3月22日に起きた、ベルギーのブリュッセル空港でのテロ。
我が家はブリュッセル空港から15分〜30分ほどの位置にあります。
そんなに近くで起こった惨劇でしたが、実はそのことを知ったのはTwitterからの心配の声からでした。
そしてTwitterだけではなく、フェイスブックやメール、LINEなどありとあらゆるSNSからたくさんの「大丈夫ですか?」「無事ですか?」の声…。
すぐさま異常事態→テロ関連であるということが分かりました。
というのも、この時つい先日パリのテロ犯が捕まったばかり。
コレですんなり事態が収束すればいいが、そうは上手くいかなんやないかと思っていたので心の準備はできていたのです…
…と自分でも思っていたのですが、実際にベルギーニュースで馴染みのある空港の変わり果てた姿、地下鉄の無残な焦げた跡などを見て「誰がどうみてもパニック」な状態になりました。
全身が震え、涙が止まらず、しかしテレビのニュースを消すことも出来ず、ただただ震えて泣いていたのを覚えています。
考えるのはやはり子ども達のこと。
私達は3人の子どもを幼稚園と学校にに送り届けた後にテロのことを知ったのですが、本気で園に迎えに行こうとしたのですが夫に止められました。
何故なら、テロ発生直後から非常事態宣言が発令され不要不急の用事では外出を控えるよう勧告されていたことと、ベルギー中の学校や人が集まる公共機関にただちに警官が最低一人配備されるということを鑑み「家にいるより学校にいる方が安全」と判断したからでした。
とはいうものの、子ども達の無事な姿を見るまでは安心できず…。
時に呼吸がしづらくなるほどの苦痛を感じました。
学校の終わる時間のなんと長かったことだろう…。
他のことなど手につかず、ただただ同じ内容のニュースを流して(涙も流して)時が経つのを待つだけ。
「もし子ども達がテロに巻き込まれたら」なんて考え始めようものなら胃が本当に縮んだかのような痛みを感じました。
「自分がテロに巻き込まれたら」というテーマより「子どもたちが」と考えることの壮絶な破壊力。
「ああ、子をもつということはこういうことも想定しなければいけないんや…こういう耐えられない想いに苛まれることもあるんや…」と独身の頃には味わったことのない恐怖に心がつぶされそうになりました。
「果たして自分は子どもたちを前にして不安を伝えないようにすることはできるのだろうか?」「ちゃんと笑えるだろうか?」とも思いました。
そんな時、やっと子どもたちの下校の時間になり、最初に一番下の三女のクラスが出てきました。
無事な姿をみてホッとしつつも、
彼女の鼻についているものが何か気になる…。
これは1日いい子にしていた子に貼られるご褒美のシールで、何故か三女はそれを鼻の頭に貼ってもらっていたのでした。
私の心配をよそに鼻高々にこちらに向かってくる三女。
しかし、鼻の脂のせいかシールはすぐに落ちてしまう。
それを一生懸命にひろって鼻につけ直す三女…。
そういったことを5〜6回繰り返す三女…。
この時の気持ちをなんて言ったらええんでしょうか…。
一気に緊張が解け、呼吸も楽になったのを憶えています。
もちろん全ての恐怖と心配が消え去ったわけではありません。
しかし、この一連の事件で私は子どもがいるが故の負の部分も正の部分もこれでもかと同時に味わったのでした。
著者:さとえみ
年齢:35歳
子どもの年齢:2歳4歳6歳
大阪生まれの大阪育ちで似顔絵師をやっていましたが、今はフランダース地方で白目むきながら三姉妹の母をやっております。日々の生活に追われながらも絵を描くことだけは忘れたくないと時間短縮のためにたどり着いたのはiPad miniでブログ絵を描くこと。考え方のまるで違うシロクマ似の旦那様と元気いっぱいの三姉妹に囲まれて、「パトラッシュ…もう疲れたよ…」と言いながらもブログを更新しております。
ブログ:フランダースの三姉妹
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