授かりにくいのか、コウノトリの郷のお守りを頂くくらいの私たち夫婦。
妊娠が分かり、とても喜んだ。1度目の検診は、異常もなく何事もなく終えることができた。
妊娠8週目、2回めの検診で二卵の双子であることと、そのうちの一人の心拍がないことが告げられた。つまり、一人は流産。
出会いが別れだなんて、私にはつらすぎた。
お医者さんには、よくあること、先天的に弱い子だったのであってお母さんのせいじゃない、心拍がない子は母体に吸収されていくから心配しなくていいと言われた。
頭がパニックになっていて、その優しい励ましの言葉も、うまく自分に入っていかなかった。
ショックで家に帰ってからも、数日間はぼーっとすると涙が出てしまうような状態に。
3回目の検診では、一人の子は元気だけど、その子のエコーは心拍もなく輪郭も消えかけていた。お医者さんもよかれと思って、エコー写真を撮ってくれる。
4回目の検診で、元気な方は順調に大きくなり、もう一人は姿がなくなりぼんやりと胎嚢がみえるだけになった。
そのとき、やっと私の中で踏ん切りがついた。
失われたものだけに目をやりすぎて、元気な子の成長を素直に喜べていなかった。
あれだけ望んでいた我が子なのに。
私はあのときの涙のおかげで、強くなったと思う。
著者:まぐめ
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