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“THE・マタニティブルー”からの脱却。そのきっかけは、当然の人間の欲求「睡眠」でした

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何の予備知識もないままに、「いい病院」との口コミ情報を信じて、地元で有名な産婦人科を選んだ私。そこは、母子同室・完母推奨を徹底しているスパルタ病院でした。

出産当日は出血が多く観察室でのベッド上安静となってしまったため、2日目から母子同室の入院生活が始まりました。

同時に、まったく寝ない息子との格闘の日々もスタート。(前半の体験記はこちら

ズタズタの身体で、おっぱい・おむつ・抱っこと、覚えたての3つのワザを順番に繰り出してみるも、息子は眠らず、泣きまくり、あえなく撃沈……。

助産師さんが抱っこすると少しは落ち着くのに、私が抱っこしてものけぞってギャン泣きする息子。

今思えば、息子はこの世に産まれたばかり、私は母親になったばかり。

最初からうまくいくはずもないのですが、その時は「この子は本能的に私のことが嫌いなんじゃないだろうか……」とまで思いつめる始末。

3日目を終える頃まで、私はTHE・マタニティブルー状態に陥っていました。

 

変化が起きたのは、4日目。

この日、息子が黄疸の検査に引っかかり、一晩、光線療法を受けることになったのです。心配する私に、先生は「安全な治療ですから、お母さんは睡眠を取るチャンスだと思ってゆっくりしてください」とニッコリ。

「そうか、今夜は私、眠れるんだ……」。一瞬、ホッとしてしまい、次の瞬間にはそんな自分に罪悪感。

 

息子が連れて行かれ、シーンとした個室にポツンと残された私。

不思議なことに、そうなってみると、息子の元へ呼び出される授乳の時間が待ち遠しく思える自分がいました。

「体力を回復させて、しっかりおっぱいあげなきゃ」。

私は、ひとまず眠ることに。

次の授乳までのたった3時間だったけれど、陣痛に耐えた出産前の3日間を含め、約1週間ぶりにまとまった睡眠を取れた夜でした。

 

それ以降、母子の診察や病院の企画などで息子と離れ離れになることがあると、私は朝でも昼でも短い時間でも、とにかく寝るようにしました。

すると、心がだんだん前向きに。

現在も実感していることですが――睡眠って、本当に大事!

自分に余裕ができると、親切で熱心な助産師さんや看護師さんたちにも感謝と尊敬の気持ちが生まれます。

病院で完母推奨を掲げているだけあって、どのスタッフさんも、授乳の時間には特に根気よくつき合ってくれました。

正直、母乳育児に対しても明確なビジョンを持っていなかった私。

できるだけ母乳はあげたいけれど、どれくらい出るかも分からないし、足りなければミルクを足して、とにかく元気に育ってくれればOK! と思っていたし、今でも完母育児がベストだとは考えていません。

でも、毎日「どんどん上手になってますよ」「今度はほかの姿勢も試してみましょう」「真夜中でも気になることがあったら呼んでくださいね」などと声を掛けてもらううちに、できるだけ頑張ってみようという気持ちが芽生えてきたのです。

この頃から私は、「このスパルタ病院は新米ママ育成学校! せっかく入学(入院)したからには、卒業(退院)するまでにいろいろ勉強しておこう!」と、発想を転換。

お言葉に甘えて何度もナースコールを押し、質問をぶつけたり指導をあおいだりと、すっかり意欲的な生徒(患者)に変身したのでした(笑)。

 

その後、息子の光線療法の回数が増えたために、私の退院も延期。

結局、10日間の入院生活を送ることになりました。

通常より長く特訓してもらったおかげで、家での育児は比較的スムーズにスタート。

これが、私が病院に感謝している理由です。

 

退院してからも、電話で息子のちょっとしたトラブルについて相談したり、乳腺炎になった時に母乳外来に駆け込んだり、ベビーマッサージや離乳食講座などのセミナーに参加したり。

この病院には、とてもお世話になっています。

顔見知りのスタッフさんに会うと、「息子くん、大きくなったね」「その後、体調はどう?」などと声をかけてもらい、”ホーム”に帰ってきたようなあったかい気分になることも。

スパルタ病院は、確かに「いい病院」でした。

その前に、「めっちゃ厳しいけど」という言葉をつけ足したくはなりますが(笑)。

もし次の機会があるとするなら、ここを選ぶか、母子別室でリラックスできる病院を選ぶか、悩むところ。

でも、初産をこの産婦人科で経験できたことは、とてもよかったと思っています。

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著者:cosmic
年齢:36歳
子どもの年齢:0歳9ヶ月

フリーライター。女性誌やWEBなどで執筆。遠距離結婚生活を経て、2015年に長男を出産。“東京で仕事”と“関西で育児”、両方の暮らしを楽しむのがマイテーマ。目下、知らないことだらけのベビーワールドをキョロキョロ探検中です。

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