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泣き声、ベビーカー、スマホ…。「子育て不寛容な人」に向けて、いま、私ができること by うだひろえ

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泣き声、ベビーカー、授乳……。

ここ数年、常になにかしら、子育てに対する『不寛容』を目にするようになりました。

それまでは「個々人が心の中で思っているだけ」で済んだであろう、よその子どもや親に対する感情が、SNSの浸透によって表面化したのかなぁ、なんて思ったりしています。

 

子育て中の身分としては、「いやもう、そういうの、やめようよ!ね!!」と叫びたくなりつつ。

でも……私は、叫べない立場でもあります。

 

かくいう私、子育て当事者になるまで、『子育てママ』に対して「それってどうなの?」と思うこと、多々あったんです

泣きわめく子どもを見かけると「うう、大っきな泣き声……親はちゃんと黙らせてほしいなあ」なんて、思ったり。

細い通路を前方からベビーカーでズンズン進んでくるのを見ると「ちょっ、あぶないよ、ちょっと避けようよ」とか。

授乳ケープを付けつつも授乳する姿には、こちらが目のやり場に困り、「ややっ、人前でやるのってどうなの?」と思ったり。

私も、してました。

 

恥ずかしい話……知らなかったんです。

何をやっても泣きわめく子どもがいること。落ち着くまで待つしかないこともあること。

ベビーカーで通れる通路が、その、狭すぎる通路しか選択肢がない場合があること。子どもや荷物が載っているとハンドル操作が難しいこともあり、簡単に避けたりできないこと。

授乳室がなかったり、授乳室があっても混んでたり、移動する時間がなかったり。

私が『不快』に思った事例、そこに、『そうするしかない事情』があること。

 

当事者となって、やっと知った私は、なんだかもう、大変でした。

自分の中に『不寛容派だった私』がいるので、子どもが泣けば「怒られるのでは!?」とビクビクし、混雑している場所ではすぐにベビーカーを畳んで、授乳室のある施設のみに出かけました。

必死に泣き止ませ、荷物の重みでひっくり返るベビーカーに半べそかきながら隅っこに寄り、泣き止まない赤ん坊を抱えて授乳室が空くのを待ったりしました。

 

疲れました。

「子育て無理ゲーすぎ」と、全部投げ出して逃げたくなりました。

そうなってやっと、私がそれまで「どうなの?」と眉をひそめていた『子育てママ』は、自分にできることを必死にやって子育てしているママさんだったんだ、と気付きました。

 

「このままだと、少子化が!日本が!!」なんて、大きなこと、私は言えないのですが。

できれば、うちの子どもたちが生きる未来には、こんな悲しい『不寛容』、なくなってくれてたら、と願っています。

なんて、かなり私情に近い願いではございますが。

この願いをかなえるために、私にできること。

 

私、『不寛容な世間様』に向けて、とにかく「伝えよう!」と思い。

『おしゃべりおばさん』を始めました。

ーーーうん、何言ってんの?って感じでしょうし、自分でも他にないのかって思いますけど。

第一歩として、ですね。

 

泣いてる赤ん坊をあやしながら「こうなると何やっても泣き止まないよね~、あ、スマホで動画見よっか!よしっ、ア◯パ◯マン!ね~これなら泣き止むんだよね~」とか。

ベビーカー押しながら「ごめんなさいね~ここしか通れるところなくって。うまく動かせられないのよね、畳むのも大変だし、荷物もいっぱいでね~」とか。

店員さんに「ちょっとここで授乳していい?ケープして見えないようにするから、授乳室混んでて、ここしかできないのよ~」と訴えたりとか。

 

まあ、『私自身が騒音になる』という別問題になりかねないので、TPOはわきまえますけど……。

「不寛容とか、そういうの、やめようよ!」と言うよりも、「わかって!」と叫ぶよりも。

「実際これって、こうなんですよね~」と『伝える』ことで、少しでも、届いたらなあ、と。

 

もちろん、嫌な顔したり、なんなの?と思う人は、こんなことでは、完全にはいなくならないと思っています。

自分の『不快』で他者を攻撃する性質の人は、一定確率で必ずいるとは思いますし、それを変えることは1市民の私には無理です。

でも、かつての私のような、『無知の不寛容派』の人に、『子育てママの現状』を、伝えられたら

そして、少しでも、理解者が増えてくれたら。

矛先を、『子育てママ』ではなく、『「不快」で他者を攻撃するような人』に、変えられるんじゃないかという、一縷の望みも、なきにしもあらず。

 

未来。うちの子たちが「昔は子育てに不寛容だったらしいよ~」なんて笑ってる姿を、思い浮かべながら。

伝えることを、諦めずに、やっていこうと思っています。

>>>次回のエピソード:息子&夫への「なんでできないのっ!?」が減る!男脳と女脳の違い

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著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:5歳と3歳

マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。5歳男児&3歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。

website:http://umeyon.net
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