はじめまして。志乃と申します。発達障害のひとつ、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の当事者であり、4歳の娘を育児中のイラストレーターです。
100点満点のママではなく、平均点ママを目指しながら、『"楽"をシェアするブログ』というコンセプトで、育児ブログ「ひびわれたまご」を不定期更新中です。ふつつか者ではございますが、以後、よろしくお願い申し上げます。
「最良の母親とは、まあまあの母親である。」
-ドナルド・ウィニコット(イギリスの小児精神科医)
この言葉に、たくさんのママが救われたのではないでしょうか。
特に日本では、子育てにおいて母親の責任が大きく、完璧さや理想通りに振る舞うことを求められがちです。「子育てに正解はない」とよく言われますが、間違いは許されないような、そんな空気を肌に感じることもあります。
そんな中、「そうじゃないんだ、100点満点でなくてもいいんだ、間違ってもいいんだ、ほどほどが一番なんだ」と、優しく語りかけてくれるようで、子育てをしていく上で、大事にしたいフレーズのひとつです。
で、そうは言ってもね。
じゃあ、「まあまあな母親」って、どんな母親なんでしょうかって話ですよね。
私は娘が産まれてからずっと、自分のことを「赤点ママ」だと感じていました。
完璧な母親を「100点満点ママ」、まあまあな母親を「平均点ママ」とするなら、私は間違いなく赤点ママだと思います。平均点すら取れそうになく、この4年間は自己嫌悪と苦悩の連続でした。
「部屋が片付けられない」「うっかりミスが許されない状況下でミスしてしまう」「自己管理が下手ですぐダウンしてしまう」「家事全般が苦手」「時間の管理ができない」「物忘れが激しく大事なことでも忘れてしまう」「大事なものでも失くす」「人づきあいが苦手」etc…
自分では一生懸命努力しているつもりなのに、他のママが当たり前にやっていることが、どうしてもうまくできない。
「自分は母親失格なのではないか?」と思い詰めた末に、自ら児童相談所へ泣きながら電話をかけたこともあります。(考え過ぎだと慰められました…)
(だらしないママでごめんね)
(役立たずの妻でごめんね)
(他のママみたいに、どうしてちゃんと出来ないんだろう?)
(努力しているつもりなのに、どうしてうまくできないんだろう?)
(どうして私はこうなんだろう?)
その謎がハッキリしたのは、その3年後、娘が3歳の頃。
私に、発達障害の一種、ADHD(注意欠陥・多動性障害)があることが分かりました。
一口に発達障害といっても、種類があり、障害の程度による個人差も大きく、抱えている問題も様々です。同じ発達障害者同士でも、様々な考え方や価値観があり、皆がみんな、私と同じように感じるわけではありません。それぞれ、得意不得意も違います。
そして、努力や工夫次第でどうにか出来る部分もあれば、本人の力だけでは、どうにもならない部分もあります。定型発達(健常者のことをこう呼びます)の方にとってみれば、できて当たり前のことが、どうしてもできないということも多くあり、そのせいで「真面目にやる気がない」だとか、「単なる努力不足」と誤解されることもあります。
ただ、悪いことばかりではありません。検査の結果、人よりも凸凹はしているものの、長所も大きく発達していることが分かり、その特性をいかに生かしていくか、前向きに考えるようになりました。
「子どもの発達障害」に関する支援は、昔と比べて充実し、認知も広まってきている一方、「大人の発達障害」に関するサポートは、まだまだ不十分な現実があります。発達障害当事者でありながら、知識や自覚がないまま大人になり、今も「原因不明の生きづらさ」を抱えている方も、おそらくたくさんいます。
そして、自分が当事者だと自覚した後も、周囲から「母親失格」とバッシングされることを恐れて、カミングアウトも相談もできずに、密かに悩んでいるADHD当事者ママたちがたくさんいます。
私たちが目指すべき、「まあまあの母親」とは、いったいどんな母親なんでしょうか。
欠点は誰にでもあって、皆さんそれぞれに「こんなママでごめんね」という罪悪感を、多かれ少なかれ抱えながら、そんな自分自身を認めたり、子どものために改善しようと努力をしたり、暗中模索で子育てをしているように思います。
「発達障害があってもなくても、母親としての自分に胸を張りたい」
それが私の夢であり、目標です。
自分自身のために、そして何より、家族のために、どうすればいいのか考えていきたいと思っています。
お見苦しい点もあるかとは思いますが、お付き合い下さいますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
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著者:志乃
年齢:34歳
子どもの年齢:長女4歳
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