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小さな手が指差したもの。 娘の見ている世界は思っていたより広いと気付いた瞬間

娘が生後10ヶ月頃のことです。

やっと指さしができるようになり、何に興味を持っているのか分かりやすくなりました。

 

娘に色んな物を見せてあげたくて、積極的にベビーカーを押して散歩に出るようにしていました。

言葉が出るのはもう少し先だろうなと思いつつ、それでも娘の視線に合わせて「綺麗なお花が咲いてるね」だとか「大きなワンワンが来たね」と話しかけていました。

 

でも、娘の反応はいまいち。

 

一生懸命気を引こうと、できるだけ明るい声で楽しそうに声をかけるものの、やっぱりリアクションが薄いとちょっぴりさみしい気持ちになります。

 

ぼんやりとどこかを見ている娘の横顔。

「ママとのお話は楽しくないの?」なんて、少し拗ねて見せたりしても、娘は相変わらず知らぬ存ぜぬです。

お喋りはまだ早いよね。全然理解してないのかな?と、ちょっぴりため息を漏らしたその時です。

 

ふいに娘がすっと上空を指さしました。

 

その時いた場所は、いつもの散歩道、何の変哲も無い道端でした。

飛行機雲かな?と天を仰ぎましたが、変わったものは特にありません。

「どうしたの?お空には何も無いよ?」と尋ねましたが、娘はニコニコしながら上を指さします。

一体何があるというの?もしかして赤ちゃんだけにしか見えない不思議な何かが見えているとか?と茶化しつつ、娘の見ているものが何か探していて、私はハッとしました。

 

娘が見ていたものは、風にそよぐ街路樹の葉、そして空をゆっくりと泳いでいく雲でした。

葉先は光が透けて、キラキラと輝いています。

カサカサという小さな葉擦れの音。

そのずっと上には目が覚めるような青空とふんわりした白雲。

優しい風が私と娘の頬を撫でていきます。

 

娘の視線でと、私が一生懸命地上スレスレを見ている間、娘はずっと、もっともっと広い場所を見ていたのです。

そういえば、久しく上を向くことなんてなかった、と気が付き、なんだか娘に教えてもらった気分になりました。

 

きっとこれからも、こんなことが沢山あるんだろうな。

私が「子供らしく、子供視点で」と自分で勝手に考えたものさしで物を見ている間に、娘は違うところを嬉しい気持ちで眺めている、なんてことが…これから沢山。

 

そう思うと、なんてことはないと思っていた空や木々がとても美しく見えてきて、なんだかひどく眩しく感じられて、目頭が熱くなりました。

 

娘が知らない面白いことを、私は沢山教えていきたいと思います。

そして同じように、私が気付かなくなっていたこの世にあるたくさんの美しい物を娘から教わるのだと思います。

 

「一緒に色んな事に感動して、色んな物を見つけていこうね」

著者:ひいちゃん

2014年の冬に緊急帝王切開で娘を出産。娘の成長が何より楽しみな新米お母さんです。

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