いよいよ出産。
立ち合いは誰も居らず、陣痛促進剤を使っての分娩でした。鼻には酸素チューブをつけられ、腕には促進剤の点滴をつけての出産。
猛烈に襲ってくる陣痛に、正直な気持ち、「もしかしたら私はここで死ぬのかも」と、思っていました。
出産は本当に人それぞれですし、痛みの度合い、感じ方もそれぞれだと思います。
私の場合は、体が張り裂けるのではないかというほどの痛みと、こんなに苦しくて子供は大丈夫なのかという恐怖を感じました。
最後に「私が死んでも、子供だけは生きてくれ」と思ったことを覚えています。
そして、分娩時間3時間をかけて、やっと出てきてくれた息子。
助産師さんがすぐ綺麗にして、ビニールのようなものに包んで見せてくれました。へその緒もまだついたまま。
息子は色白で、つるんとした赤ちゃんでした。
「赤くない」
「生きている」
「私も生きている」
「足の指が私にそっくり」
など、一瞬で頭にブワーーッと色んな気持ちが浮かんで、
それを特大の「かわいい」が、ドーン!とすっ飛ばしていきました。
とにかく、生きて動いているその姿が可愛くて、愛おしくて、たまらなくなったのです。
分娩台で縫合されるときには、息子はすぐそばの保育器に入れられていたのですが、ずーっと見ていられました。
痛みも不安もすべて塵になって消え去り、ただただ「わが子、カワイイ!」を脳内で連呼していました。
息子を両手で掲げて「みてください!ほら、私の子です!」とパレードしたいほどでした。
徐々に痛みを思い出して冷静になりましたが、それでもやはり自分の子供は輝いて見えました。
それから2時間後、仕事を終えた夫が面会に来てくれました。
私が「もう見た?」と聞いたら、
「うん、見たよ。」とだけ返事をされて、その温度差に、正直「もっとカワイイカワイイってお祭り騒ぎしろや」とイラッとしたのでした。
これから奥さんが出産するお父さん予備軍のみなさん、
出産の際は感情を素直に表現してあげてください。
特に喜びの表現は思い切りよく!
それが、分娩で疲れたお母さんにとって、何よりの癒しになると思うのです。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:ゆうひまほ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:2歳
36歳で妊娠出産、現在元気いっぱいな一歳男児を必死で育てています。広島を愛するアニソンヲタなミーハー主婦。
イラストだけでなく、手芸やDIYも好きな、「なんでもとりあえず自分でやってみる」派です。現在はそれらに没頭する時間が無いのが悩み。
ブログ:よいやさのゆっちサン
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