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冷蔵庫を開けると何箱もの注射剤…。オランダでの不妊治療、自己注射の痛みと格闘!

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オランダ人の主人と結婚し、オランダへ移住。

自然妊娠を望んでいましたが、一年半頑張っても赤ちゃんを授からなかったので、不妊治療を始めることにしました。

まずは、ホームドクター(オランダでは専門医療機関にかかる場合、ホームドクターを通す必要があります)へ行き、不妊外来への紹介状を書いてもらいました。

不妊外来では、血液検査や子宮卵管造影検査、精液検査などをしました。

その結果、私も主人も「特に問題はない」ということでした。

 

ここまでくるのに4ヶ月かかりましたが「特に問題ない」ということがわかって、ホッとしました。

検査結果から、3ヶ月間はタイミング法をするようにと指導されました。

この間は、薬局で手に入る排卵検査薬を使って夫婦で取り組み、不妊外来へ行く必要はないとのことでした。

 

「妊娠する可能性はある」とわかったので、不妊外来へ行く前よりもリラックスしてタイミング法に取り組めましたが、3ヶ月が過ぎても妊娠しなかったので、再び不妊外来を訪れました。

ドクターから今後どうするかについて話しがありました。

まずはオランダで「IUI」と呼ばれる人工授精を3回する。

人工授精で妊娠しなければ、子宮を実際に見てみることになります、と。

「えっ?見てみましょうとは、どういうことですか?」と私。

ドクターによると、今までもエコーなどで検査をしてきたけれど、それだけでは見えなかった部分もあるかもしれないので、実際の様子をチェックするのが一番ということで、腹腔鏡手術で子宮を見るのだそうです。ひょえー!!

見るって文字通り本当に見るっていう意味かぁ。手術だなんてこわいー!!。

「もし、この手術をする場合には痛いですか?ダメージはないですか?」

とビビって質問をしまくる私。

「全身麻酔で、余程のことがない限り、日帰りができる手術です」

ニコッと笑顔のドクター。まぶしい笑顔の奥にキラリと光る眼光。

(あぁ、不妊治療って軽い気持ちじゃ絶対できない。腹を決めて取り組まないと)

と、厳しい現実にいやでも実感させられました。

 

もし日本なら、不妊クリニックAのやり方に同意できない場合、不妊クリニックBへ移ることは容易にできるかもしれませんが、オランダでは自分に合った不妊クリニックを患者側が選ぶことはできません。

オランダでの不妊治療の方法は、大体どこも同じと決まっているようです。

とにかく、手術は避けたいので「神様、仏様、人工授精でどうか、うまく妊娠できますように!」と強く願ったのでした。

 

ドクターとの話し合いがすんでから、看護師さんの部屋へ移動。

お茶を飲みながら、リラックスした雰囲気の中、何をしたかというと…「自己注射の仕方」を教えてもらいました。

看護師さんは、さらりと言います。

「太ももとお腹どっちがいい?毎日のことだからやりやすいほうがいいわよ」

「どっちもイヤです。痛いのイヤです。自分に注射なんてこわくてできる気がしません」

ビビリにビビる私。

主人は、

「どっちがあまり痛くないですか?」

と冷静に聞きます。この時のためにいたのか、主人よ。

「人によって違うわよ」

と看護師さん。

もうイヤとか言っていられない状況でしたし、とにかく赤ちゃんがほしいので腹を決めました。

腹つながりで、

「おなかで!」

と言いました。

 

初めて見るペンタイプの注射器を渡され、使い方を教えてもらいました。

針を新しいものに取り替え、決められた分量を確認し、針を刺し、片手でボタン部分を押します。

軟式テニスボールのようなものに注射を繰り返し練習し、慣れてきた頃、

「じゃあ、練習するからおなか出して」

と看護師さんが言いました。

えっ?お腹出すんですか?

「おなかで!」

とかっこ良く言い放ったけれど、プニョプニョのお腹を出さなければならず、全然かっこよくなかったです。(ちなみに、「太ももで!」と言っていても、ブヨブヨの太ももを出していたわけだから、変わりはないですけれど…笑)

看護師さんだからプニョプニョのお腹は見慣れたものだと思い込み、気にしないようにして自分のお腹に実際に注射をしてみる。

うーむ、やっぱり痛い。まぁ、注射だから仕方ないですよね。

この注射を、毎日かぁと思うと気が遠くなるのでした。

 

この注射は排卵誘発剤で、生理3日目から毎日夜の決まった時間にするように言われました。

私は「特に異常なし」とのことでしたが、より確実に排卵を起こすために使用するのだそうです。

どうせ人工授精を受けるのであれば、確実に妊娠したいと思ったので、ドクターの指示通り使いました。

 

それからもう一種類、排卵を促進する注射も練習しました。

この注射はドクターから指示が出たら使います。

こちらはガラスの小さな容器に注射液が入っているので、開け方もコツが要りました。

注射器も先ほどのペン型注射器ではありません。針も太く、「注射」と聞いて思い浮かべるタイプの注射器です。

こんな注射を自分でしなきゃいけないなんて…。逃げ出したくなりました。

でも、すべては赤ちゃんのためと思って、がんばりるしかありません。

 

病院の薬局から人工授精3回分の注射剤をもらって冷蔵庫に保管しました。

冷蔵庫を開ける度、目に入る何箱もの注射剤。

「いよいよ不妊治療が始まる!妊娠できるようがんばろう!」と気合が入りました。

 

不妊外来を訪れてから最初の生理がきました。

指示通り生理3日目からペンタイプの注射を打ちます。

最初の3日位は注射器を見るだけで「ヒーヒー」言って、打つまでに時間もかかりました。

しかし、4日目くらいから慣れてきたようで、注射器を見ても「やるしかない」と、ささっとできるようになりました。

痛みはあるにはあるのですが、最初ほどではありません。注射と聞いておののいていた私にしては、大成長です。 

 

生理10日目に不妊外来へ行き、卵子の様子をエコーでチェック。

「順調です。2個育っています」とドクター。

卵子の大きさを見て、排卵は数日以内に起こるだろうと言われました。

排卵検査薬で一日2回必ず検査して、陽性が出たらすぐに電話をとのことでした。

 

翌日の夕方、排卵検査薬が陽性に。ドキドキしながら不妊外来に電話です。

「それでは、排卵を促進する注射を打って、明日10:30に人工授精をしましょう」

と言われました。 いよいよ明日か!という期待感。

でもその前に、自己注射です。練習通りに注射液が入っている小瓶を開けて、今までのペンタイプとは違う注射器へ。

太い針を前にひるみます。

横で、主人が、

「明日のために、この注射しないとだめだよ」

と促します。

「わかってる」

頭ではわかってるんだけれども、痛そうで手が進まないんです。

心を落ち着かせて『せーの」』でズブっと刺しました。

痛い!痛い!本当に痛い。今までの注射なんて、かわいいものでした。

よく見るとあちこちに注射針の跡がある自分のお腹。これで最後の1回になりますようにと、願いを込めて打ちました。痛くて涙が出てきました。

(念願の不妊治療だけど、なんで私ばかりが痛い思いをするのかな)と、注射を打ちながら思いました。

主人はとてもよくサポートしてくれますが、毎日注射をしていない。注射の痛さをわかってない。

それにもし赤ちゃんができても、出産するのも私。 それを主人に言うと、

「毎日痛いのに、注射を頑張ってて偉いね。男性と女性は体の構造が違うから、手伝ってあげられないことも多いけど、二人の赤ちゃんのためにできるかぎりのことはしていくから」

と言っていました。

 

とにかく、明日だ!

明日の人工授精がうまく行くように、今まで何ヶ月も夫婦で頑張ってきたし、痛い注射にも耐えてきました。

人工授精」はまだしていないけど、その準備段階でもこんなに痛い思いをするのだなと、つくづく不妊治療の大変さを思いました。

不妊治療」や「人工授精」など言葉にすると簡単に聞こえますが、その背景には想像以上の痛みとのと戦いがあると知りました。

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著者:すーじー
年齢:34歳
子どもの年齢:10ヶ月

オランダ人と国際結婚し、オランダに暮らして5年目突入。歴史ある街並み、豊かな自然、気さくな人々に囲まれ、オランダ生活に慣れてきた今日この頃だが、妊娠・出産・子育てを通して新たなカルチャーギャップに遭遇中。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。