これは忘れもしない、娘生後8日目の夜20時頃の出来事です。
私は里帰り出産だったので、退院後は実家で上げ膳据え膳の生活を送っていました。
家事をすることなく、気軽に人と会話でき、時には娘の抱っこを代わってもらえるのは本当にありがたく、夜中の授乳や慣れないお世話は大変でしたが「なんとかなりそう」と気を抜いてしまっていたのかもしれません。
その夜、私はまだ起きている娘を両親に任せてお風呂に入りました。
とはいえまだシャワーを浴びるだけだし、3月で寒かったこともあり10分もかからずに浴室を出たと思います。
そして洗面所で着替えをして、化粧水をつけに私と娘用の寝室に入りました。
実家では私も含め皆布団で寝ていて、寝室のふすまを開けると布団が敷いてありその奥に化粧水などが入ったドレッサーがあります。
私は勝手知ったるなんとやらで、常夜灯のままズカズカと布団の上を歩いて(行儀が悪くてすみません)ドレッサーにたどり着き、化粧水をつけ、また布団の上を通ってリビングへ行きました。
すると、両親はいるけどその腕の中に娘がいません。
簡易ベッドにしていた座布団の上にも、部屋のどこにもいません。
あれ?と思って「娘は?」と尋ねると母が「なに言ってるの?(笑)」みたいな顔をしてこっちを見ます。
本当にどこだか分からなかったので再び聞くと「今寝室に行ったんでしょ?布団で寝てるじゃない」との返事。
「えっ?????」
恐る恐る寝室に行って電気をつけると、私が無神経に踏みつけて歩いた布団の上で娘がすやすや眠っているではありませんか。そして娘の身体のすぐ脇には私の足跡がしっかり残っています。
運良く逸れてはいましたが、ほんの数十センチの差で私は産まれたばかりの娘のおなかを遠慮なく踏んづけてしまう所でした。
10ヶ月おなかにいて、やっとの思いで産んで、夫の分まで大事に育てている子に大変な怪我をさせてしまうところだった。もしかすると怪我では済まなかったかもしれない。
その事実が信じられなくて、その後しばらく涙が止まりませんでした。結果的には何もなかったけれど、悪い夢を見ているようでした。
お風呂に行く前はまだまだ寝そうになかった娘がほんの10分で眠るなんて思わなかったとは言え、自分の雑な行動や不注意のせいで命に関わることが起きてしまうんだと、最悪の一歩手前で実感しました。
産まれて一週間経つか経たないかでこんな事故未遂を起こしてしまう自分が、これから娘を安全に育てていけるのか不安でその日はあまり眠れませんでした。
それから二年以上経ち娘も元気に大きくなりましたが、今でもあの時のことを思い出すと胸がざわざわします。
私のどうしようもない不注意が招いたケースのため、特に対処法や教訓があるわけではないのですが、命を育てていく上で「取り返しのつかないことはある」と思い知った出来事でした。
著者:こたき
年齢:20代後半
子どもの年齢:2歳
2015年3月に娘を出産。かわいい我が子の成長をtwitterで綴っています。
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