こんにちはpikaです。
3歳の双子男児を育てています。
この度、ゼクシィBabyでの連載やブログの漫画をまとめた書籍を出すことになりました。
今回はその中から、ふたごを出産したときの様子をご紹介させていただきます。
双子の出産は、病院によって方針が異なり、全例帝王切開とするところもあれば、経膣分娩が選べるところもあります。
わたしが入院していたのは、条件が合えば経膣分娩も選べる病院でしたが、お腹の中のふたりは逆子の状態。
経膣分娩の適応はなく、37週2日に帝王切開の予定が組まれていました。
しかし体調は思わしくなく、点滴の副作用であがった筋酵素は一向にさがる傾向がみられません。
そうこうしているうちに、おしるしがあり、規則的な張りと痛みが。
もうこれ以上は母体がもたないということで、36週2日の朝、緊急手術をすることが決まりました。
患者として入る初めての手術室。
手術台からの眺めはとても広く、着々と準備が進んでいく様子が見てとれます。
初めての腰椎麻酔は、姿勢の保持に悪戦苦闘するも、幸いなことに気分不快や痛みに襲われることはなく。
首から下がぽかぽかして、温泉にでもつかっているような、不思議な感覚のまま手術が始まりました。
帝王切開は始まってしまえば、あっという間に子どもが出てきます。
(手術開始から出産まで10分程、そのあとお腹を閉じるのに40分程で、全体として小一時間)
胸から下は布の壁で見えないものの、布越しに耳にする産声で「誕生の瞬間」を味わうことができました。
自分の中から生命が誕生する、おどろきと感動は、忘れられません。
しかしながら、聞こえてきた産声は1つのみ。待てども第2子の産声はせず、気がかりに思っていたところ……
知らぬ間に産まれていました。
泣き声がまざってしまい、よくわからなかっただけかもしれません。
処置が終わった赤ちゃんは、看護師さんが近くまで連れてきてくれ、寝ながらふたりと対面することができました。
なでた頭のやわらかくて、あたたかい感触。わたしにとって、宝物のような思い出です。
手術のあとはベッドに寝たまま部屋まで移動し、待ちうけていた家族と誕生を喜びました。
寝たまま足元を見下ろすと、これまでお腹がじゃまして見えなかった両足がしっかりと見え、「ああ、産まれたんだな」と、嬉しいような淋しいような不思議な気持ちに。
麻酔のおかげで、このときはまだ痛みもなく、この夜に待ちうける試練のことは知る由もありませんでした。
次回、術後の痛みと回復の様子をお送りします。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:pika
子どもの年齢:3歳双子
2014年5月生まれの双子を育てています。産科ではありませんが医療職をしています。「妊活ブログ」・「双胎妊娠ブログ」を経て現在は双子育児4コマ漫画ブログを運営中。
ブログ:「ふたご絵日記」
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