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思わぬ一言

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妊娠五ヶ月の頃、私は片道一時間半かけて電車で通勤していました。まだお腹が目立たない時期でしたが、体調がすぐれないことも多々ありました。

大変混雑する電車のため座れることはなく、毎日会社に着くだけでヘトヘトになってしまうほどでした。

ある日、奇跡的に席が空き、私はほっと一息ついて下を向いてのんびり座っていました。

すると、横に座っていたおばあさんが私のカバンをじーっと見てきたのです。

私は、ちょっと変わったおばあさんなのかなーと思いながらも、変わらず下を向いたまま座っていました。しばらくすると、今度は眼鏡を取り出して私のカバンを見始めたのです。

どうやら、私のカバンに付いているマタニティマークを見ていたようで、小さく書かれた「おなかに赤ちゃんがいます」という文字を老眼鏡で確認しているようでした。

 

よく、マタニティマークを付けていると「妊娠だからって」と冷たい目で見られたり、狙われたりすると聞いたことがあったので、少し怖いなと思いながらも、下を向いたまま駅に着くまで緊張して座っていました。

駅に着いて私が降りようと席を立ったとき、おばあさんが私の肩を叩き、

「お大事に」

と微笑んでくれたのです。

 

私は思いもしなかった一言に、驚きと照れくささで変なリアクションになってしまったと思います。

電車を降りて、おばあさんの優しい一言に涙が溢れました。毎日ヘトヘトで疲れていた私にとって、おばあさんの一言がとてもとても嬉しかったのです。

 

今、赤ちゃんは生後六ヶ月になります。

今でも、あのおばあさんの優しい一言を思い出すと心がジーンと温かくなります。

著者:ゆか

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