時々目にしますよね、「帝王切開=楽して産んだ」みたいな極論。
確かに、「産む」という行為については、ラクかもしれません。麻酔入ってるから痛くないし、ただ横になってるだけで、ドクターが腹の中の子を出してくれます。
私は一人目が、胎児の心拍低下による緊急帝王切開だったので、二人目も子宮破裂リスクを考慮して、帝王切開です。
なので、「わーい、次も帝王切開だから産むのラクだ~♪痛くないし、横になってるだけで赤ちゃん生まれる~☆」って思うかって、
思わないですよね……っっっ!!!(嗚咽)
腹肉と子宮、切り開くんですからね。
しかもその子宮、術後に急激に、そう、急激に!!!
勝手にしぼみますからね。
ぎゅううううううっっ、とね。
いわゆる後陣痛、めちゃめちゃ痛かったです。
「陣痛のが痛い」という方もいらっしゃいますが……
私の場合、陣痛も経験しましたが、「帝王切開後の後陣痛」は、「産褥熱(手術熱)で高熱」「絶飲食で水も飲めない」「尿管刺さってたり足をマシンで揉まれてて動けない(=ラクな姿勢を取れない)」「股から血がドバドバ出てるけど自分で産褥パッド取り替えられない不快」など様々な要因が絡み合うので、総合すると産前を超える「とてもつらいポイント」満タンでした。
特に一人目の時は、帝王切開の後がこうなると全く知らなかったので、「何コレ!?何コレぇぇぇぇぇぇ!?」と半狂乱☆でした。
ただし、二度目の帝王切開時は、違います。
「とてもつらいポイント」が満タンになった私は、ポイントカードを握りしめて、対策を練りました。
「痛みから気をそらす」べく、とにかく「気を紛らわせる」こと。
体を動かさずに、何かに集中すること。
結果。
私は、「とてもつらいポイントカード」を、病院の「テレビカード」に変え、テレビを見まくりました。
超真剣に見ました。ちょっとでも意識がそれると痛みに襲われるので。
あの時やってた「マツコ&有吉の怒り新党お正月スペシャル」、ありがとう。
ちなみに、iPadにゲームや動画を入れておいて持って行きましたが、画面をタッチするのもしんどいのでゲームはできず、うまい角度に設置できず動画も見にくかったので、結局使いませんでした。
マンガや雑誌も同様。手に管がいっぱいついてるので、「持つ」というのも長時間は無理なんですよね。
いいポジションが調整できる、病院のベッドにつけられたテレビ、最強でした。
(今思うと、iPadをこのテレビにくくりつけられたら動画も見られたかな?)
まあ、当時のツイッターや日記を見直すと、それでも「超痛い」と泣き言吐いてますけどね。
そうして、痛みと戦う夜を越えて、迎えた翌朝。
なんとか痛みの山場は越えられまして、ほっと一息もつかの間。
看護師さんから、「うださんは2度目だから、もう行けるんじゃないかな?どうする?行ってみる?」と聞かれてしまうのです。
そう……帝王切開後の次の山場は、「トイレに行く」!!超重要クエストです。
一難去ってまた一難……しかし、このクエストをクリアすれば、「回復スピードアップ」「尿管が抜ける」という報酬が得られるのです!!
2度目だから、その効果も知ってますから。
やりましたよねー。前日お昼の12時にオペして、翌朝8時に歩く、って、24時間経ってないじゃん!!ってツッコミつつ、ね……。
それでも、尿管が抜けた時の、あの解放感。
まるで、纏足から解放されたような、無限に広がる、自由。
それは、「術後」から、「日常」に戻る、第一歩の瞬間でした。
いや……二人目の時は、「怒涛の二人育児」の幕開けの瞬間、と言った方が合ってるカモ。
とにもかくにも、5日後(!)の退院に向けて、歩き始めたのでした。
>>>次回のエピソード:第二子の産後、冷静すぎる頭をよぎった不安…。「私、この子をかわいいと思える?」
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:4歳と2歳
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。4歳男児&2歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「伝えるチカラを身につけたらダメ旦那が稼げる男になりました」
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