前回からの続きです。
入院してから24時間、陣痛で苦しむも一向に進まないお産…。
そして陣痛促進剤を入れてからの、急展開…緊急帝王切開になってしまい、私は手術室へ運び込まれました。
みんな〜落ち着いて〜!
と、てんやわんやの手術までの急展開…。でも、そこからは本当にあっという間。
下半身麻酔って、不思議なんですけど「痛み」は一切ないのに「感触」はわかるんですよね。麻酔が効いてるかどうかのチェックはアルコールを肩に塗られて
「スースーしますか?」と聞かれて「スースーします」と答える。
そして、胸の辺りでまたアルコールを塗られて「スースーしますか?」と聞かれるのですが…スースーしないんです!
塗られているのはわかるのに、スースーはしない!不思議な感覚です。
「切ります〜」と言われて「切られてる」のがわかる!「出ます」と言われて、赤ちゃんが引っ張り出されるのもわかる!
そしてずるりとお腹から出されたあと
「おぎゃー」と声が聞こえました。
小児科の先生のチェックを受けて、産まれた我が子が私のところへやってきました。
「元気な男の子ですよ〜」我が子との、初対面……
あたま、超とんがってるーー!!!
コーンヘッド!!!!
「こ、こ、これ、治りますよね? これすぐ治るやつですよね?」
が、最初の一言でした。
「治ります治ります。すぐ治りますよ〜(笑)」と助産師さんに言われて一安心。
なんでも、長いこと外に出ようと骨盤に挟まっていたために頭がとんがってしまったのだとか。いやはや、ビックリしました。
その後赤ちゃんはすぐに連れて行かれ、私の方は「胎盤だします〜」と手術は進み、縫合して終わりです。
無事に赤ちゃんが出てくれば手術室も穏やかな雰囲気です。担当の女性医師に質問をされて
「記憶が無いところとか、あったりしますか?」
「いや、無い…と思います」
「気分が悪かったりしませんか?」
「吐きそうが10だとしたら、1くらいは」
などとと答えていると
「本当に冷静ですねえ…」と言われてしまいました。
私はたぶん、急に緊急帝王切開になってしまって内心びっくりしていたとは思うのですが、めまぐるしくいろんなことが進んで、周りが大変そうだったので逆に冷静になってしまったんだと思います。
あと、私は姉の出産の立ち会いをしていて、姉が帝王切開だったので、この先どうなるか大体知っていたというのも、そんなに慌てなかった一因だと思います。
なので、我が子との対面も感動というよりは、過程の1つみたいな感じで「あー、無事に出てきてよかった」みたいな感じでした。
「今何時ですか?」
と聞き返すと胎児の心拍が低下してから40分くらいでした。
手術は30分くらいで終わったので、本当にあっという間でした。
はっ!
そういえば、ずっと付き添ってくれていた夫はどうしただろう?
と思い出しました。
緊急事態になってからカーテンの外に出されて、陣痛室にある荷物を全部持たされて、外で待っているはず…。
心配しただろうな〜…。私は全部の過程を見ているからそんなに怖くなかったけど、外で待たされてたらドキドキしちゃうだろうな…申し訳無いな〜と思っていました。
そしてその頃、夫は手術室から無事に先に出てきた息子と対面して、私と全く同じように産まれた子の尖った頭を見て
「こ、こ、これ、治りますよね? これすぐ治るやつですよね?」
と、聞いていたそうです。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:水谷さるころ
年齢:40歳
子どもの年齢:2歳
1976年生まれ。イラストレーター・マンガ家。女子美術短期大学卒。「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム(全2巻)」発売中。×イチ同士の再婚で現在は事実婚。2014年に出産し男児の母。ブログ「マイル日記」を平日毎日更新中。空手弐段。
【新刊情報】結婚をして離婚。そして再婚に事実婚を選んだ、26歳から36歳までの体験を描いたエッセイコミック「結婚さえできればいいと思っていたけど」(幻冬舎)
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