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流産のつらさを救ってくれたのは、同じ経験者の「共感」でした by志乃

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重たい話ほど口が堅くなる

どこにも書かず、誰にも言っていない話がいくつかあり、そのひとつに、「流産」の経験談があります。

流産経験者は意外と多い

厚生労働省研究班が名古屋大学の調査を基にまとめた記録※を見ると、35歳以上の妊娠経験者のうち、40%が流産経験者とのこと。

2.5人に1人が経験しているということで、30代の妊婦にとって、かなり身近な問題であることが分かります。

「原因の多くが、胎児の染色体異常による自然淘汰であり、妊婦のせいではない」と、頭では分かっていても、それでもどうしても自分を責めてしまったし、自分自身の弱さと、正面から向き合うことにもなりました。 

寄り添われたくない時もある

心身ともに深いダメージを受けた時、善意からの同情や励ましが、つらい時がありますよね。似たようなことを、震災の時にも感じました。話した相手に気を遣わせているのが分かると、申し訳なく感じますし、腫れ物や「可哀想な人」として扱われると、有難いと同時に、余計にみじめに思えてきたり、プライドが傷つけられたりしてしまうこともある。そういう時は、何かをアドバイスされるのも嫌でした。

 

そんな中で救われたのが「わかる」の一言。それ以上の言葉は何も要らなかったように思います。

無駄にはならない、しない、きっと何か意味がある

大人になるにつれて、「悲しいことがあっても、周囲には黙っている」ということが増えていき、その悲しみを経て、みんなそれぞれ、きっと何かを学んでいる。

そうしてまた次の道を選んで、少しずつ先に進んでいくんでしょうね。

 

わたしの場合は、流産を通して、「我が家にとっての幸せとは何か」について、考えるきっかけになり、自分自身の心を見つめ直すことになりました。それで分かったこと、気づかされたこと、学んだことがたくさんあります。

今でも思い出して泣きそうになることもありますが、天国に行った赤ちゃんは、そのことを教えてくれたのかな、なんて、今は勝手に思っています。

 

名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科図1:加齢による不妊症・流産の頻度より

 

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著者:志乃
年齢:35歳
子どもの年齢:長女4歳

宮城県出身。ADHD当事者ママとして、日々の考察&生活術ブログ「ひびわれたまご」を運営。イラストレーター・デザイナー・似顔絵師として活動しながら、ゾンビのように子育て中。著書に、陣痛中の実況ツイートをまとめた、イラストエッセイ本「陣痛なう」がある。 

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