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社会から切り捨てられたみたい…。底なしの暗闇にいた産後の私が「母親」に切り替わった瞬間 by 野原のん 

こんにちは!野原のんです。
この度連載をさせて頂く事になりましたー!わーい!

前回エピソード:試行錯誤したけど、やっぱりアレを買えばよかったと大後悔。双子の抱っこひも事情 by 野原のん


改めて自己紹介を…。

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そして空気のようで空気じゃない旦那と、アラサーで適当人間な私の6人家族な我が家!

今回はそんな我が家の歴史を遡る事9年。
長女いっちゃんを産んだ後母親として初めて学んだ事を…。

 

私がいっちゃんを出産したのは22歳の時。
21歳で結婚したのですが、高校・短大の友達含めて周りで結婚出産している人は遠くに住む友人1人だけでした。

私自身、両親が割と歳を重ねてからの子どもだったので、若いお母さんがいいなという願望はあったし世間にはギャルママ雑誌なども出回っていて、そこにはキラキラした事がたくさん書いてあり、周りよりも少しだけ早いタイミングで出産した事に後悔は無く、キラキラした楽しい幸せなママ生活が待っているものだと妊娠中は思い込んでいました。

 

 

出産は出血多量で意識が飛んでてんやわんやしましたが、大変やで大変やでと聞いていた新生児との生活も構えていたほど辛くなく、
「なんだーこんなもんか」
なんて思っていたひよっこママもどきな私。

でも、あの感覚はジワジワとやってきました。

最初にそれを感じたのは友達から来たメール。

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うん。無理。ごめん〜。

前なら迷う事なく参加していたけど、産後2ヶ月の子どもを置いて夜中に出る事は出来ないし、そもそも母乳だからお酒は飲めない。

「また行けそうな時誘うわ」
返事にはそう書いていたけど、独身の子たちが動く時間帯は仕事終わりの夕方から夜。
私が動けるのは昼。

行けそうな時とか来るのかなぁ〜…
出産してから時間の感覚が変わって、19時は『まだ』19時 ではなく『もう』19時。
これから動き出す時間ではなく、1日の終わりの時間。

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行けそうな時なんて多分しばらくは無い。

子どもが無事に産まれて幸せだと思っていたし、みんなより早くに出産した事で周りよりも一歩先に進んだ気でいたけど、もしかしたらただみんなのいる道から外れただけなのかもしれない。それがやたらとマイナスな事に感じました。

 

案の定、そこから2、3回声はかかったものの毎回参加は出来ず。
次第に声もかからなくなり、まぁ…仕方ない事。と割り切ったつもりでいた頃。
久しぶりにフェイスブックを開いて、頬を殴られたような衝撃を覚えました。
そこには一緒に遊んでいたメンバーが、私抜きで遊ぶ投稿がいくつも

誘われなくなった事で、なんとなくみんなの集まる回数も減っているのかななんて心のどこかで思っていた自分がいたのが、凄く凄く凄く惨めで恥ずかしくなりました。

 

そしてその頃から、いっちゃんの昼夜逆転や夜泣きが酷くなって、長い時には2時間泣き続けることも。

旦那は当時働いていた現場の仕事が終われば今までと変わらず飲みに行って、明け方帰ってくる。
ネットを開けば最近まで近くにいたはずの人たちがみんな遠くにいる。
鏡を見ればプリン頭で首元のよれた、よだれとシミだらけの服を着た、スッピンでくまの濃い不細工な自分しかいなくて…。

何してるんだろう…私。

1日で会話をしたのはレジの人だけなんてザラにあって、まるで自分が社会から切り離されたような、切り捨てられたような。
どこまでも底なしの暗闇に落ちていくようなそんな感覚に、気がつけば支配されていました。

私は何のために生きてるの?

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関連記事:出産したら「私は赤ちゃんのためだけに生きるマシン…?」絶望から救ってくれたのは… by ユーラシア

 

そんな日が数ヶ月続いたあの日。

いっちゃんは5ヶ月で、まだ夜中1時間おきに起きては泣き叫んでいて
何もかもが辛くて限界で
でも、周りに相談出来る友達もママ友も居なくて、遠くに住む子持ちの友達にはなんか情けなくて言えなくて、ネットといえばフェイスブックだったけど開けば辛いものしか目に入らなくて…

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私は泣き止まないいっちゃんを抱っこしていられず、布団に置いた。

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一瞬目を見開いたいっちゃんが、いきなり産まれてから聞いた事がないような声で泣き叫び、私はそこでようやくハッと我に帰りました。

 

慌てて抱き上げてぎゅっと抱きしめると、今まで抱いていても泣き止まなかったのが嘘のようにピタッと泣き止み、
私の服をぎゅっと小さな手で握っていて。

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何してんの。何してんの私は。

親になったつもりでいて、自分の気持ちは全く親になってなかった。子どもの事を考えているようで、結局自分の事しか考えてなかった。
何のために生きてるかなんて、この子が産まれた時からもう決まってる。
この子と生きるために生きてるんだ。

子どもは親の飾りじゃないよ。
そんな言葉を本当の意味で理解した瞬間でした。
そして、私の頭が「母親」にハッキリと切り替わった瞬間でもありました。

 

みんなと遊んでた頃と比べたら、そりゃ孤独になったかもしれない。
でも、私は孤独じゃない。この子がいるから。
いっちゃんを抱きしめたそのまま、フェイスブックを退会して、そして旦那に電話をしました。
「お前いい加減帰ってこい!!!!」

 

今では、ママになってからの友達も出来たし、その頃の友達がママになって、また連絡を取り出したりもしています。

出産する事で、人より一歩進む訳でも無ければ、道を外れる訳でもない。
「母親」という新しい道を歩き出すただそれだけの事なんだと、そう学んだ出来事でした。

 

初っ端からちょっと重い話だったので、次回は明るく行こうと思います!笑

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次回エピソード:なぜ間違える?と思っていた子どもの名前の呼び間違え。そら、なるわ…! by 野原のん

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著者:野原のん
年齢:アラサー
子どもの年齢:9歳・7歳・1歳双子

関西でフリーダムな子どもたちをフリーダムに見守りつつ、漫画やイラストを描いているオタク主婦。子育てのモットーは「気楽にいこうぜ何事も」

・Twitter :野原のん(双子育児中)@r7t9sk1
・ブログ: それキツネやで!野原のんの育児日記 

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