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ミルクのようなお日様のような。“幸せの香水”があれば、きっとこんな匂いでしょう

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苦労して産んだ自分の赤ちゃんはとても可愛いですが、それでも育児が辛いと感じる時は誰しもあると思います。

そんな時に、疲れを吹っ飛ばしてくれる、赤ちゃんからもらえるプレゼントがあるのをご存知でしょうか。
私が初めてそのプレゼントに気づいたのは出産してすぐ、まだ入院中の出来事です。


とにかく息子はすぐ起きる赤ちゃんでした。
昼間、家族が面会に来ている時はすやすやと寝ているのですがひとたび消灯時間になるとぱちり!と目が開き泣き出すのです。

個室費用がプラス30万円という高額だったため四人部屋に入院していたのですが、他の赤ちゃんは泣き出すこともなく、お母さん方も寝ている様子です。
そこで私は眠い目をこすりながら、息子が寝ているベビーコットを押して授乳室に向かいました。


授乳室は穏やかな音楽が流れており、他にも数人のお母さん方がいましたが皆すぐに赤ちゃんを寝かしつけて自分の部屋に戻って行きました。

おむつを替えて授乳を終えると、息子はすやすやと眠り始めました。
ほっとして再びベビーコットに息子を寝かせ、授乳室を出て部屋に入ろうとすると…なんと目を覚まし泣き出したではありませんか。


他の方を起こしてはいけないと慌てて授乳室に戻りましたが、その後も部屋に入ろうとすると必ず泣き出してしまうので、さながら私は授乳室の番人のようになってしまいました。


悪いことに、私の部屋は授乳室から一番遠い奥の部屋でした。
3月のまだ肌寒い深夜、カラカラとベビーコットを押しながら誰もいない長い廊下を「今度こそ寝てくれるのではないか」と歩き、部屋の前まで戻っては授乳室に戻る、というのを繰り返しているうちに朝がやってきてしまいました。

そんな状態が3日続き、眠さと疲れから半泣きになりながら息子をあやしていた深夜のことでした。

やっと寝てくれた息子を抱っこしながら、あまりの眠さに息子の頭に顔を埋めて一瞬うとうとしてしまった、その瞬間です。
なんとも言えない甘くてよい匂いがふわりとただよい、私の目を覚ましてくれたのです。

 

それまで慣れない着替えやおむつ替え、授乳に手一杯で匂いを嗅ぐ余裕などなかったのですが、思わずくんくんと人目もはばからず匂いを嗅いでしまいました。
ミルクのような甘い匂いにおひさまの匂いを混ぜたような、“幸せの香水”というものがあるならこういうものだろうというような匂い。

加えて暖かい体温を感じ、改めて息子への愛しさが溢れてきて涙がこぼれました。
よく赤ちゃんの笑顔は一番のプレゼントといいますが、まだ笑うことができない生後間もない赤ちゃんであってもこんなプレゼントをくれるのだと気づき、睡眠不足の疲れが吹っ飛びました。


後で調べたところ、この“赤ちゃんの匂い”は脳の快楽中枢を刺激する効果があり、嗅ぐと例えば空腹時に美味しい食べ物を食べたときのような幸せな気分にしてくれるそうです。
それからというもの、疲れたり眠かったりして育児が辛くなった時は、息子を抱きしめて頭に顔を埋め、深呼吸するようにしています。
するとあの甘い匂いが、私を笑顔にしてくれてまた明日も頑張ろう、という気持ちにしてくれるのです。


現在息子は一歳を過ぎ、ミルクの甘い匂いは薄くなりつつありますがそれでも私は毎日息子の頭に顔をうずめて寝ます。
ふわふわの髪の毛からするおひさまのような甘い匂いをかぎながら、すーすーという寝息をきいていると自分は世界で一番幸せなのではないかと思います。

 

きっといつかはこの匂いもなくなり、そして匂いをかがせてなどくれなくなる日がくるはずです。
そしてその頃には息子も成長し、手もかからなくなっているでしょう。
それまでの“育児が大変な時期限定”のプレゼントを、楽しみながら過ごしたいと思っています。

著者:蓬田モヨギ
年齢:28歳
子どもの年齢:1歳

パン作りと可愛いものと猫が好きな専業主婦です。次にチャレンジしてみたいことは燻製。

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