「自分でできる子に育てる方法」といったような記事を読むと、手出し口出し無用、子ども自身に任せる、親は見守るのみ……なんて書かれていて、「うんうん、確かに!」と思って、実践してみたりします。
まあでもこれがなかなか、難しい。いや、私にとっては、これはもう、日々の最大の敵と言えるかもしれません。
子どもが自分でできるまで、待つこと。
例えば、朝の身支度。年長さん息子と年少さん娘、それぞれができる状態まで私が用意し、スタート。
はい、まず、第一に、そもそも、やりません。取りかかれません。
ぼーっとしています。
「お~い、ご飯食べ終わったら、何するんだっけ~?」
言われて、1回で「ハッ」として動き出したら幸い、2・3回言っても動かない日もたびたび、手を変え品を変え、動き出すように促します。
靴下を出す、靴下をはく、帽子を出す、帽子をかぶる、スモックを出す、スモックを着る、スモックのポケットにティッシュとハンカチを入れる……
おもしろいことに、全てのアクションに「どれにしようかな」「あれ、はんたいだ~」などのトラップがいちいちあり、サラサラ流れていきそうな作業が汚泥のように滞っていきます。
「どっちでもいいから早くして!!」なんて言いたいのを堪えます。
「ああもうなんでいつも反対なの!?」と言いながら脱がして正しい向きに着させたいのを、唇噛んで我慢します。
……できるかぎり。
私も人間なので、限界超えれば「もう行くよ!」と身支度させて車に押し込んで園に向かうこともしばしばです。
「遅刻するとどうなるか、本人にわからせましょう」なんて件の記事には書かれてたりしますけど、うちの場合「遅刻=私の仕事時間が少なくなる」だけなので、申し訳ないけどその経験は、小学校に入ってからに先延ばし。
問題は、「できるかぎり」が、私の忍耐力にかかっている部分が大きいこと。
私の忍耐力は、私の精神力、体力、気持ちの余裕などなどに大きく影響される、つまりは私の都合になってしまうので、それはあまりよくないかなと思いまして。
完全なる「時間=タイムリミット」を設定して、それまでは、待てるようになりたい。なんて思いまして。
そのためには、待ってる時の「イライラを通り越してゾワゾワする感じ」、これをどうにかしたいなって思ったんです。
思うにこれって、「時間のもったいなさ」から来てるのかなって。
家事育児って同時進行でいろんなことこなしていくわけですけど、この「子待ちタイム」って、ただただ、待ってるだけなんですよね。
じゃあ、なにかタスクを同時進行でやればいいのかって言うと、まあちょっと目を離すと、その分きっちり子どもは手を止めてたりするので、結局時間がかかったりして。
意識をちゃんと子どもたちに向けつつも、なにかできること。
ってなった時に思いついたのが、「首のリンパマッサージ」と「二の腕ほぐしマッサージ」でした。
これのすごいところは、「マッサージしてる感」があまりなく、普通に立ってるように見えるところ。(多分。人に「え?今マッサージしてる?」と言われたことはないので)
人前じゃなければ、ちょっと両手を挙げてポージングする感じで、ストレッチも。
家事育児で凝り固まった体をほぐすと、気持ちも軽くなって、子どもたちのことを待つ余裕も生まれてきます。
子どもたちも、「まだ!?まだ!!!???」というオーラを全身から出している私よりも、なんか変な動きしながらも、余裕の笑顔で待ってる私の方が、いいんじゃないかな、と思います。
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:5歳と3歳
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。5歳男児&3歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「伝えるチカラを身につけたらダメ旦那が稼げる男になりました」
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。