「できないからお母ちゃんがやって!」
つい最近まで次男がよく言っていたセリフです。
次男の5歳時代は伸び悩みの時期で、できていたことをやらなくなったり、やる前からできないと言ったり、すぐ諦めてしまったり。
5歳といえば周りからどう見られるかということを気にし始めるお年頃。できない姿を見せたくないし認めたくもないという思いもあったのかもしれませんが、なかなか自分でやろうとせず、時にはできない理由を他人のせいにする次男の言動に悩んでいました。
ところで私と次男がこの「できる・できない」問題でよく揉めたのがお風呂の中でした。
ひとりでできるようになったはずのシャンプーを「できないからお母ちゃんがやって!」と言うのでやってあげると、「なんでそうやってやるの!もっとこうして!」「お母ちゃんはシャンプー下手で嫌だ!」などと言う。私も大人気ないので、「そんなにお母ちゃんのやり方が気にくわないなら最初から自分でやればいいじゃん!」と真っ向から対立。そうこうしているうちに怒鳴り合いになり、頭にきた私に雑に頭を洗われた次男は悪態をつきながらお風呂から上がり、脱衣所でずっと私の文句を言う。というのが日常茶飯事でした。
こういったやりとりがあまりにも多く、どうしたものかと夫と話し合うと、夏休みに入ったら「なんでも自分でできるんだ」という自信を持たせてあげられるような取り組みをしていこうということになりました。
まずは次男がいつも普通にできていることに、あえていい言葉をかけるようにしてみました。
例えば食事の後お皿を下げるのはすっかり習慣化して自動的にやっているのですが、これを当たり前のことと捉えずに、「いつもお皿を下げてくれてありがとう。それだけでもやってくれるとずいぶん助かるよ」と声をかけてみます。すると次男の表情がパッと明るくなりどことなく誇らしげに。
時には三男を介すテクも導入。 次男がスッと靴を揃えたら「お兄ちゃんはちゃんと靴を揃えられて、さすが年長さんだねぇ」と次男に聞こえるように三男に言ってみる。次男をチラ見すると鼻の穴広げて得意顔。
この『次男ヨイショ大作戦』の効果がすごかった!
「できない」を言う前に、「できるかな」「やってみようかな」と、何事にも前向きに取り組むようになったのです。このいいムードは夏休み中続き、新学期が始まり、6歳の誕生日を迎えました。
ここから次男の自信は一気に加速!
あれほど揉めていたお風呂時間も、自分で体も頭もワシャワシャと洗いタオルでガシガシと体を拭き「先出るねッ」と颯爽と上がっていく。なんだかやたらと男前です。
朝は三男を連れて新聞を取りに集合ポストまで行ったり、小学校から帰ってきた長男の給食袋の中身を洗濯に出してくれたり、自分のことを超越して家族の世話まで焼き始めました。
正直ここまで変わるとは思っていませんでした。
小さな成功体験を重ね、親や家族から評価され、自分はなんだってできる!と自信を身につけた次男。
成長してくるとできることよりできないことに焦点を当ててしまいがちですが、子どもに必要なのは今できていることをしっかり認めてあげることなのだと、次男の姿を見て気づくことができました。
そして5歳児と真っ向からやり合ってた自分も、もっと親としての精進が必要だと実感。。。
母ちゃん38歳、子どもと一緒に絶賛成長中です。
>>次回エピソード:ガミガミ怒ってばかりの子育てを変えたい!夫婦で始めた“育児部”ミーティング by マルサイ
著者:マルサイ
年齢:37歳
子どもの年齢:7歳・5歳・2歳
子どもたちが寝静まった後の大人のゴールデンタイムに描いた絵日記をインスタグラムに投稿するのが最高の娯楽。趣味は田んぼの生き物を観察すること。単行本「男子が3人います。」(大和書房)発売中!
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