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母乳が出なかったら“はりぼておっぱい”だと思い込み…実母の「足りてるの?」に激怒

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人と比べて元々胸は大きい方だった。

開口一番自慢か?と思われそうだが、自分にとっては本当に悩みの種だった。

学生の頃は体育の時間が恥ずかしかったり、隠そうと猫背になったり(未だに猫背は直らずみっともない立ち姿)、ブラが高かったり、慢性的な肩こりに悩まされたり…。

 

一般的に妊娠出産を通じて女性は更に胸が大きくなる。

産院で入院中に入浴した時、鏡にうつった自分の姿を見て愕然とした。

初めて客観的にみた“おっぱい”。

大きくなりすぎて明らかにアンバランスになっていた。

重力に耐えられず常におじぎしている状態。

悲しかった。

卒乳したらもっと不格好になるのだろう。

おっぱいの将来を憂いていたが、もうそれは仕方ないという気持ちでもあった。

だったらせめておっぱいが沢山出てくれますようにと祈った。

 

自分が入院していた病院は母乳育児へのフォローがしっかりしていて、入院中から退院一ヶ月後まで、おっぱいがどのくらい出ているのか測定をしてくれていた。

ありがたいことに、自分は授乳育児開始直後からおっぱいがよく出ていて、看護士さんや先生から『ミルクなしで大丈夫ですね。』と言われていた。

おっぱいが出てくれたことにほっと一安心した。

ここでおっぱいが出なかったら“はりぼておっぱい”になってしまう…。

仮に出なかったとしても、第三者からそんなことを言われることは絶対にないが、『見かけ倒しですか~!?』という状況になることを私は自然と恐れていた。

今まで苦労しながらも、一緒に歩んできた私の胸。

大きく形が崩れても、これからも一緒に歩んでいく私の胸。

ここでなんとか役目を果たしてほしいという気持ちだった。

 

そんなこんなで、とりあえずおっぱいは出ていると病院でお墨付きを頂いていたので、授乳育児に不安を感じることもなく退院し、里帰り先の実家で育児を開始した。

頭ではわかっていたものの、新生時期の赤ちゃんのお世話は予想以上に過酷だった。

産んですぐなので当然体調は良くない。

全身の倦怠感や頭痛がずっと続く。骨盤周辺への違和感もあり、動く事自体が大変だった。

所謂ホルモンバランスの崩れというものなのか…無性にイライラも止まらなかった。

 

新生時期は赤ちゃんは昼夜の区別がついていない。

だから昼夜関係なく泣く。

一般的にこのように言われていることは理屈ではわかっていた。

でも実際自分が育児を体験するようになると冷静でいられなくなる。

 

夕食を19時頃に食べ終わり、その後から寝かしつけようと必死になる。

泣いている我が子に授乳を始める。

右おっぱいの授乳を10~15分授乳。げっぷをださせるために5分くらい背中をたたく。げっぷがでない…。

左おっぱいの授乳を10~15分授乳。げっぷをださせるために5分くらい背中をたたく。げっぷがでない…。

げっぷがでないので15分くらい頭を上に、体が斜めになるように抱っこする。

私の子はげっぷがなかなかでなかったので、授乳後は抱っこしていることがほとんどだった。

 

お腹一杯になったのか一瞬泣き止むが、またすぐ泣く。

今度はおむつが濡れている。

おむつを換える。

すっきりしたのか一瞬泣き止むが、またすぐ泣く。

抱っこして寝かしつけよう。

抱っこする。

寝ないでずっと泣いている…。じゃあまた授乳してみようか…。

 

無限ループだった。

19時くらいから寝かしつけようとして、夜中の0時くらいに寝てくれたらありがたいほうだった。ひどい時は朝の4時ぐらいまで寝ないこともしばしば。

寝てくれた!と思っても、その3時間後に赤ちゃんはまた目を覚ます。

当たり前だが寝不足になった。

新生児育児をするお母さんは皆そうだとわかっていてもつらかった。

 

特に、眠い中行う授乳がつらかった。

あぐらをかいて授乳していたのだが、妊娠期から悩まされていた腰痛がよりひどくなった。

乳腺炎になりかけの状態になり、おっぱいがつまった。吸われると激痛が走る。

 

毎日夜になると泣き続ける我が子。

体がだるい、おっぱいが痛い、腰が痛い、眠い…。

敏速に行動できなくなり、赤ちゃんが泣いていてもぼーっとだっこしているだけの時間もあった。

そんな私を見て実母が毎日『おっぱいが足りていないのではないか?』『すぐにおっぱいをあげないで泣かしている』と何度も言ってくるようになった。

最初のうちは黙って聞いていたが、それが次第にストレスに感じるようになってきた。

 

元々“はりぼておっぱい”になることを恐れていた私は、おっぱいが出ないことへの異常な恐怖心があった。

足りていないのでは?と言われるのは“はりぼておっぱい”と言われているような気がしてならなかった。

よくよく考えれば、胸が大きいとおっぱいがよく出ますなんて誰も言っていない。

仮におっぱいが出なくたってミルクを足せばいい事。ミルク育児だって立派な育児だし、立派に子供は育つ。

本当にそれだけのことで、何も苦悩することはないのに、その時はもう冷静に物事が考えられない状況になっていた。

 

気がつくと母親にいい加減にしてくれと怒鳴っていた。

足りていないと言われるのはストレスだ、言われる側の気持ちがわかっていない、無神経だ、私だって一生懸命やっている…。そう言葉にして私は母に怒りをぶつけてしまった。

 

母にはとてもお世話になっている。

食事を作ってくれたり洗濯してくれたり…。

赤ちゃんのお世話も助けてくれていた。

それなのに母へ怒りをぶつけてしまった…。

 

その時は退院から一ヶ月以上たっていて、産院でのおっぱいの計測も終了している時期だったが、病院に電話をしておっぱいが足りているか不安なので相談になってもらえないかとお願いした。

 

病院に行って計測すると、やはりミルクなしで大丈夫なくらいおっぱいはでているとのことだった。

母に足りていないのではと言われるんです、と相談すると看護士さんはこう教えてくれた。

『大丈夫。安心して。これだけ赤ちゃんの体重も増えて元気に育っているんだもの。一生懸命育児しているよね。ご両親の世代はミルクを足したほうが良いと言われていた世代だからそう言うのは仕方ないんですよ。そうやってお母さんと揉めるのはよくあることなんです。

お母さんはお孫さんが可愛いから心配してそう言ってるんですよ。毎日赤ちゃんのお世話も大変で心に余裕がなくなる時もあると思うけれど、お母さんの気持ちも配慮してあげてね。里帰りを終えて実家から離れたあとは写真を送ってあげてね。私も孫が産まれたばかりだけど、娘にそうお願いしているの』

 

病院をでてからまた涙がでてしまった。大丈夫と言ってもらえたことへの安心感。また母親への申し訳なさもあって…。

 

母にはごめんねと謝った。そうしたら、『あんたは気が強い!』と批判されてまたイラっとしてしまったけれど…。

 

それから授乳育児を続けているけれど、自分がつらい時にはミルクの助けも借りて育児した。

今は7ヶ月。我が子は平均体重より少し大きく元気に育っている。

最近はスーパーで知らないおばちゃんに『すごい太ってるね!』と言われた。褒められたのか、けなされたのかは、私にはよくわからない。

著者:MM

社会人になってから10年間仕事に大半の時間を費やしてきたが、退職して結婚。今は専業主婦で第一子の世話に奮闘中。現在七ヶ月の女の子を育てている。

妊娠も出産も育児も予想以上に大変で、すぐ愚痴ってしまう根性なし。でもなんとか周りの助けを借りて頑張っています。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。