昔、それこそ僕の母親が会社勤めだったような頃は、会社でも女性がお茶くみをするのは当たり前の時代だったそうです。
今では考えられませんが、そういう価値観というものは時代と共に変わっていきました…
しかし!
それがまだ残っているところがあったのです、それは僕が住んでいる東京・江東区の地域の町会です。
ここで少し町会について説明しておきますと、地域によりますが、町会のような地域の有志・ボランティアの集まりというのはよくあります。
基本的にはそこの住民は誰でも参加できるのですが、特に子供ができるとお祭りや防犯、防災のことで関わりが深くなってきます。
あくまでも任意参加ではあるものの、今は高齢化によりどこの地域も若い人の人手不足らしく、子育て世代は強く勧誘されることもあります……
こういった背景がある町会ですが、会社などとはかなり性質が異なります。
漫画のお茶汲みの話も、はじめは「なんだこりゃ!?」って思いました。
僕はかつて会社員で、しかも人事部でした。部署柄、特に会社からは”雇用の男女平等”や”セクシャル・ハラスメント”のことについて口うるさく言われていましたし。
でも、表面的に役割分担を見るだけでは、全体像がつかめないこともあるんだな、と、実際に活動に関わってわかりました。
会社員の事務職では、デスクワークが中心なので、男性・女性による能力の差というのは基本的に生まれません。
しかし、地域の仕事は肉体労働がかなりの割合で多いのです。
仕事の内容がいろいろ違うので、単純な比較はできないんですね。
町会の夏祭りでも、古いタイプの重量のあるテントを設営したり、びっくりするくらい意味の分からないクレームが来たりするのですが、そういったことも基本男性がやります。
その間、女性はなにをやっているかというと、お茶くみをしたり、事務作業をしたりしています。
危ないこと、怖いことは男性がやる、という暗黙の了解で成り立っている部分も大きいです。
考え方によっては、体力に自信がなかったり、持病があったりする男性もいるでしょうし(僕なんかもインドア派なんですけどね…笑)、お茶くみが苦痛な女性もいるとは思いますので、この役割分担が完全に平等かというと、そうでもないとは思います。
ただ、こういった役割分担の傾向が生まれた背景には、理由があるということにも気づきました。
町会というのは名前が同じでも場所が違えば全く中身が違うものらしく、僕の地域がこうだからといって、ほかの地域も同じとは限りませんので、「こんなところもあるんだなあ」とあくまでも参考程度にしていただければと思います。
結局のところ、その地域のメンバーが納得している形、というのが一番良い形ですよね。
著者:ムーチョ
年齢:36歳
子どもの年齢:8歳と6歳
東京都在住。元テーマパーク系企業の人事でしたが、体調不良のため退職、その後いろいろあって現在専業主夫をやってます。主夫業の合間に描いた育児漫画ブログが注目され、漫画ブロガーとしても活動中。育児雑誌の連載なども。記事は娘たちが小さい頃の体験談です。
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