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産後、半日足らずで退院!?文化の違いと疲労で涙の毎日…オランダでの初めての妊娠・出産記

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初めての妊娠・出産では、不安なことがたくさん!私の場合、最も不安だったことは母国の日本を離れ、現在生活しているオランダで人生初めての妊娠・出産を迎えることでした。

基本的な英語は通じることが多いオランダですが、妊娠中の定期検診は全てオランダ語(わからない専門用語もいっぱい!)だったので、検診には主人にもついてきてもらいました。オランダでは定期検診にも夫婦で来ている人が多かったです。

 

出産当日は夕方18時頃に陣痛が始まり、6時間後の深夜にオランダの病院で自然分娩で出産しました。

妊娠から出産までの経過は良好でしたが、出産が終わってからがこんなにも大変なことの連続だとは、この時は思ってもみませんでした・・・。

 

最初の不運は、出産の際に会陰裂傷になってしまい、出血が止まらずにすぐにオペ室へ運ばれたこと。

実は、これがオランダで初めて受ける手術でした。

緊張する暇もなく、出産で疲れてぼーっとしたまま受けた分娩直後縫合。

手術が終わり、午前3時半に赤ちゃんと主人が待つ病室へようやく戻ることができました。

でも、ホッとしたのもつかの間。会陰の傷が痛むので、トイレに行くのもつらいのです。あまりの痛みで泣きそうになりました。

 

午前4時頃、病室でやっと一眠りできたかと思えば、7時にナースがやってきて起こされて検診。

そして「異常がなかったので、退院の準備をしてください」と言われました。

「えーっ??まだまだ疲れているこんな状態で、まじですかー??」とは思いつつ、オランダではそれが普通だと聞いていたので、体にムチを打って退院の準備に取り掛かりました。

結局3時間だけ眠ってすぐ退院!!

オランダで赤ちゃんが生まれた時にふるまわれる「ベスハウト・メット・マウシェス」を退院の前に食べましたが、疲れすぎていて味はわからずじまいでした。( ★写真が「ベスハウト・メット・マウシェス」です)

丸いラスク(ベスハウト)にバターやマーガリンを塗り、その上から砂糖でコーティングされたアニスシードをのせたものです。

アニスシードは2色売られていて、男の子が生まれたらブルー、女の子が生まれたらピンクをかけます。

オランダ伝統の出産祝いのお菓子で、赤ちゃんが生まれた家庭にお祝いに行くと必ずふるまわれます。(逆に言えば、赤ちゃんが生まれた家庭は誰が来ても「ベスハウト・メット・マウシェス」をふるまえるように買っておきます。)

アニスは、母乳分泌を促進させる効果もあるそうです。

個人的には美味しいと思いますが、アニスが苦手な人は食べられないかもしれません。

 

退院の際は、傷も痛むし、とにかくへとへとなので、私は車いすに乗って、チャイルドシートに乗せた赤ちゃんを膝の上に置き、オランダの曇り空の中、車へ向かったのを覚えています。

キャサリン妃のように赤ちゃんを抱いて病院の前で笑顔なんて、到底無理な状態でした。

 

帰宅後は、クラームゾルフスターさんが自宅へ来てくれました。

「クラームゾルフ」とは、オランダ特有の産後ケアで、自宅に来て看護をしてくれるという制度。そのケアを行う人が「クラームゾルフスター」です。

一定期間、毎日来て産後の母子の健康管理や赤ちゃんのお世話の仕方を教えてくれる他、余った時間で家事を引き受けてくれます。

資格職で、看護師ではなく、介護士のような位置づけで医療行為はできません。

助産師と連携しています。

産後は全員がこのクラームゾルフによるケアを受けます。

費用は、基本となる産後8日間(合計49時間)は保険でカバーされます。

私達のところには、いかにもオランダのおばちゃんというかんじのNさんが午前9時から午後3時まで10日間(時間・日数は人により異なります)来てくれて、いろいろ教えてくれました。

 

次の難関は、母乳でした。

ミルクの時間になったので母乳を飲ませようとするのですが、赤ちゃんがうまく母乳を飲めず、大泣きをするのです。

赤ちゃんがやっと吸ったかと思うと、私に襲いかかる衝撃の激痛!!

慣れれば大丈夫だというのですが、慣れるのなんて到底無理な痛みです。

それでも、我が子のためにと泣きながら母乳を吸わせましたが、母乳がうまく出ていないようで赤ちゃんは日に日に体重が減っていくばかり。

クラームゾルフスターのNさんの判断で、粉ミルクを足して授乳、母乳は搾乳して与えることになりました。

赤ちゃんが生まれたら自然と母乳が十分量出るはずと思っていたのですが、そうではない状況に落ち込みました。

 

そして、会陰の傷。

これが思っている以上に痛くて、体を自由に動かせないのです。

歩くのもやっとだし、寝室のある2階へ階段で行き来するのも一苦労でした。

日本ではドーナツクッションを使ったりすると聞いたことがあったので、私も買おうかとNさんにアドバイスを求めたら「クッションなどあてないで、平らな場所に座ることが大事」だと言われました。

仕方なくそうしたけれど、平らなイスに座るなんて、もちろん痛い!

 

自分の体のことだけでも大変なのに、赤ちゃんは頻繁にミルクを欲しがります。

くたくたで退院して家で少し休めるかと思いきや、ほぼ休息なしで続く慣れない育児

さらに、主人の両親と妹が赤ちゃんを見に来たいと家にやってきたりで、なかなか休めない。

 

こんな時に食べたい料理はやっぱり和食。

でもオランダ人の主人は和食が作れません。

日本なら、スーパーでもコンビニでも手軽に手に入りますが、ここはオランダ。

和食が食べたいなら自分で作るしかないのです。

赤ちゃんは予定日より早く生まれてきたので、冷蔵庫には天ぷらの材料がありました。

 

天ぷらの下ごしらえをすませ、油で揚げている時に、急にこみ上げてきた涙。

「なんでこんなことしているんだろう」と、涙が頬をつたいます。

傷が痛むのに、キッチンに立たなければならない辛さ。

母乳育児も軌道に乗らない。体力はもう限界。

一度でいいからぐっすり眠らせて欲しい。

疲れている時に天ぷらを揚げているのがバカらしくもなってきて、いろいろな感情が爆発してキッチンで泣き崩れてしまいました。

気づいた主人がすぐに飛んできてくれましたが、涙がなかなか止まらない。

もちろん、マタニティブルーの影響もあったのでしょう。

本当に辛くて、日本で出産していたらどんなに良かっただろうと思いました。

 

産後の生活はこんな風にバタバタを過ぎていきました。

やはり、しっかり休息を取れなかったことが影響しているのか、その後も様々な病気に見舞われてしまいました。

トホホ・・・。産後くらい、ぐうたらしかったなぁ。

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著者:すーじー
年齢:34歳
子どもの年齢:4ヶ月

オランダ人と国際結婚し、オランダに暮らして4年。現在はオランダの魅力を知ってもらうため、オランダ旅行のアドバイザーとして活躍する。歴史ある街並み、豊かな自然、気さくな人々に囲まれ、オランダ生活に慣れてきた今日この頃だが、妊娠・出産・子育てを通して新たなカルチャーギャップに遭遇中。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。