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聞こえているのに聞き取れない!? 「聴覚情報処理障害」の息子の聞こえ方 by なないお

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うちの息子は、雑音の中で人の声を聞きとることができません。聴力自体に問題はなく、騒がしくない中なら普通に聞こえて話せます。

人間の耳にはたくさんの音の中でも自分の聞き取りたい音にフォーカスして聞き取る機能があります。カクテルパーティー効果と呼ばれるものです。

これができにくいために、全ての音が同列で聞こえてしまって聞き取りたいものがわからなくなってしまうのです。

聴覚情報処理障害というそうです。

 

うちの息子は現在小学5年生。

学校で時々行われるグループに分かれての話し合いなどは、クラス中が一斉に話しはじめると自分のグループの中で誰が喋っているのか何を話しているのかもわかりません。

周りが騒がしい中では先生の指示も正確に聞き取れません。

街中で電話をかけても聞き取ることができません。

発達障害があると、この聴覚情報処理障害を持つ場合があるそうですが、そうでない人にも起こるものだそうです。息子は広汎性発達障害、今でいう自閉スペクトラム症の診断を受けています。

 

生まれつきなので自分では気がつきにくい

この症状は息子が自分で気づいたわけではありません。

人によっては成長の過程で突然そうなる人もいるそうですが、うちの息子の場合はどうやら生まれつきこの状態だったようで、自分以外の多くの人が、雑音の中でも聞き取れていることには全く気づいていませんでした。

あるときに、発達障害を持つ人の中にはカクテルパーティ効果がうまくいかず、雑音の中では聞き取れない人がいることをなんとなく話しました。

(うちの子供達はかなり小さい時から自分が発達障害ということは知っています。)

その時に、息子は驚いて、

「多くの人は雑音の中でも聞き取れるのか?そんなはずはない!!」

と怒り出しました。自分が聞きとれていないこと、それが周りも同じだと思っていたこと、事実に気づいて大きなショックを受けたようでした。

小さい時から耳ふさぎをしたり、特定の音を極端に嫌って逃げ出すこともあったので聴覚過敏があることは知っていました。もしかして息子もこの聴覚情報処理障害があるのではと薄々は気づいてはいました。それがはっきりわかったのが小学3年になってからです。

そこまで家族でも気づかなかったのは、家の中ではそんなにたくさんの人が喋っている状況などはないですし、せいぜい誰かが喋っててテレビが聞こえないくらいのものです。電話を使いたがらないのも、大人しく新しいことに挑戦するのを戸惑う性質のせいだと思っていました。

 

息子から自分が聞き取れていないことを聞いて、そういえばと振り返ってみれば思い当たる節はありました。

幼稚園では先生の指示があったにも関わらず、何をしていいのかわからずに周りをキョロキョロみて真似をする、それで行動が人より遅れていつも最後。状況によって先生の指示が聞こえていなかったのです。

人の多い公園などで呼んでも振り返らないこともしばしばありました。

これが毎回そうなら聞こえていないのかと疑いもしましたが、聞こえているときもあり、普段家では普通に会話が出来ていたので、ただ何かに夢中になっているだけと思っていました。

どういう状況では聞こえていて、どういう時には聞こえていないのか、どういう時に聞こえなくて困っているのか、少しずつ息子から聞き出して行きました。

聞き取りにくいことへの対策

学校と聞き取りにくいことの現状を相談し、対策を一緒に考えてもらいました。

息子は特別支援学級在籍なのですが、算数と国語以外は普通のクラスで受けています。グループでの話し合いの時にできるだけ囲まれないよう席を端にする、先生の指示が聞こえやすいよう前の方にしてもらうことになりました。

ノイズキャンセリングができるイヤホンやイヤーマフを学校でも使い雑音の低減をしています。

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これは聴覚過敏用のステッカーを貼ったイヤーマフです。イヤーマフは一見ヘッドフォンに見えるので、音楽を聞いているのではとよく間違えられるために貼っています。雑音はかなり抑えられますが、そのまま話しかけられても人の声はある程度聞こえます。

塾などの送迎で電話を使って連絡を取らなければならないときもよくあるのですが、音声通話ではなく、SNSを使って文字でやり取りをしています。

ノイズキャンセリング機能のついたスマホを使えば多少聞き取りやすくなるようですが、今のところはお高いので手が出せずにいます。

時間をかけて息子の状態を聞き取り、対策を考え一緒に工夫を探してきたことで、息子も不便に思いながらも自分の状況は受け入れ、工夫で生活しようとしています。

 

聴覚情報処理障害が起きる原因は、発達障害、頭部外傷、睡眠障害、中耳炎、心理的な要素など様々あるようですが、今のところは周りの理解や環境調整や道具を使って聞こえをサポートすることが主流のようです。

聴覚トレーニングもあるそうですが、一般の耳鼻科などの聴力検査では異常が出ないために、診察や治療をしてくれる病院も非常に限られています。

 

特定の状況下以外は問題なく聞こえるため、非常に理解されづらい、そして生まれつき場合、本人も周りもなかなか気づきにくい障害です。しかし社会生活を送る上では、大きな支障が出てきます。

子供だけではなく大人にもある症状です。

あなたの周りにも気づかず困っている人がいるかもしれません。

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著者:なないお
年齢:アラフィフ
娘 2005年生まれ、息子 2007年生まれ

発達障害を持つ子供たち二人を育てるシングルマザー。乳がんを患い治療中。頭の中をTwitterに垂れ流しながら復活の呪文をとなえています。

娘:明るくスパイシーなアクセル全開系女子。ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群。

息子:おだやかで刺激に弱いダジャレ数学少年。自閉症スペクトラム(広汎性発達障害

ブログ【うちの子流~発達障害と生きる】URL:http://nanaio.hatenablog.com/

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