妊娠・出産・育児の情報サイト


生後2ヶ月での高熱。尿路感染症と確定するまでの入院生活は、予想以上に精神的に辛いものでした

f:id:akasuguope02:20160120182926j:plain

「ねえ、2ヶ月ってこんなに熱出るんだっけ?」

生後2ヶ月の次男が発熱していた。

保育園に預けはじめということもあり、風邪をもらったか、疲れが出たか……と考えたが、体温計が38度をこえている。

<6ヶ月未満児がこんな高熱、普通出ないよな。>

ピンときたので、当日どうしても仕事を休めなかった私は、「病院に連れてって」と夫に次男を託した。

お昼も近いころ、夫から連絡が来た。

「大学病院に紹介状書いてもらってる。入院が前提で話が進みそう」

 

どうしてもはずせない仕事を終えて、大学病院に到着したのは15時ごろだった。

救急外来に入ると、点滴につながれて、痛々しい姿となった2ヶ月児が、夫に抱っこされていた。

どのくらい待っただろうか。

何人もの、ストレッチャーや車椅子に乗った急病人を見送った。

途中おなかが空いた!と泣く乳児にミルクを与え、しばらく待っていると、我々は呼ばれて医師から説明を受けた。

「まずひとつ、尿路感染症の疑いがあります。そのほか、保育園で流行っている病気などはありますか?」

RSウィルスが流行りかけていたのでその旨も告げた。

医師は続ける。

「そのほかの可能性もあわせて診させていただきたいんですけど、まだ2ヶ月ということで、尿路感染症かなあというところですね」


入院病棟に移ると、入院の先生からまた説明を受けた。

先生たちは図解しながら、我々夫婦に説明してくださったのだが、入院というところまでは想定していなかったので、少しパニックになっていた私には、断片的な単語しか頭に入ってこなかった。

「逆流」「膀胱」「損傷」……。

 

6人部屋の一番通路側に入院することになった次男は、抗菌剤が効いているのかほかの患者さんに申し訳ないくらい元気で、18時を過ぎて薄暗くなった病室には、カーテンで囲まれた向こうから、けたたましいアラーム音がキンコーン、キンコーンと鳴り続け、その音が緊張感を増していくのだった。

24時間付き添いの病院ではなかったので、その日は一旦帰り、翌日は朝から病院に向かった。

点滴をする以外に特にすることもなく、本人はもう解熱しており、暇な時間をもてあましているようにも見えた。

付き添っている間は遊んだり授乳をし、夜は消灯時間に寝かしつけをしてから帰った。

 

とはいえ、私も会社をいつまでも休むわけにはいかない。

次の日からはもう、朝は搾乳を届け、夕方は早退し、消灯の1時間前に滑り込み、寝かしつけをしてから帰る日々。

するとだんだん、おっぱいの出が悪くなるのを感じたのだ。

「そうだ、新生児室にいたとき、搾乳するのに赤ちゃんを目の前に置かれたよね」

と、次男の写真を見ながら搾乳するという手段に出てみたが、それでもだんだん搾乳量は減っていったのだった。


毎日病室に立ち寄っては、尿や血液検査の結果を聞き、夫に伝えた。

夫が平日病室に立ち寄ることはなかった。

「なんていうか、つらいんだよね、足が遠のくっていうか……」

夫の言わんとしていることは分からなくもなかった。

ひっきりなしに続くアラーム音、別の病室にいる、もっと重篤な子どもたち。

たぶん次男が一番軽症であり、入院しているのが申し訳ない気分になるのだったが、その場全体を覆っている、重苦しい空気に私もちょっと、心がやられかけていたのだった。

 

入院5日目あたりだったろうか、心が折れた私は丸一日有休をとって街をふらふらした。

子どもがいたら行けないところ、一人じゃないと楽しくないところ……。

そう思ったのだが、結果としてお参りをしたりお守りを買ったり、なにひとつ自分のことはしていないのに気づくのだった。

病院に戻ると次男は「この腕!もう!邪魔!」と言わんばかりに、点滴が刺さっているほうの腕をぶんぶん振り回して寝返りを打とうとしていた。

「早く点滴なくなるといいねえ」

そういって、私は寝かしつけをした。

 

家に帰ると、長男が何の気なしにベビーベッドのメリーをつけた。

誰もいないベビーベッドに、ただ、オルゴール音が流れる。

主の帰りを待つ空のベビーベッドは、メリーの音が流れるだけでこんなにも悲しく見えるものだろうか。

何かがわっとあふれてしまい、私はしばらく部屋で泣いた。


尿中に白血球が見られ、次男の病名が尿路感染症であると確定した。

熱の様子と毎日の検査結果からは、尿の逆流も腎臓への影響も見られず、やがて点滴がはずれ、10日間の入院を経て退院した次男は、以前よりどことなくふっくらとし、健康的な見た目になって帰ってきた。

それ以降、3ヵ月ごとの検診を続けているが、最初の1回こそまだ尿から白血球が検出されたものの、それ以降は高熱が急にスコーンと出ることもなく、安定した毎日を送っている。

どうか、再発しませんように、と今はただ願うばかりだ。

f:id:akasuguope02:20151117214533j:plain

著者:kikka303
年齢:39歳
子どもの年齢:4歳11ヶ月・0歳7ヶ月

1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、複数のテレビ局にてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。