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産んだらすぐ帰宅! オランダならではの産後ケア「クラームゾルフ」体験初日

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オランダでは、母子に異常がなければ、出産を終えたらすぐに帰宅させられます。

 

私の場合、深夜に出産したのですが、会陰が複雑に裂けてしまい、出血が止まらないのでそのままオペ室へ。

オペから戻って午前4時頃から少し眠ると、7時に起こされ、退院するように言われました。休むなら家でゆっくりどうぞ、というわけです。

 

フラフラなので、病院内は車いすで移動。ぐったり疲れたまま帰宅でした。

帰宅したらゆっくり寝られるのかと思いきや、そんなことはありません。

「クラームゾルフ」によるマンツーマンの育児指導の始まりです。

 

帰宅後すぐクラームゾルフさんが、家に来ました。

「クラームゾルフ」とは、オランダ特有の産後ケアで、自宅に来て看護をしてくれる制度です。

 

一定期間、毎日来て産後の母子の健康管理や赤ちゃんのお世話の仕方を教えてくれる他、余った時間で家事を引き受けてくれます。

資格職で、看護師ではなく、介護士のような位置づけで医療行為はできません。助産師と連携しています。

産後は全員がこのクラームゾルフによるケアを受けます。費用は、基本となる産後8日間(合計49時間)は保険でカバーされます。

簡単に言うと、自宅の慣れた環境でリラックスしながら、母子に必要な産後ケアも受けられて、赤ちゃんのお世話の仕方を学べるという制度。オランダの伝統的な制度です。

 

私達のところには、ベテランのクラームゾルフおばちゃんNさんが午前9時から午後3時まで10日間(時間・日数は人により異なります)来てくれました。

Nさんは、まず、寝ている息子の様子を見てから、私達の寝室で赤ちゃんと一緒に寝たいかどうかを尋ねたので、そうしたいと伝えました。

オランダでは、生まれてすぐの赤ちゃんでも夫婦とは別室で寝かせる家庭もあるため、夫婦の意見を尊重します。

 

生後一ヶ月くらいまで使える、夫婦の寝室に置ける小さなベッドも売っていますが、すぐに使えなくなるので、私達は買いませんでした。そのためNさんと主人で、ベビールームから、ベビーベッドを運んで私達の寝室へ設置しました。

さらに、ベッドメーキングの仕方も教えてくれます。赤ちゃんはミルクを吐いたりするので、枕元に柔らかい布を敷いておくといいわよといって、Nさんはベビールームから布を取ってきました。

息子の頭の下に敷いた布を見てびっくり!「それ、日本の布おむつです。」というと、「あら、そうなの。わからなかったわ。ちょうどいいサイズだったから」とNさん。皆で笑ってしまいました。

 

ひと通り息子の準備を終えると、「なにか食べますか?」と言って、キッチンへ行き朝食を作ってくれました。主人が一緒に行き、お皿の場所などを教えました。気づけば、退院してから何も口にしていませんでした。

朝食といっても、日本食のご飯にお味噌汁なんて無理ですが、オランダ式の簡単なものなら作ってくれるというので「ジャムを塗ったパン」をリクエストしました。

主人の分も作って、ベッドまで運んでくれました。ベッドの上で朝食。疲れきった体にはありがたかったです。

Nさんも一緒に食べながら、お互いの自己紹介をしました。

 

息子が寝ている間に、主人から洗濯機の使い方を聞き、Nさんは洗濯をして服もたたんでくれました。さらに、リビングに掃除機もかけてくたので、その間私は少しだけ眠れました。

息子が泣くと、「母乳を飲ませてみましょう。」、「次は、おむつを変えましょう。」とNさんが次々に指示します。

授乳指導や、沐浴の他、服の着せ方など、すべて一から教えてくれます。親が自分たちでお世話できるようになるために、プライベートで育児指導をしてくれるのです。

 

ただ、あくまでも、教えてくれるのであって、母親に代わって赤ちゃんの面倒を見てくれるわけではありません。

初めてで赤ちゃんとの付き合い方もわからないし、なぜ泣いているのかもわからない。すべて慣れないことだらけで疲れはたまる一方なのに、2時間毎に息子は起きる。

結局あれもこれもと、Nさんの指示に従ってやることが山ほどあり、ゆっくり寝ることはできませんでした。

 

息子が寝ると、Nさんは私の血圧を測定し、会陰の傷の様子を見て、子宮の様子をチェックしました。「問題ないですよ」と、言われてほっとしました。

それから、Nさんはその日のレポートを記入しました。レポートには、母子の健康状態、息子の体重、息子が何時に起きて母乳を飲んだか、おしっこをしたか、体温、その日の出来事などが書かれています。

そして、午後3時にNさんは帰っていきました。

 

Nさんが家にいる間も何かとやることが多く、ゆっくり休めませんでしたが、Nさんが帰宅した後はもっと大変でした。

自分で夕食を作り、食べて一息ついたら、義理両親と妹が息子のお祝いに来ました。お客さんの相手をする暇があれば寝たいのにと思いながらも、お付き合い。

 

サポート無しで息子の面倒をみるのも、きつかったです。

日中Nさんに教えてもらった通りにしてみるものの、うまくいかず、夜もずっと泣き続ける息子…。

 

深夜に出産して、次の日の深夜が巡ってきた時、この24時間がとてつもなく長く感じられました。自分の感覚では、もう3日くらいたっている気がしました。

それもそのはず、24時間のうち、寝たのは5時間程ですから、疲れはピークです。

産んでから一日、いや半日でもいいから静かにベッドで寝られたら、どれだけ疲れがとれるだろう。体力が回復したら育児に向き合うモチベーチョンも違うのにと感じました。

 

クラームゾルフの制度自体は、便利でいいと思います。私の場合、日本から母が手伝いに来てくれたわけでもなかったので、クラームゾルフのおかげで夫婦二人でも、どうにか頑張れました。

ただ、初日からあれこれ育児指導が始まりますが、その前にもう少し休ませてほしいと思いました。お産は、本当に大仕事なのですから。

それから、クラームゾルフのいない夜が大変だったので、初日だけでも24時間体制のサポートになるといいのになぁ、と思いました。

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著者:すーじー
年齢:34歳
子どもの年齢:11ヶ月

オランダ人と国際結婚し、オランダに暮らして5年目突入。歴史ある街並み、豊かな自然、気さくな人々に囲まれ、オランダ生活に慣れてきた今日この頃だが、妊娠・出産・子育てを通して新たなカルチャーギャップに遭遇中。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。