おっぱいトラブルの代表、乳腺炎。
授乳間隔が空いてしまったり、脂肪分の多い食事などが原因で母乳が詰まってしまい、おっぱいがカチカチに張り発熱も引き起こすとても辛いトラブルだそうで…。
子供がいる友達や知り合いから聞いたことがあったので出産前から知ってはいましたが、出産を無事に終えた私は、
「おっぱいがよく出るようになったら乳腺炎にも気をつけなきゃ〜」
と、母乳の出が少ない出産直後には無縁のトラブルだと思い込んでいました。
完全母乳希望だったので、入院中に助産師さんから聞いた、
「最初はミルクと混合で様子を見つつ、完全母乳に移行できるのが初産で産後3カ月くらいですよ」
という言葉を信じ、呑気に構えていました。
しかし入院中の産後3日目、お昼頃に異変が現れ始めました。胸がパンパンになって痛いのです。
「これがおっぱいが張るっていうことか〜。でも乳腺炎はもっと母乳が出るようになってからなるものなんじゃないの?」
と初めて体験する『胸が張る』という感覚に、ソワソワしたのを覚えています。
あれよあれよと言う間に痛みはどんどん強くなっていき、夕方には息をするのも苦しいほどに。
熱を持ち、燃えているかのようにビリビリ痛むおっぱいに、
「出産直後からこんなに痛いなんて聞いてない!!!!!」
と、今にも叫び出しそうでした。
経験したことのない痛みに焦った私はナースコールで助けを要請。
登場したのは、陣痛から出産までずっと付き添ってくれていた助産師さんで、パンパンになった胸を見て、
「産後3日目のおっぱいらしくなってるね〜」
と拍子抜けしてしまうほど余裕の表情でした。
なんでも、産後3〜4日目にこのような症状が起こることが多いのだとか。
母乳を作ろうと血液が集中しうっ血している状態で、対策はとにかく授乳や搾乳をすること、つまり乳管を開通させることだそうです。
私の場合は乳頭が硬く赤ちゃんが吸いづらかったため、授乳前にスポイトのような吸引機で乳輪から乳首にかけてほぐす方法を教えてもらいました。
パンパンに張ったおっぱいでも乳頭周りを柔らかくしてから授乳すると、まだ吸うのに慣れていない赤ちゃんでもすんなり吸い付いてくれました。
授乳後は数時間だけ赤ちゃんのお世話をお願いし、アイスノンでキンキンに胸を冷やしながらベッドに横になりました。冷やすことで痛みが和らぎ、しばらく目をつぶっていると眠りにつくことができました。
自然と目が覚めるまで約3時間の睡眠でしたが、それでも眠る前よりも痛みはかなり楽に!張りは続いていましたが、泣きそうなほどの痛みはおよそ半日ほどでなくなりました。
すこぶる安産だった私にとって、出産時の痛みよりこの時のおっぱいの張りの方が辛かったくらいです。
お産に関しては進み方を自分なりに調べていたので、陣痛中に急に吐き気に襲われたり、会陰切開で切られたり縫われたりしても冷静でいられましたが、このときの胸の痛みは全く予期していなかったのでかなり焦ってしまいました。
乳管開通の儀がこんなに辛いとは…。
妊娠・出産に関しては、調べてみるとナーバスになるような話もたくさん出てきてしまうので信用しすぎも考えものですが、やっぱりある程度予習して心の準備をしておくのは必要だな、と感じた一件でした。
すぐに引く痛みだと知っていたら絶対にこんなに焦らなくて済んだので。
もう絶対に乳腺炎にはなりたくないのでm産後1カ月の今も頻回授乳としこりができていないかのチェックは欠かせません。
著者:HINA
年齢:30歳
子どもの年齢:産後1ヶ月
編集プロダクション勤務ののち結婚を機にフリーの編集者に。結婚してすぐ第一子を授かり、出産。マイペースに娘との生活を満喫中。
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