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「本当にこの子を愛せている?」 その答えがわかった時に私は真の「母親」になれた

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産声を聞いた時、味わった事の無い感動を味わった。

 

小さな小さな我が子を見て、本当に可愛くて愛おしくて何があってもこの子を守って行こうと思えた。

 

入院中、初めてのオムツ替えに、初めての授乳。

 

おっぱいを一生懸命飲む我が子を見て愛おしくて涙が溢れた。

主人が、仕事が終わればすぐに会いに来て愛おしそうに抱く姿を見て、

私はさらに幸福な気持ちになれた。

 

しかし、待ちに待った退院後の事。

 

初めての出産だったが、親とも疎遠のために、里帰りはせず。

退院直後から、2人で頑張ると決めていた。

 

3人で同じ布団で寝て、幸せな時間を過ごす事しか考えていなかった私は、あまりにも理想とはかけ離れた生活に戸惑った。

 

泣き止まずに、仕事の主人を気遣い別室で我が子を一晩中あやす日々。

 

何かあっても病院のように、すぐ駆けつけてくれる看護師さんもおらず、相談にのってくれる助産師さんもいない。

 

帰宅後、授乳しても、オムツを変えても泣き止まない我が子を見て、「どうしよう」と怖くなったのだった。

 

その時初めて、子どもを育てる、1つの命を守るという事にプレッシャーというか、恐怖に近い感情が芽生えた。

 

寝不足の日々、変わり果てた自分の姿。

 

主人が帰って来れば少しは安心出来たが、私は常に緊張状態にあり、人とも会わずに授乳や必要最低限の家事しかしない程の無気力な気持ちになっていた。

 

私の不安定な気持ちを察しているかのように泣き続ける我が子。

 

私はついに、寝返りもできないのを良い事に子供の側から離れ、別室で耳を塞いで泣いた。

 

遠くから微かに聞こえる泣き声。

 

「お願いだから泣き止んでよ」

 

そう思いながら寝不足のピークの私は気付けば眠りについていて、気付けば数時間たっていた。

 

遠くからは、鳴き声も聞こえず、私は一目散に我が子がいる部屋へ。

 

すると、ベビーベッドの上で我が子もスヤスヤと眠っていました。

その頬には涙の乾いた後がくっきり残っていて、私は自分のした事、無力さ、弱さ、申し訳なさに「ごめんね、ごめんね。」と、ただ声をあげて泣いたのだった。

 

その後も、ただただ必死に育児に取り組んだ。首も座り、寝返りをして、張って動くようになり、我が子はどんどんと、成長したが、ある日私は思った。

 

ー「私は、この子を愛せているのだろうか」

 

そんな事、主人にも誰にも言えるはずもなく1人で悩んだ。

 

SNSに友達が、「食べてしまいたい程可愛い。」と子どもの写真をあげていたが、私にはその気持ちがわからなかった。

 

私は母親失格なのでは無いか、このままこの子を育てていけるのだろうか。そんな、気持ちに苦しみながらも主人の協力もあり、我が子は1歳を迎えた。

 

相変わらず、私の気持ちは病んでいて、気に入らない事があれば、泣き叫ぶ我がこの子に怒ったりもした。

 

こんな小さな子に怒ったって何もわからないのに。

 

 

そんなある日だった。

 

早朝いつものように眠っていたら突然の、地震が起こった。結構揺れも強く、私は咄嗟に我が子に覆いかぶさったのだ。

 

主人が、その私の上から覆いかぶさり地震はしばらくしておさまった。

 

私の体の下にいる我が子は、まだスヤスヤと眠っている。

 

その寝顔を見て、私は涙が止まらなかった。

 

咄嗟に、我が子を守らないといけないと思えた自分がいた事。

 

私は、「母親」なんだ。

 

私は、ちゃんと母親なんだ。

 

その時、母である自分を認め、初めてそう思えたのだった。

 

ー 私は、この子を愛せている。愛している。

 

そう、実感出来た瞬間だった。

 

 

あの産声を聴いた時の気持ちを思い出そう。

 

何よりも愛おしくて、一生守っていくんだと誓った時の気持ちを。

 

ゆっくりと、ゆっくりと、あの時の気持ちを。

 

私は、この子のたった1人の母親なのだから。

 

著者:チヒロ

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