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促進剤3日目、ゴールの見えない痛みにもう限界! なのに「帝王切開は出来ません」?!

破水(入院初日)→陣痛待ち(2日目)→促進剤Part1(3日目)→促進剤Part2(4日目)…

入院して5日目の朝、正直精神的にはボロボロで、このまま苦しむだけでいつまで経っても産まれないんじゃないかという気がしていた

産まれるイメージが湧かない=終わりのないゴールをひたすら目指してる感じ。

見えないゴールに向かって頑張る気力はもう全く残ってないし、理不尽でしょ…。

弱気になっちゃダメって思いつつ、もう限界だったから、母親失格って思われてもいいと思って朝先生に初めて弱音を吐いた。

このまま促進剤やってホントに産まれますか?三度目の正直ってありますかね…??もう気持ちは限界です…。

先生は、促進剤を使って産まれるかは分からない。けれど現状破水からくる感染もないし、赤ちゃんの心拍も元気。お母さんが望んでも今の段階で帝王切開は出来ません、と。

 

そう、私が選んだ病院は自然分娩推奨で無痛分娩は行ってなく、帝王切開後の自然分娩すら可能な病院。

低身長、骨盤が狭いことによる帝王切開を出来るならしたくないということでこの病院を選んだのに…今は早く帝王切開してと望んでる自分がいるなんて皮肉だな…。

 

先生から喝をいれられ、もう一度自然分娩目指して頑張ることにした。

ただ、先生にラストにしたい、早く結論付けたいということはお願いし、一発目の促進剤で見込みがなければ帝王切開に、見込みがあれば二発目をして、それでもダメなら翌日帝王切開に、というゴールを定めてもらった。

 

ゴールがあれば俄然頑張れると意気込み、朝10時ごろ分娩室へ。

内診をしたところ子宮口3センチ。自力での陣痛は7分間隔。

すると院長先生(多分)が来て、自然陣痛で行きましょうと思いがけない言葉。

自然陣痛で行くのは長い戦いになると分かってたので、あえて苦しい道を選ぶのにビビりつつ、促進剤を2日やってて効き目がなかったことを説明し、促進剤を入れて欲しいと自らお願いした。

他の先生と相談して頂き、促進剤を使えることに。

 

もう促進剤を入れるのは3回目だから、とにかく効きが早い。

昼過ぎには3分間隔で、3時ごろからは1~2分間隔のMAX陣痛が襲ってきた。

途中までは父と母に腰とお尻をさすってもらうことで痛みを逃せたけど、ラスト3時間は何されても効かなくて、四つん這いで泣き叫びながら耐えるしかなかった…。

バランスボールを殴りながら、どこかに身体を預けて涙と汗とヨダレで床も壁もベトベトになったけど、気にしてられなかった。

途中からは死にたいーと連呼し、母に叱られてさらに泣いた。

 

叫びすぎ、意識が飛びそうになるころ、旦那ちゃん到着。

初めて本格的に陣痛に耐えてるとこを見た彼は相当うろたえてた。そんな彼を見てさらに泣けてきた。

きっと彼のことだから献身的に色々やってくれたんだろうけど、残念ながら何をしてくれたかは記憶から抹消されてて覚えてない…(笑)

 

促進剤を入れて約7時間、MAXレベルの痛みの中、運命を決める内診が始まった。

子宮口開いててくれーと祈る一方、一進一退の中途半端な開きだったら…と思うと気持ちがしぼむ。

正直二発目をやる気力なんてない!

結果、まさかの3cmのまま。こんなに苦しんだのに、一切状況は変わってなかった…。

泣きながら今すぐ帝王切開してくれるようお願いした。もう頑張っても意味ないじゃん、という怒りとショックが溢れていた。

 

先生は最終決定は今すぐ出来ない、最終決定出来る先生を呼んで会議をします、と。

それから1時間放置…。そしてまさかの促進剤が止められてないという事態に途中で気付き半狂乱に!

止めろーと怒鳴りまくってると、見兼ねた旦那ちゃんと両親が助産師さんに掛け合ってくれ、駆けつけてくれた助産師さんがやっと止めてくれた。

 

それから30分後、ようやく陣痛が5分間隔くらいになったころ、先生登場で帝王切開決定。

家族にリスクの説明がされ、同意書に旦那ちゃんがサイン。

緊急だけど大丈夫ですよね??と母が何度も念押し。

帝王切開するんだ、とようやく自覚が湧いてきた…

 

帝王切開することが決まった時、帝王切開への恐怖や落胆は驚くほどなく、これでやっと赤ちゃんに会えるんだという喜びと、これでやっと痛みから解放されるという安心感でいっぱいに。

病院は産前病棟と産後病棟が自動扉で真逆に離れてて、ほんのり見える産後病棟がいつも明るい雰囲気で包まれてたから、やっとあたしも向こう側に行けるんだって…なんか天国に行くような、そんな気分。

 

分娩台から担架に移動して、いざ手術室へ。

今までの分娩室のリラックス空間から一変、医療ドラマでよくみる緊迫した手術室にちょっとだけ緊張しつつ、大音量で流れてくるジブリのオルゴールCDに心から癒され泣きそうになる。

ドクターや助産師さんはそうこうしてる間にすさまじいチームワークで準備をすすめていき、気づいたら鼻に酸素マスクを付けられ、腰に麻酔の注射をうたれ、胸から下の感覚がジワーっとなくなっていた。

腰の注射は変な感じ…身体が固いからおへそをのぞくように丸くなってと言われてもなかなかうまくいかず…チクチクチクと腰に何かを入れられしばらく鈍痛が続いたあと、ジワーっと温かくなって痺れが来て…。

でも思ってたより痛くなく、陣痛から比べたら屁みたいなもんだった。

 

その後麻酔がちゃんと聞いてるかのチェック。お腹や足を触られてどんな感覚かをヒアリングされる。

何となく触られてるのは分かるんだけど、人肌や温度までは分からず。でも、頭の意識ははっきりしてるから、まさにされるがままの変な感覚だった。

いよいよ手術の準備が整い、旦那ちゃん入室。

帝王切開でも立会い分娩可能ということで、ビデオとデジカメを両手に持ってスタンバイ(笑)

 

色々な修羅場を見てきた旦那ちゃんは動じることなく、もうすぐだよーと助産師さんと一緒になって声かけしてくれる。

疲れで意識が既に飛びそうな私は、うなずくので精一杯。

手術室に入ってわずか15分足らず、もうすぐで頭が出ますよーというドクターの声の後、オギャーという赤ちゃんの元気な声が!

 

待ちに待った元気な男の子、19時34分に誕生。

 

すぐにカンガルーケアへ。

肩にずっしりと温かいぬくもりを感じると、そこに会いたくて願って止まなかった我が子がいた。

安心感で涙涙涙…。

そこから約1時間傷の縫合やらしている間、旦那ちゃんと色々な話をした。

ビデオとデジカメをずっと冷静に回しててくれた旦那ちゃん。後で見たら手ブレ一切なく、2人ともとても自然体で、この映像は一生の宝物だなぁと感じた。

 

その後、私の血圧が高かったり、赤ちゃんの体温が少し低かったりで、なかなか手術室から出れず、家族と対面できたのは20時過ぎ。

面会時間が過ぎていたから、ゆっくり話すことは出来なかったけど、疲労感でぐったりだった両親の嬉しそうな安心した顔が見れて良かった。

 

そんなこんなで、思ってたよりはるかに長く壮絶な出産でした…。

破水からの促進剤、陣痛、帝王切開と、全ての痛いを体験したフルコース出産。次がもしあるのなら、もはや怖いものなし。確実に私、一歩大きく、強くなれました。

 

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著者:みみり

もうすく2歳になる男の子のママです☆育児に没頭しながらも、ママに見えないママ目指し、日々奮闘中!

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