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虐待は他人事ではなかった。児童相談所に助けを求めた日 by なないお

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最近、とても痛ましい虐待の事件が話題となっていました。

児童相談所が介入しながらも最悪の事態になってしまった事件。抵抗できない小さな命が奪われるのは、本当に心が痛く悲しいことです。

私は37歳で第一子の娘を産んだのですが、それまでなら確実に「そんなことをする親は人間ではない」「どうして小さな子供にそんな酷いことができるのか」「児童相談所は何をしていたのか」と憤ったことでしょう。実際に時折流れてくるそのようなニュースに触れる度に思っていたものでした。

しかし、自分が子供を持って子育てをする中で、虐待は他人事ではないと実感するようになります。まさか、自分が、そういう状況に追い込まれるとは夢にも思っていませんでした。

 

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発達障害を持つ娘の難しい子育てにどんどんと追い込まれ、紙一重のところまで来てしまいました。ギリギリで保健師さんに病院を紹介されることで、診断がつき、療育や医療のサポートにつながることができ、ようやく一旦は抜け出すことが出来ました。

私も診断がついたことをきっかけに娘に対する対応を学び、園や学校の協力もあり、娘は普通学級で大きな問題もなく通うことが出来ました。現在は受験をし公立中高一貫校に通う中学一年生です。

 

外ではほぼ問題なく適応できていた娘ですが、家ではどうしても解決できていない問題がありました。それはパニックへの対応です。

子供がパニックになった時の対応は、クールダウンです。一旦、その場を離れて落ち着くこと。

娘は家でどうしてもそれが出来ないでいました。

誰でも家族や親子だと人との境界はゆるくなってしまうものだと思いますが、娘の場合は極端に家族との境界線がありません。

パニックになるきっかけは様々ですが、お風呂に入るように促しても自分が何かに夢中になっている時は切り替えが出来ず、繰り返し入るように言われるだけでブチキレてしまいます。弟にちょっかいをかけて静止されてもだんだんとヒートアップしてパニックになってしまうのです。自分のやりたいことを止められるのがパニックのきっかけとなりますが、日常生活を送る以上は避けられません。

特に母親の私には同一視が激しく、カッとなってしまえば意地でも自分の思い通りに動かそうとしてしまいます。

なのでクールダウンのために私から離れることが出来ず、私の方から離れようとしてもそれを阻止してきます。無理やり離れるためにトイレや風呂場に私が逃げ込んでもドアを蹴破って壊してしまうこともありました。

仕方がないので、無理やりに家を一旦出て、娘が落ち着いた頃を見計らって帰宅することの繰り返しが続いていました。

ほんの30分でも時間を置けば、娘はクールダウンすることが出来ます。帰宅すれば落ち着いて話をすることが出来ていました。でもカッとなっている最中はどうしても自分から離れることが出来ないのです。そして私もその状態のままでは冷静を保っていることは難しく声を荒げてしまう。お互いのために一旦離れてクールダウンすることがどうしても必要でした。

ところがだんだん娘が大きくなり力も強くなってきたため、無理やり私が家を出ることすら難しくなってきました。医療の方にもこのことは相談していましたが、病院で出来ることは薬の調整だけでした。

もう限界だ、このままでは危ない。

虐待をしてしまう。

頼る先はもう一つしか思い浮かびませんでした。児童相談所です。

 

今から半年ほど前、私は自ら児童相談所に助けを求めました。

児童相談所は虐待で身の危険がある子供を一時的に保護する役割ももちろんありますが、親子を引き離す為のところではありません。文字通り児童のことについて解決をすべく相談する場所でもあります。

児童相談所に予約を取り、親子で面談を受けました。娘からと私から、それぞれ別に話を聞いてくれ、親子関係の調整をしてくれています。

少しずつ改善のためにできそうなことを私たちに提案してくださり、娘は毎回臨床心理士さんと一つずつ約束をしています。今も月に一度のペースで通いながら親子で課題をクリアして行っています。

おかげさまで今ではパニックで私が無理やり家を出なければならなくなることはほとんどなくなりました。

 

親子関係の問題、子供に対してのことは、身近な人に相談するのはとてもハードルが高いことだと思います。親として責められるかもしれないと感じてしまうことは、どうしても言いにくいものです。でも実際は人に言いにくいことほど問題は深刻なものになってしまいます。そこを放置してしまえば、虐待への道に突入してしまう。

赤ちゃん寝ない泣き止まない、一度や二度ならなんとかなることでも、それが一ヶ月二ヶ月とひどく寝不足状態が続いただけでも人間は正常な判断が鈍るほど追い込まれてしまうものです。

限界を感じたら、危ないと思うことがあれば、どうぞ勇気を持って、専門機関へ相談してみてください。児童相談所は緊急性の高い場合の対応が中心ですが、地域の保健師さんも相談に乗ってくれます。各自治体に子育ての相談窓口が色々用意されていると思います。

私の子育てはもう後半戦になりましたが、まだいつどうなることやらわかりません。子育てを無理やりにでも密室にしないことが一番大切なのではないかと思います。

 

ちなみに我が家にはもう一人子供がいます。息子も自閉スペクトラム症を持っていますが穏やかな性質の子です。多少イラっとしたことならありますが、息子に対して感情的になったことは一度もなく、虐待と隣り合わせと感じたことももちろんありません。息子もパニックになることがありますが対応に困ることはありません。おそらく私との相性が良いのだと思います。

もし、私が息子しか育てていなければ、私は今だに虐待は他人事で、鬼畜の所業だと思っていたと思います。

親子といえども一人の自分とは別の人間です。自分に似たところがあったとしても相性が良いとは限りません。運よく相性の良い子が出てくることもありますが、相性が仮に悪かったとしても大切な私の子供です。パニックでないときの娘は明るく前向きな可愛い子です。

自分で抱え込むのが難しければ外の力をどんどん借りてでも、健全に育てていくのが私の務めだと感じています。

 

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著者:なないお
年齢:アラフィフ
娘 2005年生まれ、息子 2007年生まれ

発達障害を持つ子供たち二人を育てるシングルマザー。乳がんを患い治療中。頭の中をTwitterに垂れ流しながら復活の呪文をとなえています。

娘:明るくスパイシーなアクセル全開系女子。ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群。

息子:おだやかで刺激に弱いダジャレ数学少年。自閉症スペクトラム(広汎性発達障害

ブログ【うちの子流~発達障害と生きる】URL:http://nanaio.hatenablog.com/

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