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愛犬や甥姪も、赤ちゃんに病気を移しそうで嫌…。「完璧に」の気持ちが招いた産後うつ

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晩婚で婦人科系の疾患を持っていたため、結婚して直ぐに不妊治療を行い、やっと赤ちゃんを授かりました。

 

出産は家から車で2時間の距離にある実家への里帰りを選択。

私自身が4人姉妹の長女で年の離れた妹の世話をしていたことや、看護師で小児科経験もあったことから、出産の不安はあったものの、育児に関しては楽しみしかありませんでした。

 

元々実家には母しかおらず仕事もしていたため、日中は1人だったけど犬も飼っており、近くに住む妹たちも甥っ子や姪っ子を連れて会いに来てくれたので里帰り後も寂しくはなかったです。

ただ、妊娠中から貧血で、鉄剤の副作用で夜になると胃痛や背中の痛みがありました。

昼間は少し動いただけで動悸等も起こって、雑誌でみるようなマタニティーライフとは程遠くずっと家に閉じ籠る生活。

でも産まれたら大変だろうけど楽しい生活が待っていると思っていました。

 

けれど、実際は「大変」や「楽しい」だけではなかったのです。

平均的な赤ちゃんでしたが、新生児ってこんなに小さかったっけ?とびっくり。

こんな小さい命を私が守れるのだろうか。

病気になったら? アレルギー、アトピーになったら? 夜間救急は? 

怖い。失敗したらいけない。

そんな思いが渦巻き、気づけば産褥期なのに毎日掃除をし、赤ちゃんをさわる前には手洗い。いつしか指の皮が剥けるまでになっていました。育児日誌ともにらめっこ。

 

退院しても日中は1人。あんなに可愛がっていた犬も、菌がいるんじゃないかと気になって仕方がない。

テレビをみると麻疹やインフルエンザが流行っているというニュース。甥や姪が赤ちゃんに会いに来てくれても、病気をうつされるんじゃないかと、段々子供と二人で部屋に閉じこもるようになってしまいました。

生後6ヶ月までは母親の免疫があるから簡単には病気にならないとわかっているけど、小児科で勤めていたときに入院していた低月齢の赤ちゃんの姿が浮かんできます。

ちょっとでも気になる事があると、ネットで調べていました。

 

退院後1週間目で産婦人科で定期チェックがありました。言われたように母乳をあげてミルクをあげていたけど、70gしか増えていません。

「3~4時間毎にあげてる?」「母乳育児をしたかったら夜も起こしてでもあげないと」

と助産師から言われ、1週間後に再チェックとなりました。

子供は22時ぐらいから朝の8時まで寝る子。その日からは、寝てても無理に起こして飲ませるようにしました。

でも起きない。ミルクを飲ませるのがやっとなのに、母乳なんて飲むわけがない。

起きない時は泣きながら別室で寝ている母を起こして、子供の足の裏をくすぐってもらったり刺激をして、なんとか起こしてミルクだけでも飲ませました。

 

1週間後には体重はちゃんと増えていました。助産師に夜は寝てしまってどうやっても起きないこと、夜は起こさないとダメなのかを聞きましたが、

母乳は夜に作られるから母乳育児をしたかったら夜も最低4時間毎に吸わせて」

とだけ言われ、寝過ごすのが怖く次第に夜も眠れなくなっていきました。

 

一晩中ネットで色々調べ、甥達が来るので昼間は子供と部屋に閉じ籠る。

食事も食べられなくなり、朝になると訳もなく不安でどうにかなりそうでした。

子供の世話はしますが、子供の服を選んだりオモチャを買うとかそういう興味もなくなっていき、昼間に子供と昼寝をしようと目を閉じても漠然とした不安が襲ってきて眠れず、次第に一緒に死んだら楽になるかな等と思うようになっていったのです。

 

でも、元々1ヶ月の里帰り予定だったため、家に帰れば甥っ子達も来ないし犬もいないし良くなるだろうとも思ってもいました。

そういう生活が1ヶ月過ぎて、子供の1ヶ月検診のとき。

私の様子を見て小児科の先生は、

産後うつだね。家には帰らない方が良いよ。夜に母乳をあげると出も良くなるけど寝てるんだったら搾乳でもいいんだよ。寝る前にミルクをあげてるんだからお腹空かないよ。朝まで寝るのはしょうがないよ。寝ているときは起こさなくてもいいんだよ」

と言いました。

産後うつと言われ、やっぱりなと思ったと同時に、何かが外れたような気がしました。

今までなんとかギリギリでやってきた精神状態が壊れた気がしたのです。

 

それから母乳をあげるのも抱っこをするのも苦しくなりました。

眠れない。怖い。死んでしまいたい。子供を触りたくない。でも子供は可愛い。

どうしたらいいんだろう。どうにかしなくては。

そう思い、里帰り先でしたが家の管轄の保健師に相談をして、赤ちゃん訪問を実家で受けることにしました。

女医が開業している心療内科も受診しました。カウンセリングでも受ければよくなると思ったからです。

でもそこでは投薬治療をすすめられました。混合育児だったけど断乳なんてしたくありませんでした。

拒否した私に「赤ちゃんはどんどん大きくなるんです。そんな精神状態でどうするんですか。しっかり直さないと子供の面倒をみられませんよ」と先生は言いましたが、簡単に断乳とか薬とかを勧める医師に腹が立って、そのまま帰ってしまいました。

 

でも、状態が変わるわけでもなく苦しい気持ちが続きます。

こんなはずじゃなかったと母の前で泣きました。どうしてこんなことになったんだろうと。

ひとしきり泣いたあと「ああ、もう一人ではどうしようもないんだ。薬でも何でもいいから楽しく子供の世話をしたい」と心から思いました。

最初に受診した心療内科へ行き、投薬治療をする旨を話しました。

投薬治療を始める日。最後に母乳を飲ませたときは、一生懸命に飲む姿を見て子供に申し訳なくて涙が出ました。しっかり治さなくてはと本当に思いました。

 

薬を飲んで徐々に効果が出始めました。副作用で眠気が昼間まで続きましたが、子供の世話には支障は出ず、夜は母に子供をお願いするようにもしていたのですが泣けば目が覚め、お世話をしたあとも眠ることが出来きました。

食事もとれはじめ空腹感も戻ってきました。一番よかったのは子供を素直に可愛いと思えたことです。

 

当初の予定では産後1ヶ月の里帰り予定でしたが、結局3ヶ月実家で過ごすことになりました。

その間、妹たちは実家への訪問も控えてくれて、実家の地区の管轄の保健師さんも度々訪ねてくれました。家の管轄の保健師さんも電話などで様子をたずねてくれて、相談にものってくれました。

 

家に帰ってきたあとも、薬は減量していますが、まだ飲んでいます。

今思い返すと、子供のことが心配でしていたことがやり過ぎてしまい、次第に自分でコントロールができなくなってしまったのだと思います。

産後のホルモンの影響なのだろうと思いますが、産後うつは数年続くこともあるそうです。あの精神状況が何年も続くなんて考えただけでもゾッとします。

投薬治療を選んだことで母乳をあげられなくなったことは子供に申し訳ないと思っていますが、それ以外はよかったと思っています。

また、保健師さんなどの支援や家族の協力。ホントにありがたかったです。

 

心療内科の先生から言われたことで心に残っていることは「いいかげんな育児ができる母親になる」ということ。「いい加減」ではなく「良い加減」です。

出産前は一人で何でもしなくちゃと思っていましたが、今は少し力を抜いて育児や、家事が出きるように注意しています。

著者:おそば

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。