととおりの検診を受け、医師からの「順調ですね」のひとことで安心する。

しかもその日は、ちょっとしたサプライズがわたしを待っていたのだ。

 

 

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 ※編集部注:赤丸内が赤ちゃんのお顔。左のほうにお口が見えます。

「笑ってる!」

 

わたしは医師から受け取ったエコー写真を見ておどろいた。

だってそこに写っていたわが子の顔が、笑っているように見えたのだ。

 

「ああ本当だ、お母さんのお腹の中が心地良いのでしょうね。」

 

医師はそう言ってくれたが、わたしのお腹の中が心地良いだなんて、きっとそんなこと全然ない。

わたしはいつも泣いてばかりだし、夫と喧嘩してばかりだし、産む自信がないとか言ったり、可能ならばお腹を取り外して休みたいなんて思ったりもしていたのに。

 

そのときわたしは思った。

 

「母は強し」なんて嘘だ。

 

この子のいのちが強いのだ。

 

わたしはそれに、ただ情けなくひっぱられている。

 

だってほら、今この瞬間、「産むのが怖い」なんてこれっぽっちも思わないもの。

 

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わたしの妊娠生活は、確かに「こんなはずじゃなかった」かもしれない。

だけれど今、わたしの体中から込み上げてくるこのあたたかさ、それが、「家族が増える」ということなのかもしれなかった。

それはときにとても重くのしかかってくるけれど、その紛れもなく素晴らしい事実に、ゆっくり、少しずつ向き合っていこうと思った。

 

そして今、生まれたわが子(もう3歳になった)と向き合うわたしは相変わらず情けないままだ。

怒ったり泣いたり不安になったりの毎日で、やっぱり「こんなはずじゃなかった!」なんて愚痴っている。

だけれどこの記事を書いている今、「お腹にいる頃からこの子の笑顔に励まされていたんだなあ」なんて思い出してクスっとなってしまう。

 

 

「ママなんでわらってるの」

 

「娘ちゃんのことが大好きだからだよ」

 

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きみが笑ってくれた日

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著者:はなこ
年齢:28歳
子どもの年齢:3歳

2012年生まれの娘を持つ1児の母。娘との日常を描いた はなこのブログ。や はなこの約4コマブログ  を運営し、日々くだらないことばかり書いている。重度の親バカ。 また、自身の育児体験を活かし ママと赤ちゃんの産後MEMO にて産後のママのための情報も発信中。

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