こんにちは。このところおうちで過ごす休日が多く、派手なイベントは無いもののきょうだいたちのやりとりなど日々の小さな思い出が一層かけがえなく感じたりしています。
さて、子ども嫌いの独身期、その反動で聖母教に傾倒した第一子期と過去の心のゆらぎを振り返ってみましたが、ゆらぎというには振れ幅大きすぎて自分でもあの頃の精神状態を思い出すとちょっと引きます。
聖母教を狂信していた当時は、自分を追い詰めることは苦痛どころかむしろ幸せを実感できる唯一の手段だったように思います。
そして、前回までの記事にいただいたコメントでも、「あの時の自分を嫌いにはなれない」といった声も多数見られて、出産、子育てで自己肯定感が地に落ちてしまう時期に「良い母親」でいることがギリギリ生きるモチベーションになっていた人も多いのかなと思いました。
育児って仕事と違っていくら頑張っても短期的に成果が見えないし、達成感も無いですもんね。
ワタシはその達成感をどうにかして得るために、一つ一つがミッションになっているピースを全部はめ込まないと子どもの笑顔が完成しないジグソーパズルを、毎日崩しては作り直す作業をしていたような気がします。
ただ、その考えが自分だけでなく視界に入るすべてに向けられてしまったことは、やっぱり間違っていたと思います。
自分自身が極端な考え方に蝕まれていたため、同じ母親なら尚のこと、理想と対極にいそうな母親像を見つけると片っ端から鋭い目を向けてしまっていた時期がありました。
最後にこんな思い出話を一つ。
長男が赤ちゃんだった頃は、子どもの生活リズムを厳密に守ることが鉄則であり、大人の都合で子どもを振り回してはいけない、と強く思っていました。
今もどうでもいいとは思わないけれど、当時は「たまには」「少しぐらいなら」も許せなかった謎の完璧主義でした。
絶対に長男の寝かしつけ時間を遅らせたくなく、ほとんど夜までかかる外出をしていなかった0歳児の頃のことなので、遅い時間ではなかったと思います。
休日のお出かけ帰り、駅前で見かけた親子の姿に何故かワタシはイラッとしました。
それは小さい子どもを連れて、居酒屋に入っていく家族の姿でした。
(大人が楽しむための場所にあんな小さい子を付き合わせるなんて)
(味も濃いものしか無いだろうに何を食べさせるつもり?)
(タバコを吸う人もいるかもしれないのに健康に悪い)
(このまま夜遅くまで飲む気かしら?子どもの寝る時間が遅くなってかわいそう)
そんなことを隣にいた夫に捲し立てた覚えがあります。
夫はきっと「土曜日だしまだ夕方だし、別に居酒屋だからって子ども連れて入っちゃダメってことは無いんじゃない?」
としごく当然の正論を返していただろうと思います。
でも当時のワタシの耳には入りませんでした。
その数年後。
元々家の近くに繁華街がないので機会がなかっただけなのですが、次男が1歳ぐらいの頃になって初めて、家族で居酒屋で夕食を食べることになりました。
休日の夕方、開店してすぐの個室です。
正直、いや、わかりきってることですが、何も子どもに悪いことはありませんでした。
ファミレスでご飯を食べるのと何も変わらない。ただ看板が居酒屋ってだけ。
そう、ファミレスで食事している家族には何も思わないし、自分も何度も子連れで外食をしています。
それなのに、「居酒屋=大人が楽しむ場所」という偏ったイメージで勝手に悪い想像ばかりしていたんです。
そして三男出産後、長男次男が祖父母の家に泊まりに行く機会があって、こんな時しか子どもを気にせずゆっくり食事できるチャンスも無いね、と久々に夫と3人で居酒屋に行きました。
三男はまだねんねだったので、広めの席のあるお店で、午後5時ごろから入ると他のお客さんもまだいませんでした。
むしろお店から赤ちゃん連れは嫌がられるかもしれない…と少し不安はあったんですが、店員さんは「ここなら他のお客さまが来てもうるさくないしタバコの煙も流れてきませんよ」と良い場所を選んで案内してくれました。
姪っ子が生まれたばかりという若い店員さんも目尻を下げて対応してくれて、とても暖かい接客を受けました。
産後疲れに家事育児のストレスを手放すほんの2時間が、とてつもなく幸せでした。
その時店内から外を眺めて
「長男産んだばかりのワタシが今もしこの店の前を通りかかったら、きっと酷い母親がいるって毒づいてるね」
と言うと、
「もう親の仇かってぐらい文句言ってただろうね!」
と夫に全肯定されて複雑ぅ〜な気持ちになった…そんな出来事でした。
もちろん、夜遅くまで飲み歩いて子どもを連れ回したり、店内を走り回るのを放置しているのはもってのほか。(これは場所関係ないし)
でも最低限のマナーを守って条件を選べば居酒屋だって大人には息抜きに、子どもには非日常の楽しい時間にもなり得るよね、という話。
こうやって文字にすると、当たり前のことすぎて、自分でもこんな些末な話をなぜ書いてるんだろ…?と思います。
でもあの頃のワタシはそんなことすら想像できないほど視野が狭くなっていたんですね。
そして最初は自分に対してだけ定めていた「〜ねばならない」ルールを、いつのまにか周りの母親にも勝手に制定してしまっていたようです。
次回、ワタシがあの頃一生懸命睨みつけていた相手、その正体は…?自戒を込めて考察します。
著者:tomekko
年齢:37歳
子どもの年齢:長男7歳、次男3歳、三男1歳
6歳おっとり長男、2歳もっちり次男、たぶんあっさりな生後4カ月の三男という、男子三兄弟に日々育てられています。いつも眠い夫にちょっとイラつきつつ、ドタバタな毎日のようすを描いた育児絵日記をインスタグラムに投稿するのが楽しみ。
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