子育てするようになってから、自分の中の「理想」や「不寛容さ」に、苦しめられることが増えました。
それに対して、「自分にできること/できないことを把握して無理なくやる」「感情と事実を切り離して考えたり、人に伝えたりする」ことを心がけて、なるべくストレスを抱えないように、生活するようにはしています。
でも、なかなかこれが、「考えのクセ」とでもいいますか、治らないんですよね。
特に、心身ともに疲れきっている時や、ホルモンバランスの崩れで不安定になっている時など。
黒い声が聞こえてきたりするんですよね。
「母親とは、こうするべきだ!それなのに、それができてないお前は、ダメ母だ!!」なんてのが。
疲れているから、ホルモンバランスが崩れているから、仕方ない、と考えるようにはしていても。
積もり積もっていく、「ストレス」。
根元をやっつけないと、私はずっと、苦しみ続けるのでは?
自分だけでなく、他者も……夫や子ども達のことも、「父親とは!夫とは!」「子どもとは!男児とは、女児とは!」なんて声で、苦しめてしまうのでは?
なんて危機感も持つようになり、私は藁をも掴む気持ちで、いろんな本を読みました。
そこで私が、気づいたこと……私、自分の中に『必要以上に強い正義感』があることに気づきました。
(特に参考になったのは、「認知療法」という、歪んだ思考を修正する心理療法の本です。詳しいこと興味のある方はググってみてください)
自分の中のそんな部分。わかりやすくするため、「べき田さん」と名付けて、キャラクター化してみました。
べき田さん、言ってることは常識的ですが、怒っていて、高圧的です。
こうして「見える化」してみると、なんだか滑稽です。
でも、これが、私の「考えのクセ」なんですよね。
本から得た知識を元に、「べき田さん」に大人しくなってもらう方法を試します。
それは、【根拠】を洗い出して、【反証】してみる、というもの。
こちらもキャラクター化してみます。
「ナンデ・カナ」さんと、「ソウ・カナ」さん、かわいい双子のきょうだいです。
べき田さんが、「母親とはこうあるべきだ!」と叫んでいるところに、「ナンデ?」と、【根拠】を聞きます。
「なんでって、それが常識だし」とか、「子どもはそれを望んでるはず」とか、べき田さんは答えるでしょう。
そこに、「ソウカナ?常識って今は多様化しているし、子どもがそれを望んでるかどうかは聞いてみないとわからないよね?」と、【反証】してみます。
ぐう、と、べき田さんは黙ります。
「だから……」カナきょうだいは、声を合わせて、私に教えてくれます。「できてないからって、ダメ母、じゃないよね?」
そこまで見て、私、気づきます。
勝手な思い込みで、自分を苦しめていたことに。
まだまだ、なかなか、「考えのクセ」は完治はしませんが。
1つ1つ、見える化して、根拠を反証して。
気持ちが楽になるのを実感しながら、日々実行しています。
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:5歳と3歳
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。5歳男児&3歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「伝えるチカラを身につけたらダメ旦那が稼げる男になりました」
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。
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