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「こんなに可愛い顔をしていたんだね」生後6か月で手術、気管軟化症のチューブが外れた日

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次男の気管切開の手術当日、朝からソワソワしていた私は夫と長男を送り出すと同時に、次男が手術入院している大学病院へと向かいました。

次男は生後直後から、「気管軟化症」という病気のため、常時喉にチューブを挿入された状態でした。

そのため、口からおっぱいを飲むことも、小さなベッドから出ることもできず、既に半年以上も入院生活を続けていました。

状況を変えるには気管切開するしかない。

医師に告げられてからは何度も話し合いを重ね、迷いに迷った挙句手術を決めた…はずだったのに。

手術当日ですら、気持ちが揺らぎそうになっていました。

 

その日次男の入院先であるICUを訪れると、なにかを察しているのかグズグズ泣いて甘えてきました。

この子も不安なのかもしれない…。

私は抱っこしてあやしながら、「大丈夫だからね、すぐに元気になれるからね」と、自分にも言い聞かせるように声をかけ続けました。

 

ほどなくして執刀医が表れると、次男はコットに乗せられました。

私はオペ室の入口まで見送りに行きましたが、付き添えるのはここまでです。

「よろしくお願いします」

その直後、オペ室の分厚いドアが閉まると同時に、なぜだか涙があふれてきてしまいました。

 

次男の手術が行われている間、私は手術待合室へ移動し待機。

その間は、ひたすら手術の案内表示を眺めていました。

そこには次男の手術室の番号と手術状況、手術時間、年齢などが表示されていたのです。

 

その日、同じ時間帯に10件以上の手術が行われていましたが、子どもは次男ひとりだけ。

「まあ、0歳って。赤ちゃんが手術なんて、かわいそうね~」

どこからか聞こえてくる、なにげない会話に胸が痛みはしましたが、とにかく私は次男のことだけを祈ることにしました。

 

どうか、痛い思いをしませんように。

どうか、呼吸が楽になりますように。

どうか、無事に手術が終わりますように。

 

そうして待っている間はいつも以上に時間の進むのが遅く感じられました。

いつまでたっても「手術中」の表示に、もどかしい気持ちで一杯に。

ようやく「手術終了」が表示されると、私は「早く顔が見たい!」と、急いで待合室を出ました。

しかし、出入り口のところで私に声をかけに来た看護師さんと鉢合わせ。

「手術は終わったけど、処置に時間がかかるのであと1時間してから面会して下さい」

とのこと。

 

しおしおと待合室に戻り、「処置ってなんだろう…」と、不安な気持ちになりながら、さらに待ち続けました。

 

それからジャスト1時間後。

もう待っていられなくなった私はICUのインターホンを鳴らしました。

ドアが開くと同時に中に入り、急いで次男のもとへ。

すると、ベッドにはまだ麻酔から覚めきっていないのか、目を閉じたままモゾモゾ動いている次男がいました。

その姿を見てほっとすると同時に、術後の痛々しい姿に胸が締め付けられました。

手術を終えたばかりの喉の傷は生々しく、両手は紐でベッドに固定。

抱っこもしてやれず、ただそばに座っていることしかできないという状況は、とても辛いものでした。

 

ただ、生まれてこの方、口から挿入・固定されていた管が外されたことで顔全体がしっかり見えるようになったことには感動しました。

こんなに可愛い顔をしていたんだね。

いつもなら面会時間に厳しい看護師さんも、その日ばかりは次男のそばに長く付き添わせてくれました。

 

その後、次男はさらに2か月の入院期間を経て、無事自宅に退院。

気管切開をしたことで、日常生活に多少の制限はありますが、大きな問題もなく元気に過ごしています。

 

次男が成長して切開した穴を閉じる時には、また手術が必要になりますが、その時も同じような気持ちになるのでしょうか?

少なくとも今回よりは前向きな気持ちで立ち会えるかもしれませんが、ご飯も喉を通らないような、待ち時間のあの苦しい気持ちは変わらないかもしれませんね。

著者:minimix
年齢:40歳
子どもの年齢:3歳と2歳の男の子

次男の病気を機に仕事を辞め、ライターとしての活動をはじめました。趣味はベリーダンス。歌や踊りが大好きな子供たちと、にぎやかな毎日を過ごしています。

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