おっぱいをあげても、オムツを替えても、抱っこをしても、あったかくしても、涼しくしても、何をしても赤ちゃんが泣き止んでくれないことがあります。
そんな時、ママは「どうしたらいいの?」と途方にくれてしまいますね。
当サイトでご紹介した体験記の中にも「縦抱きにして膝の曲げ伸ばしで振動を与える寝かしつけ方でしか、赤ちゃんが寝てくれないためバランスボールを購入した」という記事がありました。(該当記事:“深夜の部活動”からの卒業!わたしが産後にバランスボールを買った理由 by はなこ)
ほかにも「泣き止まない息子を前に、お産の日の思い出を語って聞かせたら、すーっと寝てくれた」という記事もありました。
ゆらゆら揺れるのが好きな赤ちゃんは多いですが、お母さんの語りにじっと耳を傾けて眠くなる赤ちゃんもいるのですね。ママが、イライラせず、気持ちを落ち着けたのがよかったのかもしれませんね。
さて、赤ちゃんが泣き止むことにひとつに、首すわり前の赤ちゃんを「縦に抱く」という方法があります。横に抱っこしているとグズグズいうのに、縦に抱き直したら泣き止んだという経験のあるママは多いのではないでしょうか?
「あら、縦抱っこが好きなのねー」と、よくママたちは言っていますが、赤ちゃんはその時、どんな気持ちなのでしょうか?
ここでは、「ことばが話せない赤ちゃんは何を思っているの?」というママの疑問に、赤ちゃん学の第一人者である小西行郎先生が監修する書籍「ママ、わたしこんなこと思ってるよ〜赤ちゃんのしぐさと表情で気持ちがわかる本」(PHP研究所)から一部抜粋してご紹介します。
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おっとっと、バランスとらなきゃ
毎日、ベッドに寝ていると、見えるのは天井ばかりでつまらない。抱っこしてもらっても、横抱きだと見えるのはやっぱり天井。たまには違う景色も見てみたいのに! と思っていたら、びっくり! ママがタテに抱っこしてくれたら、いろんなものが見えるじゃない。
わぁ、おもしろい。
でも、ちょっと待って! わたしはまだ首を支えられないし、背中もふにゃふにゃ。からだがタテになると不安定になるの。首がガクンとならないように、がんばってバランスをとらないと! そう思うと、泣いている場合じゃないわ。おっとっとっと。
ふぅ。
タテに抱っこしてもらうと楽しいし、目も覚めるけど、バランスをとるのはけっこう疲れるの。ちょっと休みたいので、横に寝かせてくださいな。
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あらあら、赤ちゃんは縦にしてもらうのが好きで、喜んで泣き止んでいるわけではなさそうですね。
小西先生アドバイスには、下記のように書いてあります。
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タテ抱きにされると、赤ちゃんは自分の姿勢を保つことに集中しなければなりません。からだのバランスをとるのに必死で、泣いている場合じゃないのです。もちろん、周囲がよく見えて気分転換になるのも泣きやむ理由のひとつでしょう。
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縦抱きにしてあげるのもいいけど、ずっと縦のままだと赤ちゃんも疲れてしまうみたい。
赤ちゃんのご機嫌がなおったら、横抱きにしたり、床にゴロンと寝かせたり、赤ちゃんが楽になる姿勢に戻してあげたほうがよさそうですね。
赤ちゃんのしぐさと表情で気持ちがわかる本(PHP研究所)/監修・小西行郎
赤ちゃんはことばが話せなくても、表情やしぐさで何かを伝えようとしています。赤ちゃんが伝えようとしていることを、赤ちゃん学の第一人者・小西行郎先生監修のもと、「赤ちゃんのひとり語り」でわかりやすくまとめました。イラストは、『まめ日記』の著者であり、Instagramのフォロワー18万人以上のイラストレーター・横峰沙弥香さんです。