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一日中点滴をしても衰弱していく体。地獄のような重症妊娠悪阻で一番つらかったのは… by ナコ

ゼクシィbabyをご覧のみなさま、はじめまして。ナコ と申します。
イラストレーターの仕事をしていて、小4・小1・1歳の娘たち三姉妹の母です。

 


今回は次女妊娠中の時の事です。

長女の時も悪阻が重めでしたが点滴に通えばなんとかなっていましたが、
次女の時は脱水になり倒れてしまい歩けなくなり、重症妊娠悪阻で入院しました。

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※ケトン体…ブドウ糖が不足し脂肪分をエネルギーに変換する際に肝臓で作られる物質

 

最初は出産予定のレディースクリニックに入院していましたが、クリニックで出来る処置には限界があるという事で途中から高次医療機関に転院になりました。

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転院について説明をしに来た医師先生が何故か往年の刑事ドラマみたいにブラインドの隙間から外を見ながら、独り言のようなトーンで結構重めの発言をしたのですが、
ブラインドの外の何を見ていたのかばかり気になりました。
(多分意味は無かったんだろうけど)

私は自力では立ち上がれない状態にまで衰弱していたため、ストレッチャーに乗せられ救急車で搬送されました。

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この時の悪阻は吐きづわりが酷く、毎日胃液や胆汁を吐き、食道が荒れて炎症を起こしていて痛みに耐えられず保冷剤を常に胸に乗せていました。

加えてよだれつわり。
唾液が気持ち悪くて口の中に入れておけずティッシュに吐き出していました。
自分の唾液とはいえ、ティッシュゴミが一杯になる様も気持ち悪かったです…。

体重は落ち続け10㎏以上減り30㎏台まで落ちていて、
ケトン体も相変わらず3+、脱水も良くならないので点滴は入れ続ける必要があったのですが、もう血管が細くボロボロになっておりどんどん点滴のためのラインが取りにくくなっていきました。

しかもそんな血管なので閉塞もしやすく、
ほぼ毎日、酷い時は1日に何回も差し替えになりました。

なかなか入らないので1度の差し替えで5、6回刺すのは普通で一番多い時は1日20回刺しました。

 

そんなわけで途中からはもう看護師さんではなく、医師が注射針の箱を持ってやってくるようになり両手側で刺すような状態に。

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他にもいろいろありました。

合併症が無いか調べるために、吐き気で入院してるのに胃カメラを飲むという地獄を経験し、

苦しみに耐えるのに無意識に歯を強く食いしばってしまい顎関節症になり、マウスピースをするように言われ購入したけれど、口に物を入れておくのが気持ち悪くて出来ず耐えるしか無い状態に…

さらに、副鼻腔炎になり酷い頭痛に苦しみ、妊娠初期のため薬は処方されず、湿布も禁止され、鼻うがいを勧められるも吐くので無理だったため耐えるしかない状態に…

唇は割れ、肌はガビガビになり、目は窪み、歯ぐきから出血し、
体が骨っぽくなりベッドに横たわるのも体が痛い…

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耐える…耐える…

耐えがたい吐き気痛みが同時に襲ってくる中、意識がある間耐え続ける…
しかもその苦しみのせいでなかなか眠ることも出来ない…

 

次女の重症悪阻入院の話をすると、よく「点滴のための注射が大変そう」…と言われるのですが、看護師さんや医師先生は大変だったと思いますが、
注射は、刺される一瞬は他の苦しみから刺す痛みのみに意識が逸れるので
むしろ私にとっては救いの時間でした。

胃カメラや産科以外の受診も身体的にはキツかったですが、
意識が分散するので精神的には幾分かラクだった気がします。

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入院前に自宅で耐えた3週間と悪阻入院の2ヶ月間の毎日、
1分1秒が永遠のように感じる耐えるしかない時間が本当に本当に辛かったです。

 

だけどそれを乗り越えた結果次女が生まれ…
そして日々成長する姿を見るたびに

ああ〜あの時耐えた甲斐があったなあ〜!
こんな可愛い子が生まれたんだもんなあ〜!

…と、未だにじみじみと喜びをかみしめております。

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著者:ナコ
年齢:30代
子どもの年齢:長女10歳、次女7歳、三女1歳

仙台在住イラストレーター。
広告、雑誌、児童書、雑貨のイラスト、キャラクターデザイン、テキスタイルデザインなど。

書籍「ナコさんちの頑張らない家事(KADOKAWA)」
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ブログ:ナコとムスメらあとダンナ

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