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「ちょっとそこまで」が命取り。チャイルドシートを使わないリスクを改めて考えてみた

 

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大阪で、軽乗用車が電柱に衝突し、3歳の女の子が死亡するという痛ましい事故がありました。女の子は助手席に乗っていて、エアバッグが開いた際に胸を強く圧迫され、死亡したとみられるということです。後部座席にチャイルドシートはついていましたが、運転していたお母さんは「近くまでだから」と助手席に乗せ、時速30km程度で衝突したといいます。

ほんの近所へ、特にスピードを出し過ぎていたわけでもなく…。

推測にすぎませんが、お子さんがぐずってチャイルドシートに乗りたがらなかったのかもしれない。車を使うお母さんなら誰でも経験していそうな状況です。

ニュースを聞いて、背筋が寒くなりました。

そして、これまで車を使いながら育児してきた中で、何度も感じたモヤモヤを思い出しました。

 

チャイルドシートを使わないリスク

私自身はもともと、産後すぐの頃に免許更新の講習で『後続車に追突され、赤ちゃん(人形)が母親の腕をすり抜け、フロントガラスを突き破り飛んで行く』という映像を見て以来、「チャイルドシートなしは絶対NG」派です。

チャイルドシートを正しく装着しないとどんなリスクがあるのか。

・大人が腕で抱っこしていても、事故の衝撃で赤ちゃんの体は弾丸のようになり、到底つかまえていられない。
・少し大きくなって座っていられるようになっても、大人用のシートベルトは高さが合わず、首やお腹をシートベルトが強く圧迫して危険。
・今回の事故のように、助手席のエアバッグも子どもにとっては凶器になることがある。

同乗している子どもがそんなことになったら…と想像するだけで怖いですよね。

どんなに泣いてもぐずっても、車が走っているときは必ずチャイルドシートに、というのを守らなければと思わされました。

 

「ちょっとだから」という周囲からの声

そして、このニュースを聞いて思い出したこと…。

「泣いてるからママの抱っこじゃないとかわいそう」
「せっかく寝たのに、チャイルドシートに下ろしたら起きちゃう」
「子どもは大人の膝のうえに乗せれば、全員乗れるよ」

育児しながら車を使う生活をしてきたなかで、何度もモヤモヤしたのが、こういった周囲の声です。親戚に「あなたが抱っこして助手席に」と言われたり、ママ友に「子どもは抱っこするから乗せて」と言われたり。

これ、ほんとうにお断りしづらいんです。まるで「一緒に出かけたくない」と言っているようで、角が立たない断り方が本当に難しい。

 

でもこれらは一見、子どものためのようでいて、どれも大人の都合。

これを言えてしまうのは、前述のようなリスクが理解されておらず、「チャイルドシートを正しく使わずに車に乗るのは、子どもにとって自殺行為だ」という認識がないから…。

 

ただ、自分の経験を思い返しても、それこそ免許更新時のビデオくらいしか「チャイルドシートを正しく使用しなかった場合のリスク情報」に触れる機会がありません。

ということはおそらく、非ドライバーの方や育児中でない方には、リスクが「自分ごと」として浸透していないのが現状なのだと思います。

 

リスクを知らないから言えてしまう?「ちょっとだから」に、どう対応するか 

少々話が大きくなりますが、子どもを安全に車に乗せることについての啓発は、もっと積極的に行われていいと思います。

例えば行政の母親・父親教室で伝える、母子手帳への情報記載、小児科検診の問診に「チャイルドシートは使っていますか」の項目を加え、リスク情報を伝えるなど。

(この記事をお読みの担当者の方、いらっしゃいましたらぜひご検討ください!)

そして自分ができることとしては、やはり周囲へ根気づよく伝えることが大切だと思います。

楽しい計画に水をさすようで言いにくい場合もありますが、チャイルドシートなしで乗せてほしいというママ友には「万一追突されて、うちの子は無事で◯◯ちゃんが大けがなんてことになったら、責任が取れない」とはっきり伝えるようにしています。

親戚にも「頭の固い嫁だ」と思われているかもしれませんが、子どもの安全には替えられません。

 

これから迎える夏休みシーズン、親子数組で乗り合わせてお出かけしたり、親戚の家に遊びに行って車に乗る機会も増えると思います。

「チャイルドシートに乗せてさえいれば」

そんな後悔を、自分も絶対にしたくないし、周囲にもさせたくない。

母としてドライバーとして、毅然とした態度でいようと再認識させられました。

 

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著者:さんしょ
年齢:37歳
子どもの年齢:3歳

もと(一応)理系。印刷会社、広告代理店で約10年働き、出産を機に退職。現在は育児をしながら在宅でデザインと印刷ディレクションをしています。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。