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職場と家庭。二つのストレスに挟まれた、私の「人工授精」体験記

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私が最初に人工授精を行ったのは、31歳の春でした。周りは2人目ラッシュで、義母からも「孫はまだか」と言われていた頃でした。

 

それまでの1年間も不妊治療に通い「卵管通水検査」「卵管造影検査」やタイミング治療を行っていました。私にも主人にもこれといった原因は見つからないのに全く妊娠せず、やり場のない不安を抱えていたのを憶えています。

 

いわゆる人工授精とは、朝一で採取した夫の精子の中でも良好な運動精子を濃縮・活性化し、細い管を使って子宮の中へ送り込む処置のこと。この処置を行うことで、精子と卵子が出会いやすくなり、妊娠の可能性を高めるものです。

 

まず「生理が終わってから◯日目に受診してください」と指定された日に受診。内診をして排卵の様子をチェックし、「明日、人工受精しましょう」などと指示が出ます。

容器を渡され、翌朝夫に精子を取ってもらい、2時間以内にクリニックに向かいます。1時間ほど精子を調整してもらうのを待ち、人工授精の処置。そして、15分ほどベッドで横になって終了です。

それから1週間くらい後にまた診察があり、排卵チェックをします。私のクリニックでは、1回の周期でこの3回の通院がセットでした。

 

当時フルタイムの仕事をしていた私にとっては、月に3回も平日に、しかも予測できない休暇を取らなければならないストレスは大きいものでした。人数の少ない部署で、上司は男性。女性のスタッフも居ましたが、不妊治療に対しての理解はありませんでした。急に打ち合わせなどをずらしてもらう事もあったりと、良い顔はされていなかったように思います。これは一番の職場のストレスでした。

 

そして、もう1つの悩みは主人への「精子の採取」のお願いです。朝一の出勤前に確実に精子を採取してもらわなければなりません。主人は妊活に協力的ではありましたが、毎日激務で22時頃に帰宅して疲れ果てている状態。「二人の子どものための治療」という事は頭で分かっていながらも、申し訳なさでいっぱいでした。これが家庭のストレスです。

 

そんな人工授精も、一般的に「これ以上は妊娠しにくい」と言われる6回目も失敗。先生からは事前に「もし今回もだめなら、ステップアップを考えた方が良い」という話をされていました。

 

ステップアップというと、体外受精

インターネットで調べてみると、まず治療費が1回に30万円程度かかるという驚き。そして、クリニックに通う頻度が増え、体の負担も増えるというものでした。

 

体外受精にスムーズに気持ちを切り替えられなかった私は、以前先生から「原因が分からない。もしかすると環境に問題があるのかも」と言われた事を思い出しました。要は職場や家庭などのストレスです。

 

私は思い切って会社を辞め、しばらくゆっくりする事にしました。それから3ヶ月、治療を受けずに自分で測った、たった1回のタイミングで自然妊娠。今は1歳になる可愛い我が子を抱いています。

 

人工授精で結果が出なかった時の絶望感は、今でも忘れられません。でも、簡単に授かれなかった経験は無駄だったとは思っていません。

 

子どもを望み治療を続けるすべての人に、1日でも早くコウノトリが来る事を願っています。

 

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著者:hana
年齢:33歳
子どもの年齢:1歳

33歳で第一子を出産。三十路の体に鞭を打ち、子育て奮闘中です。

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