引っ越して来た土地で、夫は仕事が忙しく、実家も遠いので頼れる人がいませんでした。
生後半年くらいだったか、何をしても泣き止まない時期がありました。
初めての育児で理由もわからない、大人との会話もほとんど無く、聞こえるのは赤子の泣き叫ぶ声だけ。
「おっぱいあげなきゃ、足りないなら急いでミルク作らなきゃ、なんとかして泣き止ませなきゃ」急かされているような感覚になり、どんどん鬱気味に。もうこのままずっと泣き止まないのでは…?
そう思って実家に電話をすることに。
違う、そういうことじゃないんだ。
泣き止まないのはいつものことで。ただ母の声を聞いて、私が落ち着きたかっただけ。 それなのに、「その場にいない」というだけでこんなに伝わらないのか。
それから母に電話で相談するのはやめました。
しかし、そんなドン底期に救われた出来事があります。
我が家の隣には小学生の女の子がいる家族が住んでいました。たまたま階段で奥さんとばったり会った時
そうか、そういえばそうだ。
私だって起こされても起きない子どもだった。
永遠に泣き続けるなんてことはない。
いつかこの辛い時期は通り過ぎる。
ワンオペ育児で部屋に籠りっぱなし、視野がどんどん狭くなっていたので、そんな当たり前のことに、言われるまで気づきませんでした。
「今のこの状態って二週間後には見れなくなるのかも」と、逆にちょっと名残惜しいというか、荒んだ心が少し穏やかになりました。
もちろん、親の協力が助けになる時も多々あります。でもそれ以上に ご近所さんの「側にいる」感はとても心強いものでした。
毎日泣き声ばっかり、申し訳ない、申し訳ない、とずっと思っていたのに、私が今苦しんでいることを察して、サラッと明るく励ましてくださって、本当に心から救われました。
かつての自分のような人を見かけたら、私もこういう風に笑って励ませるような人になりたいです。
著者:ゆむい
年齢:30代
子どもの年齢:6歳・4歳
イラストレーター。やんちゃ盛りの兄弟の様子をほのぼの漫画で描いています。
ブログ:ゆむいhPa 〜過激♡でマヌケな兄弟育児〜
ツイッター:@yumuihpa
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