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寝ない我が子に翻弄されある晩気絶した私。その時廊下で出会った「あしたのジョー」の正体は…

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あの晩、私が見たのは紛れもなくジョー、あしたのジョー。
ジョーはなぜ我が家の廊下で燃え尽きていたのか…

 

私が出産した産院は完全個室の母子同室。
もちろん預かりはしてくださるのですが、初産の私は「こんなものか…」と諦め気味になって順調に目の下にクマを作っていました。
娘は”ねないこ”だったのです。

夫は仕事が終わると毎晩来てくれました。
寝ない子との密室に、外界の情報が飛び込んできます。
これだけでずいぶん心強いものでした。
けれど、昼間は再び密室。
うつらうつらするとすぐに泣き出すねないこをふらふらとあやし、きっと育児とはこういうものなのだと思いこんでいました。

さて、それでも無事退院し、いよいよ自宅での育児
里帰りはもう少し先の予定でした。
夫のいない日中は一人きり。
夜は夫が助けてくれるものの、娘はすぐに泣くので私達は眠れません。
交代で娘を見て、少しずつ横になっても二人とも休まることはありませんでした。

 

そしてある晩、私は気を失いました。

何がどうなったのか、ベビーベッドによりかかって娘を抱いていたはずの私は、目覚めると布団の中でした。
寝室には誰もいません。
まっくら。
無音。

布団、まっくら、無音を認識した私がまず思ったこと。
それは「眠れる!」でした。

私はそのまま目をつぶり、眠れるというのが現実で、今、本当に本当に眠っているのだと意識して眠りました。
夢なのかわかりませんが、眠っていると自覚的に眠るというような、不思議な睡眠を体験しました。

眠れたこと、眠れたことを意識したことのせいか、頭がはっきりしてきました。
ようやく、夫と娘の所在が心配になりました。
世界が終わったように、暗く静かだったのです。

寝室を出て、二人を探すことにしました。

扉をあけて、常夜灯の消えたこれまたまっくらな廊下を行くと…

 

そこには、あしたのジョーがいたのです。
真っ白に燃え尽きて。
微動だにせず。
小さな娘を抱きかかえ、廊下に腰掛けるあしたのジョーが。

 

まあ夫だったわけなのですが、あまりの真っ白に燃え尽きたその姿に驚いて、声が出ませんでした。
さらに言えばなんだか声をかけることもためらわれる尋常ではない様子でしたので、そのままそおっと部屋へ戻ってしまいました。

 

娘は、ジョーではなくまるでマリア様に抱かれるようにすやすやと眠っていました。
部屋へ帰ったのは、その姿が私を安心させたためでもあります。

しばらく布団でじっとしていると、夫も娘を抱いて戻って来ました。
そして、静かに、時間をかけて娘を布団へいれました。
宝物をしまうように、丁寧に、丁寧に。

 

以後、娘が眠らない時は、廊下へ出てみることにしました。
気のせいか、寝付きやすいように思えました。
すぐ後の里帰りでこのことを話したところ、廊下の方が空気の流れがあるからではないかと言われました。
そういえば私は産院からずっと密室だった…
そのことに気がつかされました。

真実は今となってははわかりませんが、少なくとも、この夫の行動で育児の風向きが変わったのは確かです。

真実と言えば。
この記事を書いても良いか夫に承諾をとるために、あれはなんだったのか聞いてみたところ「本当に燃え尽きていた」のだそうです。


育児はホセ・メンデューサ戦レベルの闘いでした。

真っ白に燃え尽きるほどがんばってくれた夫。
あの姿には驚きましたが、あの時のジョーが育児を判定勝ちにしてくれたと思っています。

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著者:厥日績

年齢:40歳
子どもの年齢:8歳

ゆったり系私立小学校へ通うマイペースな娘を持つマイペースなゆったり系専業主婦。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。