さて、入院まで一晩陣痛を我慢し、さらに入院して24時間…陣痛に苦しみつつもお産が進まずに一晩が経ちました。
やっとの思いで朝を迎えると
「子宮口が5センチ開いてから進まず…まだまだ時間がかかりそう」
ということで陣痛促進剤を入れることになりました。
「先生が説明に来ますからね〜」と看護師さんから告げられ
「は〜…、早く〜なんとかして…」と思いながら待っていました。
私の担当をしていた先生は今日はいないらしく、他の先生が担当します、とのこと。そしてやってきた先生は…3人いる?? 女性が2人と男性が1人。
「今日は研修医が一緒にいます(男女1人ずつ)。指導の私(女性の先生)が基本的には診ます」ということでした。
そ、そうですか。私はこのまま無事にお産が済めば全然なんでも大丈夫です!そして時間で交代になった看護師さんも、気が付いたら2人になっていました。
「今日担当の〇〇です」と自己紹介された若い看護師さんに、ベテラン風の看護師さんがついていました。
若い看護師さんは「これ、どうやってやるんですか」と機械の使い方を聞いたりしていて、ちょっと頼りなさげでしたが、細かいことは気にしないタイプなので「すべておまかせ」していました。
さて、陣痛促進剤を点滴で注入します。
こちとら陣痛が始まってもう2晩過ぎているので、眠いし痛いしでへとへとです。
もっと痛くなるのか〜きつ〜と思って30分、痛みが増した…!! と思ったそのとき
「のださ〜〜〜〜ん!!!!!
息を大きく吸ってくださ〜い!!!」
と叫ぶ、新米ナース!(ちなみにうちは事実婚ですが、出産時のみ籍をいれておりました)
え? 何?! 何?!
と、思っていると、酸素マスクをはめられました。
「赤ちゃんの心拍が低下しました!
お母さんが酸素を吸って下さい!!」
とのこと。
えーーーーーーー!!!
マジーーー!!!
と、頑張って吸っていると今度は
「四つん這いになって! 頭を下げてください!!」
という指令が。
慌てて痛むお腹のことも忘れて四つん這いに…。
「今、出てきちゃうと困るんで! 出さないようにして下さい!」
って、今の今まで出そうとしてたのに?!
しかも四つん這いとかでお尻を上にするとかで、それなんとかなるの?!と思っていたら
「やっぱり元に戻って下さい!! 部長が来ます!」との指令。
酸素マスク適当にはめられたままベッドの上をグルグル回って髪の毛とかぐっちゃぐちゃです。
そして気が付けば担当医3人、看護師2人…とやたら大人数に囲まれており、
そこへ
「部長!!」
とみんなに呼ばれる先生がゴム手袋をはめながら登場しました。
わたしはこの状態で一体何人に取り囲まれているのか…?
「じゃあ、戻します〜」
と、部長がいいました。
「は?」
と思った瞬間体に走る、痛みと感触。
「ぎょわーーーーーーーー?!」
「痛い?! っていうか?!
何?! 一体何?」
「はい、戻しました」
って?! 赤ちゃん……部長が……手で押し戻したの?!(後日産科におつとめの看護師さんに話したら「ああ〜! ありますあります〜」と言われました)
と、私が目を白黒させているとまた部長が
「はい、じゃあ運んで〜」と…。
え? わたし、どこに運ばれるの?
「えーと、これはもしかして、もう下からは出ない感じですか?」
と聞くと
「はい、切ります」
と言われました。
あ〜〜〜……あんなに苦労したのに、ずっと痛かったのに
……切るのかっ!
と、何とも言えない気持ちになったのですが、まあ、それどころではないのです。私は緊急帝王切開となってしまいました。続きます。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:水谷さるころ
年齢:40歳
子どもの年齢:2歳
1976年生まれ。イラストレーター・マンガ家。女子美術短期大学卒。「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム(全2巻)」発売中。×イチ同士の再婚で現在は事実婚。2014年に出産し男児の母。ブログ「マイル日記」を平日毎日更新中。空手弐段。
【新刊情報】結婚をして離婚。そして再婚に事実婚を選んだ、26歳から36歳までの体験を描いたエッセイコミック「結婚さえできればいいと思っていたけど」(幻冬舎)
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