私は身長150cmの痩せ型のためか、妊娠30週の健診で助産師さんに
「赤ちゃんが大きくなるとお母さんの骨盤に頭が引っかかり出てこられなくなってしまう可能性があるから、37週ごろに生まれるといいね」
と言われました。
そこで、医師・助産師の指導のもと、安産のための取り組みを始めました。
・カロリーや塩分を考慮した食事を一日三食規則正しく摂る&体重のコントロール
・散歩、雑巾がけ、スクワット等の運動
・毎日の入浴(シャワーのみはNG)と冷え予防の服装
・毎日ラズベリーリーフティー(安産のハーブ)を飲む
・毎晩三陰交(安産のツボ)にお灸をする
・骨盤底筋を鍛えるストレッチを一日2セット
・お風呂上がりには乳頭マッサージ&会陰マッサージ
できれば自然分娩で産みたいと思っていたため、上記すべてに毎日コツコツ取り組みました。
ところが、その努力も虚しく…37週を過ぎ…38週を過ぎ…ついには予定日も過ぎてしまいましたが、陣痛は来ませんでした。
なるべく陣痛促進剤を使わない方針の産院で、
「赤ちゃんが降りてきていない状態で陣痛促進剤を使っても、痛いだけでお産はなかなか進まない」と言われ、陣痛促進剤を使用して陣痛を起こすこともありませんでした。
予定日の時点で子宮口はほぼ閉じた状態で、赤ちゃんの頭も骨盤にはまっていませんでした。その日の健診で、一週間後までに陣痛が来なければ、予定帝王切開での出産になると告げられました。
また、自然に陣痛が来たとしても、赤ちゃんが大きくなっていることから、頭が引っかかってしまったら緊急帝王切開になること、引っかからずに通れたとしても時間がかかる(難産になる)可能性が高いこと、も言われました。
その3日後、40週3日の午前中におしるしがあり、15時ごろからは生理痛のような痛みが8〜12分間隔で来るようになりました。
「ついに来た!」
ストイックな生活にうんざりしていた私でしたが、待ちに待った陣痛がようやく来たことで、俄然やる気が湧いてきました。
陣痛が弱いうちに食事をしっかり摂り、入浴でしっかり体を温めてから、21時に産院へ行き、そのまま入院となりました。
産院に着く頃には5〜7分間隔になっていて、痛みの波が来ているときには喋れず、うめき声が出そうになるほど。
それでも、長期戦に備えて体力を温存するため、黙って痛みに耐え、痛くない間にはエネルギーや水分の補給、睡眠をとって体を休めていました。
数時間に一度のペースで助産師さんが様子を見にくるものの、基本的には個室に一人。
夜中には3分間隔になり、1分間痛みに耐えたら2分間は気絶したように眠り、また1分間耐え…孤独な戦いの中、夜が明けました。
40週4日の朝です。
朝食もなんとか完食し、9時からの医師の診察を待ちました。
診察で、子宮口の開きがほぼ変わらない(1cmほど)こと、依然として赤ちゃんの頭が骨盤にはまっていないことがわかりました。
その時点で陣痛開始から18時間が経過しており、赤ちゃんの頭がお母さんに対して大きいために骨盤を通れない状態、「児頭骨盤不均衡」の診断が降りました。
午後に緊急帝王切開で出産することが決まりました。
手術のための準備(点滴の準備、剃毛など)を進めながら、涙がこぼれました。
「普通に産んであげられない」という赤ちゃんへの申し訳ない気持ち、「あれだけがんばったのに」という悔しい気持ち、手術への恐怖心…
それでも、赤ちゃんを無事に産むことが一番大切なことには変わりありません。「もうすぐ赤ちゃんに会える」その気持ちを胸に、手術に臨みました。
手術中、血圧が低下したり、出血が多いなどのトラブルはあったものの、赤ちゃんは無事に誕生。元気な産声を聞かせてくれました。
助産師さんが顔の横に赤ちゃんを連れてきてくれて、初めてかわいいお顔を見たときには、今度は感動の涙がこぼれました。
術後は傷の痛みに耐えながらの育児となり、辛いと感じることもたくさんありました。
それでも、かわいいかわいい我が子が無事に生まれてきてくれて、それ以外のことはたいしたことではない、と思うようになりました。
帝王切開がある時代でよかった。帝王切開に感謝!です。
著者:あり
2018年8月、第一子女児を児頭骨盤不均衡のため緊急帝王切開で出産。
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