こんにちは、ユーラシアです。
今回は妊娠が分かった頃について思い出してみました。
当時、生理予定日より少し前から体のダルさが少し続いていて、お腹を壊したり、
かと思えば丼いっぱいのご飯を食べても満腹感がなかったり。
どこかいつもと違う感じが体調に表れていました。
まあこの程度なら普段から割とあることなので妊娠とは関係ないかもしれません。
特に食べても食べても足りないというのは非常によくあることで、
例えば先日もご飯の後にアイスを食べてその後に……と、この話は止まらなくなりそうなので割愛します。
当時のことで印象深いのは、体のささいな変化よりも、心の大きな揺れ動きでした。
生理予定日から一週間近く経った日のことです。
生理が遅れてるな、まさか……とソワソワしつつも、
もう少しだけ様子を見ようと検査をせずにいたその頃、
高校時代の友人と会う機会がありました。
いつも通り近況報告をしていたのですが、似た者同士の集まりだと思っていた友人達が、突然まぶしく見えたのです。
「資格の勉強をしてる」とか、「海外に行くためにお金を貯めてる」とか、
以前なら「へー、そうなんだ。頑張ってね」と思っていただろう彼女達の話に、
なぜだか急に激しい焦りを感じました。
その日の帰り道、私の心はざわつき、沸き立っていました。
私ももう一度がんばろう。やりたかったこと、やってみたいこと、たくさんあるじゃないか。
何かやらなくちゃ。それも今すぐ。早く行動しなくては!
そう思い、早速明日本屋さんへ行って資料を買おうと計画を練りながら帰宅。
それは怠惰な人間が、人生にはタイムリミットがあるんだと実感してようやく動き出した、という感じでした。
(徹底的にナマケモノな私は「ようやく動き出すことを検討し始めた」程度でしたが……)。
そして夢に燃え始めると同時に、妊娠を恐れるようになってきたのです。
当初はもしかして妊娠なのかな、と密かにワクワクしていた気持ちが
次第に萎えていき、遂には「どうか妊娠していませんように」とまで思うようになりました。
だって、もし妊娠"してしまって"いたら、もう何もできなくなってしまう。
海外旅行もできないだろうし、留学なんて夢のまた夢、仕事だって当面は就けなくなるし、
出産したらライブやコミケも無理だよね? 昨日スーパーで見かけた、「いい加減にしてよ! イライラさせないで!」と
小さな子供に怒鳴っていたあの人みたいになるのかな……と、
とにかくネガティブなことばかりが頭に浮かびました。
そして翌日、ついに妊娠検査薬を買いました。
まさか妊娠なんてことはないだろうけど(だって新婚の頃から子供欲しいって思ってたのに、2年もできてないんだし)、
念のため、とレジへ持って行くと、店員さんがニコッと微笑んでくれました。
いやいや、別に妊娠はしてないんですよ、ただちょっとね……と苦笑しつつ、
帰って早速検査したところ、
妊娠していました。
「あ、私の人生、終わった」と思いました。
妊娠したいと基礎体温を測ったり悩んだりしていたときにはウンともスンとも言わなかったのに、
切り替えて世界へはばたこう!と思い始めた翌日に妊娠が分かるなんて、
人生ってどうしてこう上手くいかないんでしょうね
(妊娠してなければ今ごろ世界へはばたいていた……なんてことは、多分ないですね…)。
妊娠検査薬を眺めながら、もう私は何もできないんだ、と途方に暮れていたことを思い出します。
その後、妊娠を知った夫の喜びように救われ、なんとか前向きに受け止めることができましたが。
そういうわけで、あんなに待ち望んでいた妊娠を拒否したくなるなんて、
今思えばホルモンのせいでもあったのかなあと。
あるいは検査をするまでもなく心のどこかで妊娠を確信していて、
これから待ち受ける「子供を育てる」という途方もない現実に恐れ戦いていたのかも……。
幸い今の私は出産を終えて可愛い息子を楽しく育てているので、
もしあの頃の自分にメッセージを伝えることができるのなら、
大丈夫だよ、幸せな日々が待ってるよ、と声をかけてあげたいです。
それから、出産後も体重が全く落ちてないことと、出費に次ぐ出費で家計が大変なこと、あと大事にしていたグラスを息子に割られてしまったことなんかも伝えたいです。
……本当にごめん。し、幸せです。
>>>次回のエピソード:毎朝、黄緑色の液体を嘔吐し、昼間は唾液地獄。つわりが出産日まで続いた暗黒の十月十日
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:ユーラシア
年齢:30歳
子どもの年齢:1歳5ヶ月
2015年4月に男児を出産。割とテキトーに育児しているオタクでナマケモノな専業主婦です。思いもよらなかった子供の可愛さ奥深さに驚く毎日の中、老後の楽しみにと育児に関する絵や文章をちまちま描いています。息子はいつも親指を吸っています。
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