いよいよ帝王切開開始。
執刀医の先生や麻酔科の先生のほかにNICUの先生も待機していたり、10人くらいに囲まれて手術がスタート。
手術台の上に丸くなり、背中に脊椎麻酔を入れる。
確か麻酔は3本くらい。極度の緊張で痛いかどうかはよくわかりませんでした。つい声をあげてしまいちょっと恥ずかしかった。
しばらくすると麻酔がきいていたのか、下半身が重だるくなり感覚がなくなっていきました。麻酔がきいているかどうか、先生が丁寧に確認してくれました。
緊張で何も考えられずただひたすら天井の一点をみつめていました。
脳裏にぼんやりと浮かんでくるのは赤ちゃんたちを授かった日からの思い出。双子の妊娠がわかった日のこと、つわりが苦しかったこと、出血をして産院に駆け込んだこと、周りの全ての人が優しくフォローしてくれたこと。
赤ちゃんたち、こんな私のもとへ、きてくれてありがと・・・ う?
うん!?ちょっと待って。
お腹切られてるのめっちゃわかる。
普段は注射すらダメなんです私。ついたての向こう側を見たら100%気絶します。
腹かっさばかれてる。ああ~、
かっさばかれてるなう。
脳内パニック状態の私へ先生が一言。
じゃ、シャンプーしていきますね、っていう美容師さんみたいな感じで。なんて優しい口調。
おっ、お腹を?押す?赤ちゃんを押し出すんですか?えっそれ大丈夫なんですか?なんて聞く余裕はない。
力いっぱい頷くのみ。そう私はまな板の上の鯉。お任せします、先生どうか子どもたちをお願いします。
余裕のなくなった脳内では、サケのおなかからイクラが押し出される映像が延々とめぐっていました。
もう自分が鯉なのかサケなのかよくわからなくなった手術開始30分後。
いよいよ双子と対面の時を迎えます。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:ウラク
年齢:27歳
子どもの年齢:1歳
2015年に二卵性の双子(姉弟)を出産。「双子育児、大変すぎて全然覚えてない!」ということにならないよう、インスタグラムに育児絵日記の投稿を開始。ボールペン1本で綴る双子との毎日を絶賛公開中。
【新刊情報】話題のふたご育児日記が待望の書籍化!『ウラクさんちのふたごちゃん(セブン&アイ出版)』
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