息子が生後1ヶ月の頃でした。
喘息発作をおこし入院してしまいました。それだけでも大変な出来事だったのですが、回復していき、やれやれもうすぐ退院できそうという頃に、心臓の音が気になると主治医の先生に言われました。
入院中にそのまま検査をしてみると、心臓に穴が空いていると告げられました。
心臓に穴?!
赤ちゃんは誰でも胎児のころは心臓に卵円孔という穴があいており、通常は生まれてすぐに閉じるようになっているそうです。どうやらそれが閉じていないかもしれないという話でした。
もう一点、肺動脈狭窄もあると告げられました。
なにそれ、どういうこと?この子はどうなるの?
動揺する私に図で丁寧に説明をしてくださいました。
心臓には右心房、左心房、右心室、左心室と4つの部屋があり、その右心房と左心房の間に穴がありました。
先天性の心疾患では右心室と左心室の間に穴があいている心室中隔欠損が一番多いようですが、うちの息子は心房のほうでした。
ただちになにか起こるわけではなく、成長によって自然に穴がふさがる場合もあるし、肺動脈狭窄もよくなるかもしれない。しばらくは様子を見ていきましょうという話でした。
それでも赤ちゃんの心臓に穴があいていると言われて不安はぬぐえません。
「このまま穴がふさがらなかった場合はどうなるのでしょうか?心房中隔欠損症になるのでしょうか?」
私の父親が、心房中隔欠損症で手術をしていたため多少の知識がありました。心房中隔欠損症も生まれつきのものが多く、子供の頃は症状がなくても大人になってから症状が出て判明することが多いと聞いていました。
私の父も職人で体力自慢の人でしたが、40代で突然倒れ判明し手術に至りました。
「このまま塞がらない場合、心房中隔欠損も考えられます。その場合はもう少し体が大きくなってから手術することになります。」
卵円孔が自然に閉じていないものを卵円孔開存というそうですが、息子の場合はどちらか現段階で判断がつかないとのことでした。
とりあえず現段階では特に気をつけることもなく普通に育てていけばよいとのこと。定期的に検査をし経過をみていくことになりました。
よく考えたら私の父も心房中隔欠損症、祖父も心筋梗塞で亡くなっていますし、伯父や叔母も含め私の親族には心臓病がとても多くそういう家系なのかもしれません。
そして今から3年前、私も狭心症で倒れました。一族で心臓病専門病院に出入りしています・・。
もし心房中隔欠損症であっても、私の父が生まれつき穴があいていたとはいえ40代まで気付かず、運動や肉体労働もこなしていたことを知っていたので、ただちに日常生活に影響があるわけではないといわれたことも納得できました。
たまに思い出しては手術が必要になるかもしれない不安はありましたが、そのままばたばたと日常を送っていました。
その後の経過
1年に一度、入院していた大きな病院で検査を受けました。
心エコーをとるため小さい子ではじっとするのが難しく眠らせないといけません。
寝不足で来るようにといわれても、車で来る途中に寝てしまいますしなかなか思うとおり病院では眠ってくれません。たいていは眠れず少しの睡眠薬をもらって眠らせて検査をしました。
1歳、変化なし。2歳のときも相変わらず穴は塞がっていません。肺動脈狭窄もそのままでした。
もうこのまま穴があいたままなのだろうか・・。
3歳になって検査を受けたとき、穴も塞がり肺動脈も狭窄していないとのこと!
運よく自然に治りました。これで手術はしないですむ!
特にそれまで心臓や肺動脈の治療はなにもせず、生活の制限もなにもありませんでした。
心臓と肺動脈に関してはめでたしめでたしという結果になりましたが、塞がったことがわかった3歳よりちょっと前に、息子は自閉症スペクトラムであることがわかりました。
自閉症スペクトラムなどの発達障害も生まれつきの障害です。適切な環境で育てば社会に適応することも不可能ではないですが、一生その特性は持ち続けるものです。
喘息も10歳になった現在も治療を続けています。
ひとつ治ったといっても、なんだかんだと心配は尽きないですが、今のところは元気に育ち毎日笑顔をみせてくれています。
著者:なないお
年齢:アラフィフ
娘 2005年生まれ、息子 2007年生まれ
発達障害を持つ子供たち二人を育てるシングルマザー。乳がんを患い治療中。頭の中をTwitterに垂れ流しながら復活の呪文をとなえています。
娘:明るくスパイシーなアクセル全開系女子。ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群。
息子:おだやかで刺激に弱いダジャレ数学少年。自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)
ブログ【うちの子流~発達障害と生きる】URL:http://nanaio.hatenablog.com/
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