こんにちは、きたあかりです。
ムスメがNICUへ入院した後、主治医の方から病状の説明と入院への同意書などの手続きがありました。
そして初めての面会。
私がお世話になった病院ではGCU(状態が安定してきた赤ちゃんの治療室)の奥にNICU(新生児集中治療室)があって、面会時間は14時から18時まででした。
最初に面食らったのは、そのセキュリティの厳重さです。
まず自動ドアの前にあるインターホンで名前と用件を言ってロックを開けてもらい、入り口でスリッパを履き変え、肘まで念入りに手洗いと消毒をしてから2個目のドアを開けて入ります。割烹着のような上着を入院着の上に着て頭にもハットをかぶり、ようやく中へ。
2度目の手洗いと消毒を行い、GCUを横目に奥へ進んでいくと、GCUではコット(赤ちゃんを寝かせておく&運ぶためのカートみたいなもの)に寝かされた赤ちゃんがずらりと並び、歯医者さんで聞くような安眠系BGMの中眠ったり泣いたりしていました。
「こんなにたくさんの赤ちゃんが入院しているんだ」と驚きました。なんとなく根拠もなしに十月十日の経膣分娩でスポンと赤ちゃんが生まれてくる気がしていましたが、
妊娠出産のリスクは思っていた以上にずっと身近なものだという事、普段の生活では見えなかったり出会わなかったりするだけで、壁一枚隔てたところで戦っている人がたくさんいるんだという事を、あらためて気付かされるのでした。
廊下を抜けてNICUに入ると、外光を遮断した室内は昼でも薄暗く、機器の作動音と看護士さんの立ち回る足音だけが響いていました。
担当の看護士さんに案内され、保育器ごしにムスメと面会します。
管だらけの姿もぐっときましたが、何より苦しそうに呼吸をしているのがショックでした。
ムスメが診断された「狭鼻症」って、要は鼻の奥が腫れて呼吸がしづらいという事なのですが、内臓に病気があるわけでもないし呼吸さえ確保出来てれば大丈夫だろうくらいに思っていたんです。重い鼻づまりのようなものかと。
が、陥没呼吸になっていたムスメのお腹は息を吸うたび風船のようにべコンベコンとへこんでいて、
お腹の中でも耳は聴こえてたはずなので、声を聴かせられれば少しでも安心するかも…と保育器に手を入れ、あいさつしてみます。
昨日生まれたばかりのムスメの体は触ったら崩れ落ちてしまいそうなほどやわらかくて、撫でるのも怖かったのを覚えています。
とりあえず思いつく限りおしゃべりしてみました。
とはいえ一方的に語りかけるだけなので、話題はすぐに尽き…
場を持たせるため、子守唄でも歌うことにしました。なんだか1人で歌ってるみたいでちょっと恥ずかしいですが、保育器ごしにしてあげられる事なんてナデナデと声かけと歌う事ぐらいしかないので恥ずかしいとか言ってる場合じゃありません。
他の子を起こさないよう、静かな声で歌います。
子守唄ってどうしてあんなにメロディー悲しげなんでしょう…楽しませるどころかこっちが泣けてくるし、なんか途中からひな祭りになってたので10秒くらいで断念しました。
結局その日はヒソヒソ声でジブリメドレーを歌い明かしたのでした。
著者:きたあかり
2016年6月にムスメを出産し、生後2ヶ月ごろからインスタで育児絵日記(@kita.acari)をつけています。ムスメの寝顔を見ながら寝落ちするお昼寝タイムが至福。
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