先日、政治家の方が「子どもは3人以上産んでいただきたい」と発言したことが話題になりました。
後に謝罪・撤回したり、逆に賛同する意見もあったり、物議をかもしましたが。
二人子どものいるアラフォー母から言わせていただきますと、「産めるもんなら産んでるわ!!産ませてみろよコンチクショー!!!」と叫びたくなります。
周りのママさんたちと、よく話します。
「うちはもう無理」と。
一人っ子ママも、二人っ子ママでも、それこそ3人子どもがいるママからも聞く、自分よりも多く子どもを生んでいる人への尊敬と、「うちはもう無理」の声。
理由はいろいろ、金銭的に、制度や環境的に、なにより心理的に、などなど。
じゃあ、それらが全部「無理」じゃなくなったら?
聞かれた時に、「………」少しだけ、考えます。
「そりゃ、ね。」妊娠出産育児は大変、でも、かけがえのない時間だということも知ってる。
そう、どう考えても、現状は、無理。だけど。もしも、もしも。
ちょっとした妄想だけど、声を上げることで、これからの人たちの「無理」が少しでも減るなら。
もしかしたら、少子化が改善されるきっかけになってくれるかも、との期待を込めて。
「もう無理!の理由」と、どうすれば無理じゃなくなるか、考えてみようと思います。
無理理由1:【金銭的に】
やっぱりこの部分が一番大きいです。
子どもの教育費、オール公立でも800万、オール私立で2000万、なんて言われていますし、これを乗り切るためには、生まれてすぐからコツコツ、大学費用のために18年間貯金しましょう、なんてのがセオリーだったり。
しかもうちは、現在、夫婦ともに40代。体の問題もありつつ、老後資金も貯めないといけなくて。
また、上の子が公立小学校に入学した我が家、これでお金を貯められる!と思っていたのですが。
小学校って、勉強も運動も家庭でのサポートが必要とされているんですね。
例えば水泳を親がつきっきりで教えるなんてことは私には無理で、じゃあ、とスイミングに通ったり、算数の計算を「子どもができるように教える」ことが私にはできなくて教室に通ったり。
「あれ?お金けっこうかかる、貯まらなくない?」と気づきました。
金銭的な不安は、それこそずっと、子ども産む前からあり、努力と根性でなんとかしてきた部分が大きいのですが。
それももう無理かも、という気持ちが強くなってきているのを感じます。
<じゃあ、どうすれば?>
そもそも子ども生まれてからコツコツ貯めなきゃいけないほどの「大学費用」ってのが子育て家計の最大の壁になってて。
これが無償化、せめて300万円と言われている国公立大学4年間の学費が半額の150万円になったら、かなり負担は減るように思います。
このために無理しているご家庭はゴマンといると思うので、せめてここだけでもどうにかなったら。
それでもうちなんかはまだカツカツなので、「児童手当の増額」と「子どもが多い家庭の優遇UP」も希望させてもらいたいです。
ママ友と話しながら「**万円くれるなら考えるわ~」と笑い合うことも多いですが、実際問題いくらなら考えるか、というところ、これは後の【制度的に】で。
現在も「第三子以降の子ども」は「保育料無料」「学校給食費無料」などの制度がありますが(自治体によって異なります)、金銭的なネックは先の「大学費用」や習い事だったりするので、正直なところまだ足りないという実感があります。
無理理由2:【制度的に】
私、保活をするのが怖いです。経験がある分、蘇る記憶……何度も通う市役所、入れなかったら、入れたとしてもめっちゃ遠いところになったら……。
>関連記事:3月に入れる保育園求ム!!上の子の認可園退園がかかった「がけっぷち保活」 byうだひろえ
しかも私はフリーランスなので産休育休がなく、休んだら休んだ分だけ収入が減るわけですが、子ども二人育てつつで、産前産後はもろもろお金もかかるのに~と思ったりします。
産休育休のある会社員ママさんでも、収入が減るのはキツイと言ってたりするし、「『小1の壁』にぶち当たって仕事を変えたばかり、育休取れない」という声も。
<じゃあ、どうすれば?>
先の【金銭的に】とリンクしますが、何が問題って、子育てすることによって「支出が増える」のに「収入が減る」ことなんです。
で、現状それの解決策って、パパが残業増やすとか、ママが出産ギリギリまで働くとか産休後や育休早く切り上げて復帰するとか、あらかじめ貯金するとかで、「親が無理してがんばる」っていう、結局親の負担増ばかり。
すでに子どもがいる場合、その負担はその子たちにもいくわけで、そりゃ尻込みもします。
育休の取りやすさや、男性の育休取得の必要性が叫ばれるようになって、取得率も増えてると聞きますが、それでも育休中の収入は減るわけで、せめてその部分をカバーするようなもの、例えば「児童手当」や「出産育児一時金」の増額などがあれば、と思います。
その額が、「妊娠出産育児で減る分」を補填してくれるほどなら、希望が持てるように思うのです。
それと、私は「保育園」は、就労関係なく「望んだ人全員」が入れるようにしてほしい「全入派」です。母子手帳をもらう手続きの際に、保育園の希望を場所や時期や頻度まで聞いて用意しておいてほしいし、それだけの予算が、保育士さんの給料も含めて確保されてほしいです。(保育士さんの労働環境の改善も強めに希望)
待機児童/保留児童になったり、一時保育を利用しようにも電話予約ですでにいっぱいキャンセル待ちなんて状態を、この身で、上の子も一緒に体験しています。
「またそうなるのか」という不安なく、子どもが産める状態になっていて欲しいです。
無理理由3:【3人目の壁(気持ち的に)】
1人目の壁、2人目の壁もあるかと思いますが、3人目の壁は、「上の子見ながら赤ちゃん育てた」経験があるがゆえに、「もう無理」と感じる人が多いように思います。
2人目の時にすでに1人目の時との「体力・気力の差」を感じたら、いわんや3人目をや。
当然周りの大人も年を重ねていて、「もう次は里帰りできない」「親を頼れない」という状況にも。
そんな中、妊娠出産でトラブルがあった時の、上の子どうしようという不安も、今度は2倍。
上の子2人の育児が落ち着いてから、と思ったら、もう私何歳なんだ、って。
<じゃあ、どうすれば?>
ネックになっているのは「大変さ」で、それを「なんとかしよう」という気持ちがわかないほどなのが問題なんだと思います。
じゃあ、その「大変さ」がなくなるようなシステムがあれば。
産後ケアや子育てサポートの充実をし、なにより「気軽に利用できる」ようなシステム、例えば母子手帳にクーポンついてるような、確実なサービスにしていただきたいです。(実施している自治体もあるようです)
私自身、上の子生まれてすぐにファミサポに登録したり、下の子生まれる時に上の子の預け先探したり自治体の産後ケアについて問い合わせたりしましたが、あれは、産前産後の家庭がやるには難易度の高いシステムだと感じました。
最近では産後院(ケア施設)も増えていますが、一泊数万円かかるようですし、これをクーポン利用できるようにしたり。
例えば「出産育児一時金」の増額もしくは「産後手当金」をもらえたら、産後ケアや上の子たちを預けるのに使えたり、里帰りする人もサポートしてくれる人に支払えたりできて、家族/身内が抱える大変さの解消ができたら。
私は今年42歳。正直、もう無理だと思っています。でも。このギリギリの年での、もしも、を考えてみました。
たくさんの「無理理由」をピックアップしていると絶望的な気持ちになりましたが、それぞれの「どうすれば?」も考えてみたら、これが実現したら。
希望が持てるような気がしています。
政治家さん、どうか、どうかお願いします。
>次回エピソード:子育てのために元バンドマンの夫が封印したギター。家族の成長と共に取り戻したものは… by うだひろえ
>前回エピソード:緊急指令!家庭内感染を阻止せよ!感染力抜群の“はやり目”との戦い by うだひろえ
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:小1、年中
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。年長男児&年少女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「家事も、育児も、お金も、紙に書くだけでお悩みスッキリ!とにかく書き出し解決術!」(KADOKAWA)
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。