子どもが生まれ、子育て当事者になり、早5年。
その間、「そんなの知らなかった!」と驚くこと、いろいろありました。
その1つに、「子育て環境の地域格差」があります。
当時私は神奈川県Y市I区に住んでいましたが、私、Y市は、「子育てしやすい街」だと思っていました。
子どもが生まれてすぐ、都内N区在住の友達に言われました。
「Y市って大変だよね、子ども医療費助成の所得制限、1歳からあるんでしょ?しかも540万円って微妙に行っちゃうよね~」
私「はい?」
ポイント1【子ども医療費助成】
子どもの医療費の自己負担分を自治体が助成してくれる制度。自治体によって対象年齢/適用条件がバラバラ。
東京都N区は
・通院・入院ともに、中学校卒業まで、自己負担なし
・所得制限なし
神奈川県Y市は
・通院は小学校3年生まで(平成29年4月から6年生までに拡大、一部自己負担あり)、入院は中学校卒業まで、自己負担なし
・所得制限あり(1歳から。540万円~扶養人数によって変わる)
うちは出産前に仕事めっちゃがんばったので、前年度の所得が多く、1歳からの制限にひっかかってしまいました。
しかし子どもはアレルギー体質で定期的な通院が必要、保育園入って体調崩しまくり通院しまくり、仕事できない収入減、医療費かかる、魔のスパイラル。
知らなかったとはいえ、「他の自治体なら……」と、思ったりしました。
次は、地元愛知県A市の友達と子連れで遊んだ時。
「児童センターにでも行こうか。近くに3箇所あって、別でちょっと遠いけど広くて綺麗なとこもあるよ、どこがいい?」
私「なにその選択肢の多さ」
ポイント2【人口当たりの子育て支援センター・児童館の数】
神奈川県Y市I区:
・人口約16万人
・子育て支援センター:1カ所
・児童館:4カ所(地区センター内プレイルーム3カ所、公園内ログハウス1カ所)
愛知県A市:
・人口約18万人
・子育て支援センター:5カ所
・児童センター:9カ所
友人曰く「無料だし、育児に行き詰まった時に車でふらりと行けるし、気分によって行くとこ選べるし、ハシゴする時もあるよ」
その言葉は、しょっちゅう育児に行き詰まって逃げ場を求めてさまよっていた私には、ぐっさり刺さりました。
Y市I区には、広くて綺麗な公園もあるし、無料/有料のプレイルームもいくつかあるし、ケアプラザなどで乳幼児向けの登録制/予約制プログラムもたくさんありました。
けど、その自由さ、気軽さ、身軽さは、なかったです。羨ましかったです。
そして、3つ目は、個人的に一番訴えたいこと。
ポイント3【認可保育園・公立幼稚園・私立幼稚園などの、選択肢が多いか】
私、「ウチは保育園だから、幼稚園の数は気にしないわ」なんて、思っていました。
「私は幼稚園の予定だから、保育園の待機児童の数は関係ないわ」なんて、思っていた友達もいます。
「3歳までは保育園で、年少さんからは幼稚園に入れたいわ」なんて、理想を持っていた人もいます。
当初、ウチの子は認可保育園に入れなかったので、待機児童(保留児童)となりました。
いつ入れるか分からない、待ち続けるだけの日々。
「3年後に幼稚園って可能性もあるか……」
神奈川県Y市には、公立の幼稚園がなく、つまりは保育園or私立幼稚園という2択。
私立幼稚園は、入園料や保育料、延長保育の実施や金額、給食の有無や回数に金額、園バスの有無、バラバラ。
「できるだけ安くて、延長保育と給食がある園がいいな……」と狙いを定めると、そこは超人気園、入園は抽選。
「え、入れなかったら、どうなるの?」
高い保育料のところ(就園補助金もあるけど足りる気がしない)、仕事しながら毎日お弁当、延長なしで3時には帰って来る幼児?
できるご家庭もあるでしょう。でも、うちは……無理!
結局は保育園に入れましたが、あの選択肢の少なさ、どうなるかわからなさは、怖かったです。
逆に、「私パートだから幼稚園でもいいんだけど、この辺の幼稚園保育料高いから、0歳から保育園入れちゃった」というご家庭の話も聞きました。
そこの子は4月生まれだったので翌年4月の0歳児枠にすんなり入れました。パートさんなので、週4日の短縮保育。でも、「認可保育園の1枠」です。
フルタイムの人が、年度途中で申請しても、1歳から申請しても、その枠は空きがなければ入れません。
かくいう私も、その枠が空くのを待っていました。上の子が在園、自営だけどフルタイム仕事で、認可外保育園に預けながら。
選択肢が少ないと、こういった「枠の取り合い」が起きるんですよね。
負け続けると、どんどん希望が下がっていって。
当時は「私の子育て環境、第何希望になるんだろう……」と暗い気持ちになっていました。
住めば都とも言うし、慣れてしまえるのかもしれない。
医療や文化、公共交通機関の充実など、トップクラスの部分もたくさんあるから、数年がんばれば、とも思いました。
結局ウチは、私の地元愛知県A市に引っ越しました。
保育園は36カ所、待機児童なし。公立幼稚園4園、私立幼稚園9園。
子ども医療費助成は通院:中学卒業まで/入院:高校卒業まで。所得制限なし。聞くと、妊婦健診費助成も全額だそうです。(これも地域によってマチマチですよね)
今現在、ウチとしては、第一希望の子育て環境にいられています。
場所によっては、【道一本隔てて】受けられるサービスが全く違う、なんて話も聞きます。
(以前住んでいた神奈川県S市と東京都M市はまさにそんな感じでした)
行政サービス比較検索サイトもありますので、ご利用をお勧めします。
皆様がご家庭の理想に少しでも近い環境で暮らせるよう、また、各地域の子育て環境の格差が改善されるよう、願っております。
>>次回エピソード:子どもが泣くことに“母の責任”を感じなくていい。『泣かせない』呪縛からの解放 by うだひろえ
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:5歳と3歳
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。5歳男児&3歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「伝えるチカラを身につけたらダメ旦那が稼げる男になりました」
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。
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